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 日曜日:9:00-17:00
 

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おすすめ資料
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2025/06/15new

『僕のワンダフル・ライフ』

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タイトル:『僕のワンダフル・ライフ

資料コード:630322306

請求記号: D7BF/


 愛する飼い主の少年と再び巡り会うために、何度も生まれ変わりを繰り返す犬の生涯を描いたドラマです。


 ある夏の暑い日、車に閉じこめられ苦しんでいたゴールデン・レトリバーの子犬は、8歳の少年イーサンとその母親に命を救われます。


 "ベイリー"と名付けられた子犬は、イーサンと共に成長していき、やがて固い絆で結ばれ、お互いにとってかけがえのない存在となります。


 そして寿命を迎えたベイリーは、愛するイーサンにまた会いたい一心で、生まれ変わりを繰り返し、様々な犬として生きてゆきます。


 警察犬のジャーマン・シェパード、一家団欒に恵まれたコーギー、そして愛のない夫婦に飼われることになった、セントバーナードとオーストラリアンシェパードのミックス犬

 50年間で3回の生まれ変わりを果たし、様々な飼い主に出会うなかで、ベイリーは人間の心の奥深くに触れていきます。

 果たしてベイリーは、最愛の飼い主、イーサンにもうー度巡り会うことができるのでしょうか。


 ベイリーの根底には、「最愛の飼い主にもう一度会いたい」という強い想いが常にあります。

 しかし、生まれ変わりを経て出会う人間たちにも常に向き合い続けていく姿、愛することを決して諦めない姿が、何とも健気で涙を誘います。

 犬の視点から描かれる人間との絆、全ての命には意味があると伝えるメッセージ性の高さにも心温まる作品です。


 犬の輪廻転生という大きなテーマを主軸に物語が進んでいきますが、これまでの動物もの映画にはないストーリー展開がとても興味深く、見応えがあります。


 私自身は実家にも、今の自宅にもペットの家族はいないのですが、子どもの頃祖父母の家に、シェットランド・シープドックの"ルーラ"という子がいました。

 怖がりで寂しがり屋、会いに行くと長いしっぽを振って出迎えてくれる、そんなルーラのことが大好きでした。

 この映画を観て、私ももう一度、可愛いあの子に会いたくなりました。


 下記に本作の続編もご紹介しています。

 続編では再び生まれ変わりを繰り返しながら、イーサンとの約束を果たそうと、イーサンの孫娘のために奮闘するベイリーの姿が描かれています。

 ぜひ併せてお楽しみください。


 【資料紹介】

 タイトル:『僕のワンダフル・ジャーニー』

 資料コード:630322736

 請求記号: D7BF/


09:00
2025/05/20

Who were Beatles?

Tweet ThisSend to Facebook | by 図書館管理者
タイトル:Who were Beatles?
著者:Geoff Edgers 
出版社:Penguin workshop 
請求記号:F933.7/O
所蔵コード:612194905

 中央図書館には数多くの英語多読資料があります。
 英語多読資料というのは英語学習者向けに書かれた英語の読み物をいいます。今回はそんな英語多読資料の中から、歴史上の登場人物をとりあげたWho was〜?シリーズの『Who were Beatles?』をご紹介します。

 多読資料を読むにあたって、英語多読の3つの原則、「1.辞書は引かない 」 「 2.分からないところは飛ばす」 「3.合わないと思ったら投げる」 を忠実に守って読み進めていくことにします。
辞書を引かない代わりに、わからないと思ったらイラストを見て場面を想像することにします。わからなければ飛ばせばよいし、いざとなったら「投げる=読むのをやめる」ことでクリアです。しかも、ビートルズのことはある程度なじみがあるのでなんとか読めるのでは?
 
