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中央・iプラザ 9:00-20:00
第一~第四 10:00-17:00
*7月21日~8月31日 
 火~土曜日:9:00-18:00
 日曜日:9:00-17:00
 

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おすすめ資料
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2025/04/25new

百鬼園事件帖

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タイトル:百鬼園事件帖
著者:三上延
出版社:角川書店
請求記号:913.6/ミ
所蔵コード:612353402 他

「百鬼園(ひゃっきえん)」とは、大正、昭和に活躍した小説家、随筆家の内田百閒(うちだ ひゃっけん)の別号です。ウィキペディアの解説によれば「夢で見た光景のような不可解な恐怖を幻想的に描いた小説や、独自の論理で諧謔に富んだ随筆を多数執筆し、名文家として知られる。」さすがウィキ先生、仰る通りの独特な雰囲気の作風で、私の好きな作家の一人です。
が、その人となりは、裕福な造り酒屋の一人息子に生まれ祖母に溺愛されて育ったため、わがままで頑固で強情っ張り、そのくせ臆病で泣き虫の、要するにお坊っちゃん。あまり友人にはなりたくないタイプです。
…と思いきや、他方ではいたずらっ気やユーモアをふんだんに持ち合わせていて、特に法政大学教授当時の教え子たちからたいへん慕われたそう(百閒自身はこの「教え子」という言葉を嫌い、「学生」と言っていました。こんなところにも、妙なこだわりの強い偏屈さが表れています)。
矛盾だらけで、でもそこがなんともチャーミングな人物だったようなのです。

『百鬼園事件帖』は、百閒が高名な作家になる前、まだ「法政大学の内田教授」だった時期の物語。主人公であり視点人物の甘木は、百閒の教え子、じゃなくて学生。ひょんなことから百閒と親しくなり、行動を共にするうちになぜか次々と常識では説明のつかない怪異に遭遇し、巻き込まれていく…。
『事件帖』というタイトルから、てっきり百閒が探偵役を務めるミステリーかと思ったのですが、読んでみるとこれがなかなかにホラーだったのでした。ごく一部のご紹介ですが、甘木が突然猫に話しかけられる場面(ちなみに百閒の最後の作品のタイトルは『猫が口を利いた』です)や、ドッペルゲンガーがわらわらと登場するくだりなど、まさしく悪夢。不穏、不安、不可思議、不気味、不合理…等々、やたら「不」の付く言葉が満載の空気が漂う百閒の小説の世界そのものです。

ここまで百閒文学の世界を再現するとは。かつ史実を丁寧に踏まえ、さらに小説や随筆に出てくるさまざまなエピソード(机の上の文房具を大きい順にきちんと並べ直す、とか、借金しまくってるくせに恬として恥じず屁理屈をこねる、とか)をそこここにさりげなく挟み込み…、著者の三上延さんが内田百閒の熱烈な愛読者であることがよーくわかり、果ては、この作品がフィクションであることはもちろん承知しているんだけども「…いやこれ、実は本当にあったことなんじゃないか?」と思えてくるのでした。内田百閒とは実際にこういうひとだったのであり、始終このようなヘンな体験をしていたので(むしろ百閒自身が呼び寄せていたような…?)、後年ああいう不可思議な作風の作品群を生み出せたのだ……。

内田百閒がお好きなら必ず読まねば!な一冊だと思います。「ひゃっけん?誰?」の方も、ぜひこの本を読んで興味を持っていただいて、摩訶不思議な百閒ワールドに足を踏み入れてください。これをきっかけに百閒好きのお仲間が増えていったらとてもうれしいです。

内田百閒の著作
冥途・旅順入城式』 請求記号:913.6/ウ 資料コード:110946079 
(第一図書館所蔵)
百鬼園随筆』 請求記号:914.6/ウ 資料コード:411118313
(第四図書館所蔵)他
阿房列車』 請求記号:915.6/ウ 資料コード:650012006
(中央図書館蔵)
他 多数あります!

