蔵書検索


 
詳細検索
新着資料検索

利用方法
 

休館日

開館カレンダー


 中央 第四月曜日
 (祝日の場合は翌日)
 年末年始・特別整理期間
 第一
 第二
 第三
 第四
 月曜日
 祝日・年末年始
 特別整理期間
 iプラザ
 第二・第四月曜日
 (祝日の場合は翌日)
 年末年始・特別整理期間
 

開館時間

中央・iプラザ 9:00-20:00
第一~第四 10:00-17:00
*7月21日~8月31日 
 火~土曜日:9:00-18:00
 日曜日:9:00-17:00
 

iブラリブログ

おすすめ資料
12345
2024/03/20

セント・オブ・ウーマン 夢の香り

Tweet ThisSend to Facebook | by 図書館管理者
資料コード:630337363
請求記号:D7BF/セ

 何度も繰り返し見たくなる映画は?と尋ねられて真っ先に挙げたくなるのがこの『セント・オブ・ウーマン 夢の香り』(1992年の作品)。
 題名からはどんな映画かイメージできないかもしれないけれど、恋愛ものではなく、退役軍人と18歳の高校生との心の交流を描いた感動のヒューマンドラマ。

 アメリカの名門高校に通うチャーリー、学力は優秀だが家庭の事情で給費生。クリスマスにオレゴン州の両親の元へ戻るため、感謝祭の週末にアルバイトに応募した。そのアルバイトは家人が留守の間、盲目の元軍人の面倒を見るというもの。
 この元軍人のフランク、気難しく威圧的でおまけにとても口が悪い。とてもこんな人のそばにいられたものではないとチャーリーはこのバイトを断ろうとするが、盲目の人を一人で放っておくわけにはいかないと頼み込まれ、いやいやバイトを引き受ける。

 フランクはチャーリーにニューヨークへついていってほしいと頼む。目の見えない真っ暗闇の人生に疲れ果てていたフランクにはニューヨークで実行したいことがあった。

 一方チャーリーにもある悩みが。それは感謝祭の前夜、同級生たちが校長に仕掛けた悪だくみを目撃したことで、校長からある取引を迫られていたからだった。

 この二人が果たしてどのように信頼関係を結ぶのか、希望ある未来は見えてくるのか・・・

 この映画のみどころはなんといってもアル・パチーノ。人生に希望が見いだせない苦悩の表情と女性を前にしたときの柔らくチャーミングなほほ笑みのギャップ。レストランでタンゴを踊る場面、盲目の役どころなので、目の動きが止まったままなのに優雅なダンスで女性をリードする姿にウットリ。
そして最後の講堂での演説は、まさに声に出して読みたい英語。
“I have come to the crossroads in my days, and I have always known the right path, always, without exception, I knew. But I never took it, you know why? Because it's too damn hard. (中略)
Let him continue on his journey. You hold this boy's future in your hands, committee! It's a valuable future. Believe me! Don't destroy…protect it…embrace it. It's gonna make you proud someday…I promise. “

 『東大から刑務所へ』(堀江貴文・井川意高/著)(611974008)で、井川さんが「アル・パチーノが出ていた『セント・オブ・ウーマン 夢の香り』という映画があるでしょ。私はあの映画が好きなのよ」と書いていらっしゃるのを見つけた。そのあとのくだりもあるので、ご興味のある方は是非こちらもどうぞ。
 
 さて、イタリアのバルニ社から、この映画のタイトルから名前をとった「セント・オブ・ウーマン」というバラが発表されていると知り育て始めている。赤紫色のフロリバンダ(中輪房咲で四季咲)で、モダンダマスクの香りがあるらしい。この春咲いてくれるといいな。



09:00
2024/03/20

数学者たちの黒板

Tweet ThisSend to Facebook | by 図書館管理者
タイトル:『数学者たちの黒板
著:ジェシカ・ワイン
訳:徳田功
出版:草思社
資料コード:612366204
請求記号:410.4/ワ

『数学者たちの黒板』は、世にも珍しい「黒板の写真集」です。
写真家である著者が世界中の数学者109人を訪ねて撮影した板書の写真と、その黒板にまつわるエッセイが収録されています。