 この本は11の章で構成され、ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターそれぞれの育ってきた環境とその後音楽へと傾倒していく過程のこと、バンドを組むまでの4人の出会い、ビートルズという名前の由来、ドイツのハンブルグで活動していたこと、イギリスに戻り曲がヒットし始め、アメリカでも熱狂的に迎えられるようになったこと。
 超売れっ子になってしまった彼らに起こり始めた葛藤と活動中止。個人に分かれての活動、そして衝撃的なジョンの死。ジョージの病死、などが書かれています。

 すべての文章が理解できなくても、大体どんなことが書いてあるかぼんやりわかればよしとしながら、何とか最後まで行きつきました。
とはいえ、日本語で読む文と違ってアルファベット。少しずつ情報をつかみながら読み進めることが求められる気がします。逆に、複雑な内容ではないのに、読んだ後に印象に残るものが多いのは頑張って英語で読んだぞという満足感がなせることでしょうか。

 実は、お小遣いをもらって初めて買ったレコードはビートルズのレット・イット・ビーでした。1966年、彼らが来日して号外が出たというニュースを地方都市からぼんやりテレビで見ていた記憶があります。1980年12月8日、ジョンが撃たれたというニュースが駆け巡った日、ずっとラジオにくぎ付けでジョンの曲を聞いていました。

『Who were Beatles?』を読みながら、音楽の変遷や彼らから始まったファッションなど、思い出深いものがあったのと同時に、彼らの幼少期の家庭環境やメジャーになる前の活動など知らなかったことも書かれていて興味深かったです。

ビートルズファンの方も彼らと同世代の方も、ぜひ次はあなたが英語で読んでみませんか。

  Who was(is)〜?シリーズにはこのほか、ビル・ゲイツ、ジョン・F・ケネディ、スティーブ・ジョブズ。エルヴィス・プレスリー、マザーテレサなどもあります。ぜひ英語多読に挑戦してみてください。

 最後にご案内。
中央図書館では毎月第2土曜日に『いなぎ多読らぶ』を開催しています。
ご参加をお待ちしています。


英語多読とは…
単語や文法を暗記したり、問題集を解いたりはしません。
イラストのみの絵本からスタートして、やさしい絵本をたくさん読むという学習方法です。
「いなぎ多読らぶ」では英語絵本の感想会やブックトーク、英語多読に関する相談会などを行っています。
みなさんそれぞれのペースで英語多読を楽しんでいます。
初めての方にも詳しくご説明いたしますので、安心してご参加ください。

【令和7年6月の「いなぎ多読らぶ」について】
日時:令和7年6月14日(土) 午後2時~4時
場所:中央図書館 レファレンスコーナー
申込:事前の申し込みは不要です。当日会場にてお待ちしています。

途中入室、途中退室OKです。

09:00
2025/05/20

駆込み女と駆出し男

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タイトル:『駆込み女と駆出し男
監督:原田眞人
出演:大泉洋、戸田恵梨香、満島ひかり
請求記号:D7AF/カ
資料番号:630219646

2025年。巷では、江戸時代が舞台の大河ドラマが流行っている。
多分にもれず私もそのうちの一人。
何に興味を惹かれたかというと、江戸言葉と人情である。
まだまだ身分制度であった江戸時代に、庶民たちが粋に人情たっぷりに日々を生き抜いた様を江戸言葉が表していると思う。

江戸の言葉遊びで有名なものは、語尾を語呂合わせで遊ぶ言葉遊び。
「ありがた山のかんがらす」や「驚き桃の木山椒の木」なんてのもこの時代のものだそう。
ただのダジャレじゃないかと思ったりもするが、江戸っ子は生活に遊び心をたっぷり取り入れる。またそれをまくしたてるように早口で話すのも粋。
この時代には判じ絵、文字絵なども流行ったが、このような言葉の遊戯性に江戸人の時代を生き抜く心意気が感じられる。

映画でも江戸の雰囲気を感じられる作品はないものかと探してみたところ、この作品に出会った。

時代設定は江戸後期。天保12年(1841年)老中・水野忠邦による「天保の改革」が発表され、贅沢禁止令なるものが発令された年。
あれ?200年しか経ってない、なんて思いながらもまだまだ女性からは離縁できない時代。

舞台は幕府公認の駆け込み寺、鎌倉の東慶寺。
追手が来たらとりあえず下駄でもなんでも投げ込めば成立。駆け込み成就。
駆け込む人ってそんなにいるの?と思ったが、江戸時代の離婚率は現代の2倍だったとか。なんと!驚き桃の木山椒の木。