09:00
2025/04/20

おかしのくにのうさこちゃん

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著書:ディック・ブルーナ/ぶん・え まつおか きょうこ/やく
請求記号:E1/ブ
資料番号:610992709 他

口元がばってんの白いうさぎといえば…ミッフィーです。
ミッフィーは、1955年に出版されたオランダのディック・ブルーナさんの絵本『ちいさなうさこちゃん』『うさこちゃんとどうぶつえん』から生まれ、今年で70周年だそうです。
ミッフィーは英訳で、ブルーナさんが名付けたのは「ナインチェ」、日本では「うさこちゃん」として多くの絵本が翻訳され、親しまれています。
雑誌『モエ』の2025年5月号では巻頭特集になったので、目にした方もいるのではないでしょうか。

中学生の娘は、まだ「ミッフィー」「うさこちゃん」と言えない頃から私が持っていた50周年記念のミッフィーのぬいぐるみを「ちゃーちゃん」と言ってかわいがり、今も変わらず絵本もキャラクターとしても大好きです。
今でもうさこちゃんの絵本が出版されると購入し、娘と楽しんでいます。



その中でも「うさこちゃんの絵本で、こんなに大笑いするなんて!」と驚いたのが、『おかしのくにのうさこちゃん』です。
ある日、うさこちゃんはおかゆを食べたくなくて、「ここがおかしのくにならいいのに」と考えます。
おかしのくにではアイスクリームをいくつも食べられて、いつでもケーキを食べられます。
そして娘が大笑いしたのは「おみずなんかのみません。」の一文。
さらに、チョコレートのついた手を服でぬぐったり、夜ふかししたり、みんななまけものだったり…。
絵に描いたように「げらげら」と笑う娘を見て驚くと共に、当時、電車やバスで出かける際には絵本を持って行っていたので、「この絵本を持って行くのはやめよう…。」と心の中で固く誓いました。
でも最後は、本当にそんなくにがいいの?と考え直すうさこちゃん。
ですが幼い娘は、おかしのくにのうさこちゃんを真似て悪ノリしようとして、私に止められ、怒られる…。
娘は覚えているかはわかりませんが、この絵本を見ると、そんなやりとりを思い出します。

ちなみに10年前の60周年展には、写真の50周年記念のぬいぐるみを持って家族で行きました。
会場でぬいぐるみをなくしてしまい無事にフォトスポットで見つかったのも、今では笑い話です。(当時は冷や汗ものでした…。)

参考資料:
ちいさなうさこちゃん』請求記号:E1/ブ 資料番号:610946706 他
うさこちゃんとどうぶつえん』請求記号:E1/ブ 資料番号:610992567 他
モエ』2025年5月号 資料番号:620773985 他


09:00
2025/04/19

来る

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 ホラーといえば夏、というのが定番です。

 怖い映画や小説で背筋をヒヤリとさせて夏の暑さを乗り切ろうというわけですが、しかし、個人的には春に味わうホラーもまた良いものだ、と思っています。
 春と言えば新しい生活がスタートする季節。期待がふくらむ反面、慣れない環境への不安から精神的に揺らぎがちになる時期でもあります。そんな木の芽時に、あえて心をよりゾワゾワさせるホラーを楽しむのも乙かな、という考えです。

 今回オススメする『来る』も、存分にゾワゾワできるホラー映画です。
 ごく平凡に暮らしていた幸せな家族に降りかかる様々な怪奇現象と、その原因を突き止め、祓うために立ち向かう霊媒師たちの戦いを描いた本作。岡田准一、妻夫木聡、松たか子など豪華な俳優陣も見どころですが、一番は何と言っても怖さが「二段構え」になっている点ではないかと思います。

 ホラーにはざっくり分けてオカルト的な怖さを描いたものと、「ヒトコワ」などと呼ばれる人間の業や狂気の怖さを描いたものがありますが、『来る』はその両方を備えています。登場人物たちの人間模様もイヤ~な感じなら、襲い来る怪異もまたイヤ~な迫り方をしてくるという、何とも逃げ場のない怖さがあります。
 しかし、そんな陰鬱な展開から一転して日本各地から霊能者が集結する終盤のシーンはなぜか少年漫画のバトルもののような熱さがあり、ここもまたイチオシのポイントです。

 映画『来る』の原作は澤村伊智著の小説『ぼぎわんが、来る』。第22回日本ホラー小説大賞受賞作です。
 澤村伊智は現在も精力的に新作を発表していて、近年のJホラーを牽引する作家として中央図書館でも多くの著作を所蔵しています。
 映画は小説から大きく変更された点も多いため、それぞれの違いを比べることができるのも原作つき映画の楽しみのひとつです。

 話は変わりますが、昨年はホラー小説の当たり年だったのではないかと、これまた個人的には思っています。
 2024年のベストセラーランキング(トーハン調べ)の第1位は雨穴著『変な家』でした。また、同ランキング16位につけた背筋著『近畿地方のある場所について』も、小説投稿サイト発のモキュメンタリーホラーとして大いに話題となりました。中央図書館でも、この2作品は多くのリクエストを頂戴しています。
 『変な家』はすでに映画化され、『近畿地方のある場所について』も今年8月に映画の公開が決まっているとのこと。近年の面白いホラー小説に共通するのは「映像化しても面白い」という点なのかもしれません。