黒板に描かれているのはアルファベットと記号だらけの難解な数式や、まるで抽象画か子供の落書きのようにも見える不思議な図形たち。内容は教授が学生とのディスカッションのためにさっと書いたものから、一人の数学者が三十年以上取り組んでついに証明できた問題まで様々です。
添えられた解説によると、それらはどうやら理論数学や宇宙物理学、ビッグデータ解析などについて論じたものらしいのですが……残念ながら、まったく理解できません。しかしどの写真にも不思議な魅力があり、現代アートを鑑賞するように見飽きず眺めることができます。
もう一つ、個人的には黒板と一緒に映りこむ部屋の風景も見どころのひとつです。観葉植物や広々とした窓があるお洒落な研究所もあれば、書類の山と飲みかけのマグカップが並ぶ雑然とした教室もあり、謎に満ちた数学者たちの日常をちらりと垣間見ることができます。

「数学が生み出されるところなら、必ずどこかに黒板があるだろう」。
エッセイを寄稿した研究者の一人がこう語ったように、本書を読むと、デジタル化が進んだ現代にあっても多くの数学者にとって黒板がとても重要なツールであることが分かります。
黒板はゆっくり書くことで思考をまとめやすく、間違った箇所をすぐに修正できるという利点があります。また、視界に数式全体を収めることで直感的なインスピレーションを得たり、共同研究者たちと議論したりすることも可能です。こうした点が試行錯誤を必要とする数学的な思考にぴったりなのだといいます。もしかすると、この先何十年経っても、数学者たちは黒板を使って研究を続けているかもしれません。

ちなみに、黒板には欠かすことができないチョーク。この本によると世界中の数学者が口を揃えて日本製の「ハゴロモ・チョーク」を激推ししています。何でも書き味が抜群に良いのだとか……。その点では、日本の小中高生はフィールズ賞受賞者もうらやむ恵まれた環境で勉強していると言えそうです。

眺めて楽しい、読んで興味深い『数学者たちの黒板』。中央図書館に所蔵されていますので、ぜひお手に取ってご覧ください。


09:00
2024/02/20

実際の鳥、偶像と化した鳥、そして鳥の骨

Tweet ThisSend to Facebook | by 図書館管理者

鳥類学。

個人的にはあまり馴染みのない単語に興味を抱いた理由は本の表紙でした。

逆説的にもあるいは挑戦的にも捉えられる書名も目を引きますが、中を開くと各章のタイトルや目次もさまざまなリスペクトに富んでいる構成でとても興味深く感じました。

 

鳥類学者という職業に携わる著者は「鳥」に関するさまざまな考察を行います。

それらは実在する鳥であったり、空想上の鳥であったり、時には鳥そのものであったりと多彩です。

 

鳥類学者である著者が小笠原諸島に降り立った事を皮切りに、多種多様な鳥の名前が飛び交います。
例えば、第1章では研究のため小笠原諸島を訪れた著者と共同研究者による鳥の観察から始まり本筋から逸れず適度に程よい各種のエピソードが語られています。

そして章が進むに連れて鳥類学者・動物学者・植物学者・地質学者等、各種のプロフェッショナルの方々が調査している状況が著者の視点から表現されていきます。

それらは決して堅苦しいものではなく軽妙な比喩表現によって親しみやすい雰囲気の文体に思われました。

 

また、調査先で発生したハプニングのことも書かれていて時にエッセイのように心に響きました。

 

鳥類学の研究を行うために訪れた先で調査地が消失することもあれば逆に新しい土地が生まれることもあり、自然を相手にすることはなかなか一筋縄ではいかないようです。

 

軽妙さのある筆致には人間味があり親しみやすさを感じました。

鳥類学者による調査報告や調査結果。

一見するとどことなく堅苦しい文面になりがちな印象ですが、ある意味でその印象を覆す一冊です。

 

書名:鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。

著者:川上和人

出版社:新潮社

資料コード:611923125

請求記号:488/カ
09:00
2024/01/20

461個のおべんとう

Tweet ThisSend to Facebook | by 図書館管理者

タイトル 『461個のおべんとう

出版社 ハピネット

資料コード 630329791

請求記号 D7AF/

 