戯作者に憧れる見習い医者である信次郎(大泉洋)は、駆け込んできた女たちの身柄をあずかる御用宿に居候している。
御用宿の主人(樹木希林)と共に、様々な事情を抱えた彼女たちの訴えを聞き取り調査し調停していくのだが、口八丁手八丁、奇抜なアイデアで女たちを手助けしていく。

駆け込み寺に必死の形相で駆け込む女2人。
放蕩DV旦那から逃げてきた”じょご”を戸田恵梨香、妖しい色気が漂う豪商の妾”お吟”を満島ひかりが演じている。この2人が演じる”じょご”と”お吟”を見ていると、粋とはまさにこのことか、と圧倒される。

まさに”人情”というい心の機微が強く優しく描かれていて、”健気に精一杯生きた江戸の人々”を感じられる作品なのだ。

大泉洋さんの口上のおもしろさ、スピード感、ものすごく喋るけれどイやな感じがしないのも魅力のひとつ。時に舞台調で、また笑ってしまう要素もあり、2時間半が短く感じられる作品であること間違いなし。

原作は、井上ひさし著「東慶寺花だより」。
劇作家でもある著者が10年かけて完成させた連作短編集。
こちらの作品は静かな感動に満ちていて、美しい四季がより感じられる名著作。
読んでいただけたら※桐の木かと。

※桐材は琴の材料に適していることから、琴によい、すなわち「殊に宜しい」の意味で使われた江戸の言葉遊び

参考文献:『東慶寺花だより
著者:井上ひさし
請求記号:913.6イ
資料番号:611403081(中央図書館所蔵)


09:00
2025/05/20

CITY POP GROOVY '90s -Girls&Boys-

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資料コード:630343496
請求記号: C7CA/シ

ここ数年、70年代以降のシティポップがブームと言われていますね。
70年代も80年代も好きですが、いちばん聴いていたのが90年代。
90年代は、これまでのおしゃれで洗練されたシティポップを基調とし、
現代風にアレンジされた渋谷系と言われる音楽が流行していました。

ちょうどこの頃、私の通学のお供は
今はもうほとんど見かけなくなった、MDプレイヤー。
当時、私は好きなアーティストの曲ばかりを繰り返し聴くタイプだったのですが、
毎日の長い長い通学時間。
流石にちょっと飽きてきてしまい、
何か違う曲も聴きたいと思うようになりました。

それを音楽に精通した友人に話すと、
「きっと気にいるよ!絶対好きだと思う!」と
ICEのアルバムを貸してくれました。
(さすが友人、私の好みを理解している)

ICEを気に入った私は、もっといろいろ聴いてみよう!と
CDショップに通っては、視聴のヘッドホンで聴きまくり、
好みの曲をチェックしては集め、オリジナルMDを作りました。
当時はシティポップであるとか、渋谷系であるとかっていう意識はなく、
直感的に好きだなと思えるサウンドを集めて聴いていました。

そして、今このアルバムの収録曲を見た時はビックリ!
“それぞれのアーティストの曲の中からシティポップっぽい曲を集めた“
という印象なのですが、
誰もが知っている有名な曲というわけではない(と思う)のに、
あの時、聴いていた曲が何曲もが入っている!
音楽というのは不思議なもので、聴いていると
当時の通学風景が脳裏に浮かび、懐かしい気持ちになりました。
推しも友人お薦めICEも入っていて聴き応え抜群です。

初めましての曲も雰囲気が似ているからか、すんなりと耳に入ってきて、
どれも良い~!
今聴いても色褪せず古さを感じないとは。
90年代最高!


09:00
2025/04/25

百鬼園事件帖

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タイトル:百鬼園事件帖
著者:三上延
出版社:角川書店
請求記号:913.6/ミ
所蔵コード:612353402 他

「百鬼園(ひゃっきえん)」とは、大正、昭和に活躍した小説家、随筆家の内田百閒(うちだ ひゃっけん)の別号です。ウィキペディアの解説によれば「夢で見た光景のような不可解な恐怖を幻想的に描いた小説や、独自の論理で諧謔に富んだ随筆を多数執筆し、名文家として知られる。」さすがウィキ先生、仰る通りの独特な雰囲気の作風で、私の好きな作家の一人です。
が、その人となりは、裕福な造り酒屋の一人息子に生まれ祖母に溺愛されて育ったため、わがままで頑固で強情っ張り、そのくせ臆病で泣き虫の、要するにお坊っちゃん。あまり友人にはなりたくないタイプです。
…と思いきや、他方ではいたずらっ気やユーモアをふんだんに持ち合わせていて、特に法政大学教授当時の教え子たちからたいへん慕われたそう(百閒自身はこの「教え子」という言葉を嫌い、「学生」と言っていました。こんなところにも、妙なこだわりの強い偏屈さが表れています)。
矛盾だらけで、でもそこがなんともチャーミングな人物だったようなのです。

『百鬼園事件帖』は、百閒が高名な作家になる前、まだ「法政大学の内田教授」だった時期の物語。主人公であり視点人物の甘木は、百閒の教え子、じゃなくて学生。ひょんなことから百閒と親しくなり、行動を共にするうちになぜか次々と常識では説明のつかない怪異に遭遇し、巻き込まれていく…。
『事件帖』というタイトルから、てっきり百閒が探偵役を務めるミステリーかと思ったのですが、読んでみるとこれがなかなかにホラーだったのでした。ごく一部のご紹介ですが、甘木が突然猫に話しかけられる場面(ちなみに百閒の最後の作品のタイトルは『猫が口を利いた』です)や、ドッペルゲンガーがわらわらと登場するくだりなど、まさしく悪夢。不穏、不安、不可思議、不気味、不合理…等々、やたら「不」の付く言葉が満載の空気が漂う百閒の小説の世界そのものです。

ここまで百閒文学の世界を再現するとは。かつ史実を丁寧に踏まえ、さらに小説や随筆に出てくるさまざまなエピソード(机の上の文房具を大きい順にきちんと並べ直す、とか、借金しまくってるくせに恬として恥じず屁理屈をこねる、とか)をそこここにさりげなく挟み込み…、著者の三上延さんが内田百閒の熱烈な愛読者であることがよーくわかり、果ては、この作品がフィクションであることはもちろん承知しているんだけども「…いやこれ、実は本当にあったことなんじゃないか?」と思えてくるのでした。内田百閒とは実際にこういうひとだったのであり、始終このようなヘンな体験をしていたので(むしろ百閒自身が呼び寄せていたような…?)、後年ああいう不可思議な作風の作品群を生み出せたのだ……。

内田百閒がお好きなら必ず読まねば!な一冊だと思います。「ひゃっけん?誰?」の方も、ぜひこの本を読んで興味を持っていただいて、摩訶不思議な百閒ワールドに足を踏み入れてください。これをきっかけに百閒好きのお仲間が増えていったらとてもうれしいです。

内田百閒の著作
冥途・旅順入城式』 請求記号:913.6/ウ 資料コード:110946079 
(第一図書館所蔵)
百鬼園随筆』 請求記号:914.6/ウ 資料コード:411118313
(第四図書館所蔵)他
阿房列車』 請求記号:915.6/ウ 資料コード:650012006
(中央図書館蔵)
他 多数あります!

09:00
2025/04/20

おかしのくにのうさこちゃん

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著書:ディック・ブルーナ/ぶん・え まつおか きょうこ/やく
請求記号:E1/ブ
資料番号:610992709 他

口元がばってんの白いうさぎといえば…ミッフィーです。
ミッフィーは、1955年に出版されたオランダのディック・ブルーナさんの絵本『ちいさなうさこちゃん』『うさこちゃんとどうぶつえん』から生まれ、今年で70周年だそうです。
ミッフィーは英訳で、ブルーナさんが名付けたのは「ナインチェ」、日本では「うさこちゃん」として多くの絵本が翻訳され、親しまれています。
雑誌『モエ』の2025年5月号では巻頭特集になったので、目にした方もいるのではないでしょうか。

中学生の娘は、まだ「ミッフィー」「うさこちゃん」と言えない頃から私が持っていた50周年記念のミッフィーのぬいぐるみを「ちゃーちゃん」と言ってかわいがり、今も変わらず絵本もキャラクターとしても大好きです。
今でもうさこちゃんの絵本が出版されると購入し、娘と楽しんでいます。