子どもたちのお弁当を作り始めて4年めに突入しました。

とにかくお腹がすかないこと、彩りを考えたおかずをつめることを心がけているつもりです。

ところが、お弁当ぐらいは好きなおかずを、と思うと、全体的に茶色っぽくなってしまうのが悩みです。

 

そんな時に出会ったのがこの作品です。

『461個のおべんとう』は、ミュージシャンの「TOKYO No.1 SOUL SET」の渡辺俊美さんの実話を元に作られた作品です。

 

主人公は妻と離婚し、息子とふたり暮らし。

高校受験に失敗し、1年遅れで高校生となった息子の「お父さんのお弁当がいい」とのひと言から、主人公には「3年間、毎日お弁当をつくる」、息子には「3年間、休まず高校へ通う」という親子の約束が交わされます。

 

当たり前ですが、お弁当づくりは毎日のこと。

疲弊せずに可能な限りおいしいお弁当を作るために主人公は、

1)調理の時間は40分以内

2)1食にかける値段は300円以内

3)おかずは材料から作る

というルールを導入します。

 

とにかく主人公の作るお弁当がすごいのです。

息子のクラスメイトも毎日チェックするぐらいのクオリティ。

旬の食材や調味料だけでなく、料理道具やお弁当箱にもこだわり、ライブでへとへとな朝も二日酔いの朝もどんな朝もお弁当を作り続ける姿には頭がさがります。

そしてその父の頑張りに感謝し、きちんと言葉にして伝えている息子の姿もとても素敵です。

 

「おいしいものは毎日食べてもおいしい」、「おいしいお弁当を食べたらその時間だけでも幸せな気分」、「食べることは大事。きちんと食べればなんでもうまくいく」。

 

作中で心に響いた言葉です。

私の今後のお弁当作りの目標にしたいと思います。

 

小さな箱から生まれるコミュニケーション。お弁当の力ってすごいですね

 

こちらの作品は図書としても所蔵があります。

 

 

タイトル『461個の弁当は、親父と息子の男の約束。

著者 渡辺 俊美 著

出版社 マガジンハウス

資料コード 211087820

請求記号 596.4/


09:00 | 映画・テレビ
2024/01/15

魔法のカクテル

Tweet ThisSend to Facebook | by 図書館管理者
タイトル:『魔法のカクテル』 
著者:ミヒャエル・エンデ
出版社:岩波書店
資料コード:612113809 ほか
請求記号:児童943/エ

 私自身がミヒャエル・エンデの作品に初めてであったのは、中学1年の夏。
『はてしない物語』だったと思う。それこそはてしない大長編ファンタジーで、長編を読み慣れていなかった当初は目が回ったが、読み終わった後の余韻は忘れられないものとなった事を記憶している。
 その後、もう一つの名著、『モモ』にもすっかりはまり、エンデのファンタジーが大好きになった。

 今回、エンデの魅力を小学生の我が子に伝えようと、手に取ったのがこの本だった。
『はてしない物語』ほどはてしない長編ではなく、『モモ』を理解出来るほどにはまだ少し幼い精神年齢の我が子には、とっつきやすいのではないかと思った。

 お話の舞台は2つの代表作に比べるとシンプルで、主な登場人物も魔法使い2人と猫とカラスのみと、とてもコンパクトな気がする。また、時間軸もとても短い。大晦日の夕方5時から年が明けるまでの、たった7時間の中で展開される物語である。
悪い魔法使い達VS猫とカラス、どちらが勝つか?!大晦日の夕方から年が明けるまでの短期決戦がスタート!といった具合だ。
 もっとも、エンデの魔法で、知らず知らずのうちにどんどんストーリーに引き込まれてあっという間に読み進めてしまうのは間違いない。そして、これからの世界をつくっていく子ども達に向けて、エンデらしい形でしっかりとメッセージが込められているのも変わらない。