その中でも「うさこちゃんの絵本で、こんなに大笑いするなんて!」と驚いたのが、『おかしのくにのうさこちゃん』です。
ある日、うさこちゃんはおかゆを食べたくなくて、「ここがおかしのくにならいいのに」と考えます。
おかしのくにではアイスクリームをいくつも食べられて、いつでもケーキを食べられます。
そして娘が大笑いしたのは「おみずなんかのみません。」の一文。
さらに、チョコレートのついた手を服でぬぐったり、夜ふかししたり、みんななまけものだったり…。
絵に描いたように「げらげら」と笑う娘を見て驚くと共に、当時、電車やバスで出かける際には絵本を持って行っていたので、「この絵本を持って行くのはやめよう…。」と心の中で固く誓いました。
でも最後は、本当にそんなくにがいいの?と考え直すうさこちゃん。
ですが幼い娘は、おかしのくにのうさこちゃんを真似て悪ノリしようとして、私に止められ、怒られる…。
娘は覚えているかはわかりませんが、この絵本を見ると、そんなやりとりを思い出します。

ちなみに10年前の60周年展には、写真の50周年記念のぬいぐるみを持って家族で行きました。
会場でぬいぐるみをなくしてしまい無事にフォトスポットで見つかったのも、今では笑い話です。(当時は冷や汗ものでした…。)

参考資料:
ちいさなうさこちゃん』請求記号:E1/ブ 資料番号:610946706 他
うさこちゃんとどうぶつえん』請求記号:E1/ブ 資料番号:610992567 他
モエ』2025年5月号 資料番号:620773985 他


09:00
2025/04/19

来る

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 ホラーといえば夏、というのが定番です。

 怖い映画や小説で背筋をヒヤリとさせて夏の暑さを乗り切ろうというわけですが、しかし、個人的には春に味わうホラーもまた良いものだ、と思っています。
 春と言えば新しい生活がスタートする季節。期待がふくらむ反面、慣れない環境への不安から精神的に揺らぎがちになる時期でもあります。そんな木の芽時に、あえて心をよりゾワゾワさせるホラーを楽しむのも乙かな、という考えです。

 今回オススメする『来る』も、存分にゾワゾワできるホラー映画です。
 ごく平凡に暮らしていた幸せな家族に降りかかる様々な怪奇現象と、その原因を突き止め、祓うために立ち向かう霊媒師たちの戦いを描いた本作。岡田准一、妻夫木聡、松たか子など豪華な俳優陣も見どころですが、一番は何と言っても怖さが「二段構え」になっている点ではないかと思います。

 ホラーにはざっくり分けてオカルト的な怖さを描いたものと、「ヒトコワ」などと呼ばれる人間の業や狂気の怖さを描いたものがありますが、『来る』はその両方を備えています。登場人物たちの人間模様もイヤ~な感じなら、襲い来る怪異もまたイヤ~な迫り方をしてくるという、何とも逃げ場のない怖さがあります。
 しかし、そんな陰鬱な展開から一転して日本各地から霊能者が集結する終盤のシーンはなぜか少年漫画のバトルもののような熱さがあり、ここもまたイチオシのポイントです。

 映画『来る』の原作は澤村伊智著の小説『ぼぎわんが、来る』。第22回日本ホラー小説大賞受賞作です。
 澤村伊智は現在も精力的に新作を発表していて、近年のJホラーを牽引する作家として中央図書館でも多くの著作を所蔵しています。
 映画は小説から大きく変更された点も多いため、それぞれの違いを比べることができるのも原作つき映画の楽しみのひとつです。

 話は変わりますが、昨年はホラー小説の当たり年だったのではないかと、これまた個人的には思っています。
 2024年のベストセラーランキング(トーハン調べ)の第1位は雨穴著『変な家』でした。また、同ランキング16位につけた背筋著『近畿地方のある場所について』も、小説投稿サイト発のモキュメンタリーホラーとして大いに話題となりました。中央図書館でも、この2作品は多くのリクエストを頂戴しています。
 『変な家』はすでに映画化され、『近畿地方のある場所について』も今年8月に映画の公開が決まっているとのこと。近年の面白いホラー小説に共通するのは「映像化しても面白い」という点なのかもしれません。