 もう一つ、実は本を開いてみるとわかるが、ちょっとした遊び心も見られる。
一つ一つの章はなく、かわりに時計の絵が描いてあるのだ。しかも、すこしずつ時刻が進んでいく。我が子はこの時計を目安に「昨日は確か何時何分まで読んだぞ。」と、毎日少しずつ読み進めて楽しんでいる様だ。

 この『魔法のカクテル』を入り口に、エンデの世界に入り込んでくれたら…という母の思惑は、果たして成功するだろうか。

参考:『はてしない物語』/資料コード:610443144 ほか
  :『モモ』/資料コード:610516090 ほか


09:00
2023/12/20

ディズニー・オン・クラシック/ まほうの夜の音楽会2012 ライブ

Tweet ThisSend to Facebook | by 図書館管理者
資料コード:630202110
請求記号:D689/テ

子どもの頃からディズニー作品が大好きです。
ディズニー作品のDVDを図書館で借りて自宅で楽しむことが多いのですが、ディズニー音楽も大好きなので、ディズニー・オン・クラシックのDVDを図書館で見つけた時にはとても嬉しくなり、早速その日の内にDVD鑑賞会を楽しみました。

2002年に日本オリジナルのディズニーエンターテインメントとして誕生した、ディズニー・オン・クラシック。
初回は3公演から始まったコンサートも、今や毎年100公演近くの開催をするまでに成長しました。
10周年を迎えた2012年のテーマは、“Dreams Come True”。
ディズニー映画やテーマパークの名曲に心躍る時間を楽しめます。

指揮、編曲はブラッド・ケリー氏。
ディズニー・オン・クラシック第1回から指揮者を担当する傍ら、楽曲のアレンジなども精力的に手掛けています。
コンサートを彩るのは、本場ブロードウェイ、全米ツアーなどで活躍するヴォーカリスト達と、日本最古の歴史と伝統を誇るオーケストラ、東京フィルハーモニー交響楽団の“ネバーランド・オーケストラ”。

オーディションで選び抜かれた、実力と経験豊富なヴォーカリスト達の歌声に演技、ダンス。
大規模なオーケストラによる素晴らしい演奏。
そして巨大なスクリーンに映し出される、美しいディズニーのアニメーションの映像とが織りなす世界には圧巻の一言。

ディズニーキャラクターのマスコット達が、譜面台や楽器の上からコンサートを見守るかのようにそばにいる姿にも、つい笑顔になってしまいます。

2012年のメインのプログラムは、『メリー・ポピンズ』、『アラジン』、そして『ライオン・キング』、『ノートルダムの鐘』、『美女と野獣』とどれも名作と名高い、音楽も評価される作品ばかり!

ステージと観客とが一体になる楽しい演出にも、目が離せません。
会場全体でコンサートを作り上げている雰囲気が伝わってきます。

少しだけ照明を暗くすると、お家コンサートの始まり!
お茶や晩酌しながら楽しむ、ディズニー音楽はまた格別でした。

ぜひお楽しみください。


09:00
2023/12/20

十二支のお節料理

Tweet ThisSend to Facebook | by 図書館管理者

タイトル:『十二支のお節料理

著者: 川端 誠

資料コード:610514540

請求記号: E6/

 

干支のおはなしといえば、

思いつくのは

「十二支のはじまり」

ですよね。

元日の朝、神様の元へ早く着いたものから

十二支になれる、というもの。

猫はネズミに騙され、十二支になれなかったせいで

今でもネズミを追いかけている、

というオチもあったりして

ご存知の方も多いのではないでしょうか。

 

この「十二支のお節料理」は

そんな「十二支のはじまり」とは

また一味違った、干支のおはなしです。

 

お節料理をつくるため十二の動物が

年神様によって選ばれます。

そして年神様は順番に係を決めました。

これが十二支、というもの。

と、「十二支のはじまり」とは全く違った

干支のおこりがまた面白いです。

 

動物たちに与えられた係は、お節料理だけでなく、

お正月を迎えるための大掃除や飾り付け、お天気を見守る、

なんて係もあります。

それぞれの動物にあった係を任されているのですが、

これが絶妙な役割分担で、なるほど!と思ってしまいます。

それぞれの係については、読んでからのおたのしみ!