 皆様も、あえての春ホラー、いかがでしょうか。


来る
監督:中島 哲也
出版社:東宝
請求記号:D7AB/ク 
資料コード:630322852

著者:澤村 伊智
出版社:
KADOKAWA
請求記号:913.6/サ
資料コード:611789547


09:00
2025/03/30

置かれた場所で咲きなさい

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タイトル:置かれた場所で咲きなさい
  著者:渡辺和子 著
請求記号:914.6/ワ  
資料番号:611519256 他

 一時期は赤本や過去問を机に並べて真剣な表情で勉強する学生であふれていた図書館でしたが、受験シーズンも終わり、みんなそれぞれの道が決まり、学習スペースも空席が目立つ時期となりました。

 希望していた道に進む人、そうでない人、それぞれの思いを抱いている今日この頃なのではないでしょうか。

 我が家は2年連続で受験生がおり、図書館で勉強している学生を見て他人事とは思えず、図書館内を歩く時には「みんな頑張れ!合格してね!」といつも心の中で応援していました。

 そんな我が家の今年の受験は、熱い思いで志望校合格に向け、お正月も返上で頑張りましたが、残念ながらその思いは届かぬ結果となりました。パソコンの画面に映る「不合格」の文字をじっと見つめて固まる我が子。。。これまでの努力が実らない不条理に胸が張り裂けそうな気持ちになりました。しかし、親がいつまでも落ち込んでいるわけにはいきません。そんな時に1冊の本を思い出し、そっと我が子に渡しました。
 私の思いが伝わればいいのですが、どうでしょうか。


 「置かれた場所で咲きなさい」

 私が大学1年生の時に、この本の著者である渡辺和子先生の授業を受ける機会がありました。数々の授業を受けた4年間の中で、この先生の授業は最も心に残るものでしたが、どんなことが印象的だったのか、そこまで鮮明に覚えているわけではありませんでした。しかし数年前に世の中でこの本が大きな話題となり、改めて先生の教えを思い出すこととなりました。

 本の中で最も印象的な言葉は

「どんなところに置かれても、そこで環境の主人公となり自分の花を咲かせる」

「どうしても咲けない時もあります。雨風が強い時、日照り続きで咲けない日、そんな時には無理に咲かなくてもいい。その代わりに、根を下へ下へと降ろして根を張るのです。次に咲く花が、より大きく、美しいものとなるために。」
 
 自分が与えられた環境に不平不満を抱くのではなく、その環境の中で最善を尽くすこと、それがいつかは大きな花を咲かせること。我が子にはそんなことを心の片隅に置いて新しい生活を始めてもらいたいな、とほんの少し思っています。

 このコラムを執筆するにあたり、改めてこの本を読みましたが、いつ読んでもとても多くの気づきがあります。いつも心の中に「置かれた場所で咲く」という気持ちを持っていたいものです。 


09:00
2025/03/14

CDTWIN NHK「みんなのうた」ベスト・ヒット40 心のうた

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タイトル:CDTWIN NHK「みんなのうた」ベスト・ヒット40 心のうた

資料コード:630148606

請求記号:C7CF/エ


「みんなのうた」はN H Kのラジオとテレビで放送されている5分間の音楽番組です。素敵な楽曲、アニメーションなどの楽しい映像でお楽しみの方も多いのではないでしょうか?1961年から放送開始後、60周年を迎える長寿番組です。私の家では小学生の時から、この「みんなのうた」のテキストを買ってもらっていました。今回は「みんなのうた」の中の私の記憶に残った歌をご紹介します。


我が家にやってきた一番最初のテキストの第1曲目は「パンのマーチ」でした。あれから◯十年、“あんぱん、ジャムパン、クリームパン、チョコレートパン♪”と今でも空で歌える私です。何回も再放送されてきた名曲でもあり、“むかしパンを焼いたのは♪”から曲想がガラリと変わるのが当時まだ幼かった私には刺さりました。


他にも思い出の曲を上げていきますと、『北風小僧の寒太郎』。この曲は1974年の最初の放送では堺正章さんが歌っていました。とぼけた味のある声が曲にぴったりでした。「さとうきび畑」は最初に放送された時のちあきなおみさんの歌声のものが私の記憶には一番残っています。少し気怠い感じのアルトの声は当時小学生だった私には大人っぽく感じられたものです。