 

お正月を迎える準備のあれこれが、

かわいく楽しく描かれていて、

読んでいるとお正月を迎えるのがワクワクしてきます。

 

実際、大変なお正月の準備ですが、

読めばきっと、いつもより楽しんでできますよ。


09:00
2023/11/27

師匠はつらいよ 藤井聡太のいる日常

Tweet ThisSend to Facebook | by 図書館管理者
著者:杉本 昌隆
出版社:文藝春秋
資料コード:612339619 他
請求記号:796.0/ス


 「将棋の藤井聡太八冠」といえば、今年、最も話題となった言葉を選ぶ「新語・流行語大賞」に「藤井八冠」がノミネートされ、内閣総理大臣顕彰を授与されたこともあり、将棋に詳しくない方でも知ってる方は多いのではないでしょうか。

 この本は史上初の八冠を達成した弟子・藤井聡太八冠の師匠で「日本一の師匠」とも呼ばれる杉本昌隆八段のエッセーで、2021年4月から2023年4月に週刊文春に連載されたエッセー100号分と先崎学九段との対談が収録されています。

 杉本八段のエッセーの連載は120回を越えました。
 発売当初から話題になり、中央図書館の書架の脇に掲示されている「予約多数ランキング」にも早々にランキング入りし、今も多くの予約が入っています。
 私は、「藤井八冠」と同じく「新語・流行語大賞」にノミネートされた「観る将」で藤井八冠と杉本八段のファンなので早速手に取りました。
 

 エッセーは藤井八冠のことだけではなく他の弟子のこと、将棋界のことを時に「自虐ネタ」を交えながらユーモラスに綴られています。


・先崎学九段との対談では、週刊誌の連載なのに、藤井聡太八冠を心配して「週刊誌に気をつけなさい」
・藤井八冠の対局後や翌日は取材で忙しくなる確率が高くなることから、手帳には自身の対局予定に加え、藤井八冠の対局予定も書き込んでいること。
・昨年の竜王戦に合わせて行われた「おやつ選びコンテスト」に杉本八冠もインターネットで投票したこと。
・「若い人にはおやつ」というルールを自分に課している杉本八段の、弟子だけではなくタイトル戦の記録係へ配慮したこと。
・弟子に「負かされる悔しさは頼もしさで相殺され、まんざらでもないのだ。」
・棋士にとっての最大のプレゼントは「今の将棋ファンがこれからも末長くファンでいてくださること」
・「藤井八冠から貰いたい、というか期待するものは、彼自身の健康維持。それのみだ。」など、
杉本八段の人柄がわかるエピソードの数々に、杉本八段のファンになった方も多いのではないでしょうか。

 連載百回目のエッセーは、「連載百回の”感想戦”」として、藤井八冠がプロデビューして間もない頃から今に至るまでの、藤井八冠のご家族やファン、周囲の大人たちによる配慮があったことも記されています。
 そして杉本八段の研究室で藤井八冠と永瀬拓矢九段が研究会をやり、隣の部屋で杉本八段が藤井八冠が寄贈したパソコンでエッセーを書いているシーンは、目に浮かぶようでした。 
 連載が始まった当初は二冠だった藤井八冠が連載百回目では竜王位を獲得して六冠になり、この原稿を書いている今は八冠。タイトル戦は19期連続で獲得しています。


 エッセーが連載されている週刊文春は市内の図書館全館で所蔵していますので、本と合わせてご利用ください。
 


09:00
2023/10/20

ただいま

Tweet ThisSend to Facebook | by 図書館管理者
タイトル:ただいま
アーティスト:倉橋 ヨエコ
請求記号:C7CA/ク
資料コード:630068990

 2023年、まさに「ただいま」とばかりに復帰された方がいらっしゃいます。
倉橋ヨエコさんは、2000年にデビューされたシンガーソングライターです。
2008年に活動を終了。そして2023年に名前も「ヨエコ」と改め、新たに活動再開されました。