ちょっと変わったところでは「マヌエロ」。再放送されたことがない曲のようですが、私の脳内にはくっきりはっきり足跡(そくせき)を残しています。曲中に登場する山賊のマノロと村を守るチビのマヌエロの対比がとても面白く、実はこの曲も1番は空で歌えてしまうのです。


他にも原曲はビゼーの「小さな木の実」、大貫妙子さんの作品で自ら歌う「メトロポリタン美術館(ミュージアム)」、「山口さんちのツトムくん」、「コンピューターおばあちゃん」、「赤鬼と青鬼のタンゴ」など、思い出の曲は枚挙にいとまがありません。


おばさんが昔語りをすると長いのですが、最後に一曲ご紹介させてください。それは「はじめての僕デス」。なんと当時小学生のエレファントカシマシの宮本浩次さんが歌っています。宮本さんは小さい頃からお歌が上手かったんですね。


なお、最近のみんなのうたでは「ようかんマーチ」が好きです。機会あれば聴いてみてください。


*「マヌエロ」だけは冒頭のC Dには収録されていませんので、こちらに挙げておきます。

タイトル:KING TWIN BEST SERIES::NHKみんなのうた ベスト

著者:オムニバス

資料コード:630076113

請求記号:C7CF/エ



09:00
2025/03/08

枯れるもの、枯れないもの

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ここ数年、ハンドクリームや乳液が欠かせない日々を送っている。
嘘だと思われるかもしれないが、それまでの私は、そういった、いわゆる身体に潤いを与えるものとは無縁の人生を送ってきた。
子どもの頃からどちらかというと全身オイリー肌で、化粧水はともかく、乳液なんて塗ろうものならベッタベタのテッカテカになる始末。
また、緊張するとすぐ脇汗手汗をかくので、学校のイベント事で男子と手を繋がなければいけない時など、そんな自分を呪っていた。
とにかく、良く言えば、いつも身体が潤っていて(湿っていると言った方が正しいのだが…)、ハンドクリームやリップクリームを携行している友達が、当時はたいそう輝いて見えた。
そんな私だが、数年前から、冬場になると身体のあちこちが乾燥するようになってきた。
やっと人並みに乾燥するようになってきた!と、ここぞとばかりに友人達の前でやたらハンドクリームを塗りまくり、家では各種フェイスマスクを取り揃えて、毎夜念入りにパックをする日々を送っている。
もし自分に特殊能力があるならば、未来の自分は憧れの乾燥肌を手にしたよ!と過去の自分に教えてあげたい。

話は変わって…
物心のついた頃から、よく泣く涙もろい子だった。
今でも覚えているが、小学生の頃、学校の図書室で本を読んでいて、主人公に感情移入していまい、思わずポロポロと泣いてしまった。
またお恥ずかしながら、5年生の野外活動で初めて親元を離れ宿泊した際、夕飯時に自宅を思い出してシクシクと泣いてしまったこともある。
親に叱られては泣き、卒業など人生の節目や、映画やテレビ、音楽を聴いては感動して泣く。
そんな純で多感な時期を経て、少しは人生を斜に構える大人になれるかと思っていたが、年とともに涙腺はますますゆるくなり、しまいには、出産後に崩壊してしまった。
本当にちょっとしたこと、ニュースやCMを観ては泣く、人の優しさに泣く、我が子への読み聞かせで泣く、動物を見て泣く、など、とにかく泣くことへのハードルが低い。
と言うか、ない。
最近では、電車内の動画広告を観ていて思わず泣きそうになり、さすがにまずい、と奥歯をぐっと噛み、溢れそうな涙をどうにかこらえた。
この先、もっと泣く人生が待ち構えているのか、それともいつかお肌と同じように、涙も枯れてしまうのか…。
今から怖くもあり、だが少し、楽しみでもある。


最後に…
主人公の、山に対する真っ直ぐでひたむきな想いに毎度泣いた、読み聞かせにお勧めの一冊をご紹介します。

責任表示:石川 直樹
請求記号:E/イ
資料コード:612152558

09:00
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