曲調は、歌謡曲やジャズの要素が足されているといえましょうか。
ピアノを弾きながらの歌唱、その独特な声と歌い方も魅力的なのですが、特に気になるのは歌詞!
ネガティブな内容をテンション高く朗らかに歌いきるその姿勢。繰り返されるフレーズのチョイスも素晴らしい。これちょっと怖くないかしら、なんて思う部分もあり。だけど楽しい!
もう、気が付けば頭から離れなくなること間違いなしです。
その倉橋ヨエコさんのCDが図書館に所蔵されているのです。

今回ご紹介するアルバムは、2005年発売のものです。
 収録曲では、「楯」がシングルカットされていました。
 どの曲もおすすめですが、個人的には、「卵とじ」が特に好きです。想い人を「あの子」と表現するところもヨエコさんならではです。
 
 自分が若い頃に特によく聴いていたので、ヨエコさんの歌は今でも元気いっぱい口ずさめます。
暗い内容なのに、口角が上がってしまう……。
 とにかく、どれも力強く、妙に印象に残ります。
 中毒必至!? 一度お試しあれ。


09:00
2023/10/20

その落とし物は誰かの形見かもしれない

Tweet ThisSend to Facebook | by 図書館管理者

タイトル:その落とし物は誰かの形見かもしれない

著者:せきしろ

請求記号:914.6/セ

中央図書館所蔵コード:612210357


散歩の途中、ふと足元に目をやったら軍手が片っぽ落ちているのを見つけたとします。
さてその時、あなたは何を思いますか?
別に特に何も思わない?
そりゃそうです。道端っていろいろなモノが落ちているものだし、それが軍手だろうが何だろうが、いちいち何かしらの思いを馳せたりしていたら疲れてしまって身がもたないですよね。

ところがこの本の著者のせきしろさんによれば、落ちている手袋を写真に撮る人もいるし、学術的・客観的に分析する人もいるそうで、そう言うご本人はというと、「想像する」のです。たとえば「この手袋は誰かの形見かもしれない」と考えてみる。するとただの手袋がさまざまな意味を持ち始めてドラマが生まれてくる、のだそうです。


あるいは、これは意図して落とした手袋であるのかもしれない、なぜって、落としておいたら『ヘンゼルとグレーテル』の小石やパンくずがそうだったように帰り道の目印になるから、ともせきしろさんは考えます。さらに想像は発展し、決闘を申し込んだ形跡かもしれないし、もしかしたら悪い魔女の魔法で軍手に姿を変えられた王子様なのかもしれない、それにしてもカエルとかならまだしも軍手って……、と暴走気味。いやいや、それドラマ生まれ過ぎだから。


実は私は手袋を落としてしまったことがあります。目を皿のようにして来た道を戻ったのですが、見つかりませんでした。「お、いいもの見つけた。ラッキー!」と拾っていった人がいたのか(でもそんな見るからに高級そうなものではない)、毎朝ボランティアでそのあたりを掃除しているご老人とかがいたりして、箒ではき集められたゴミと一緒に容赦なく捨てられてしまったのか(こっちの方が可能性は高い)、とすれば最終的に市の処分場行きかなあ…。


私は自分は持ち物にそれほど執着を持つ方ではないと思っていたのですが、この時は損得の感情だけでなく、おなかの底が少し痛いような、もの悲しい気持ちになりました。なるほど落とした側から考えても、いろいろドラマが生まれるようです。私のドラマは全然ドラマチックではなかったですが。


手袋ばかりでなく、おもちゃの百万円の紙幣とか、「営業中」の札とか、「たこ」と書かれた石とか、よくもまあこんなにヘンな落とし物(あるいは置かれた物?)ばかり見つけてしまうせきしろさんが、ソレの前でしばしたたずみ、やがてさまざまな想像と思索にふけりつつうつむきかげんで歩いて去って行く様子が思い浮かびます。感受性の鋭い繊細な方なのだろうな、想像が広がり過ぎて毎日疲れてるんじゃないかしらと思いつつ、でも、その姿にそこはかとないおかし味を感じるのです。


そんなせきしろさんについて行ったら、またいろいろなドラマを聞かせてもらえそうです。さて、次に出会う落とし物はなんでしょう?



09:00
12345