 皆様も、あえての春ホラー、いかがでしょうか。


来る
監督:中島 哲也
出版社:東宝
請求記号:D7AB/ク 
資料コード:630322852

著者:澤村 伊智
出版社:
KADOKAWA
請求記号:913.6/サ
資料コード:611789547


09:00
2025/03/30

置かれた場所で咲きなさい

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タイトル:置かれた場所で咲きなさい
  著者:渡辺和子 著
請求記号:914.6/ワ  
資料番号:611519256 他

 一時期は赤本や過去問を机に並べて真剣な表情で勉強する学生であふれていた図書館でしたが、受験シーズンも終わり、みんなそれぞれの道が決まり、学習スペースも空席が目立つ時期となりました。

 希望していた道に進む人、そうでない人、それぞれの思いを抱いている今日この頃なのではないでしょうか。

 我が家は2年連続で受験生がおり、図書館で勉強している学生を見て他人事とは思えず、図書館内を歩く時には「みんな頑張れ!合格してね!」といつも心の中で応援していました。

 そんな我が家の今年の受験は、熱い思いで志望校合格に向け、お正月も返上で頑張りましたが、残念ながらその思いは届かぬ結果となりました。パソコンの画面に映る「不合格」の文字をじっと見つめて固まる我が子。。。これまでの努力が実らない不条理に胸が張り裂けそうな気持ちになりました。しかし、親がいつまでも落ち込んでいるわけにはいきません。そんな時に1冊の本を思い出し、そっと我が子に渡しました。
 私の思いが伝わればいいのですが、どうでしょうか。


 「置かれた場所で咲きなさい」

 私が大学1年生の時に、この本の著者である渡辺和子先生の授業を受ける機会がありました。数々の授業を受けた4年間の中で、この先生の授業は最も心に残るものでしたが、どんなことが印象的だったのか、そこまで鮮明に覚えているわけではありませんでした。しかし数年前に世の中でこの本が大きな話題となり、改めて先生の教えを思い出すこととなりました。

 本の中で最も印象的な言葉は

「どんなところに置かれても、そこで環境の主人公となり自分の花を咲かせる」

「どうしても咲けない時もあります。雨風が強い時、日照り続きで咲けない日、そんな時には無理に咲かなくてもいい。その代わりに、根を下へ下へと降ろして根を張るのです。次に咲く花が、より大きく、美しいものとなるために。」
 
 自分が与えられた環境に不平不満を抱くのではなく、その環境の中で最善を尽くすこと、それがいつかは大きな花を咲かせること。我が子にはそんなことを心の片隅に置いて新しい生活を始めてもらいたいな、とほんの少し思っています。

 このコラムを執筆するにあたり、改めてこの本を読みましたが、いつ読んでもとても多くの気づきがあります。いつも心の中に「置かれた場所で咲く」という気持ちを持っていたいものです。 


09:00
2025/03/14

CDTWIN NHK「みんなのうた」ベスト・ヒット40 心のうた

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タイトル:CDTWIN NHK「みんなのうた」ベスト・ヒット40 心のうた

資料コード:630148606

請求記号:C7CF/エ


「みんなのうた」はN H Kのラジオとテレビで放送されている5分間の音楽番組です。素敵な楽曲、アニメーションなどの楽しい映像でお楽しみの方も多いのではないでしょうか?1961年から放送開始後、60周年を迎える長寿番組です。私の家では小学生の時から、この「みんなのうた」のテキストを買ってもらっていました。今回は「みんなのうた」の中の私の記憶に残った歌をご紹介します。


我が家にやってきた一番最初のテキストの第1曲目は「パンのマーチ」でした。あれから◯十年、“あんぱん、ジャムパン、クリームパン、チョコレートパン♪”と今でも空で歌える私です。何回も再放送されてきた名曲でもあり、“むかしパンを焼いたのは♪”から曲想がガラリと変わるのが当時まだ幼かった私には刺さりました。


他にも思い出の曲を上げていきますと、『北風小僧の寒太郎』。この曲は1974年の最初の放送では堺正章さんが歌っていました。とぼけた味のある声が曲にぴったりでした。「さとうきび畑」は最初に放送された時のちあきなおみさんの歌声のものが私の記憶には一番残っています。少し気怠い感じのアルトの声は当時小学生だった私には大人っぽく感じられたものです。


ちょっと変わったところでは「マヌエロ」。再放送されたことがない曲のようですが、私の脳内にはくっきりはっきり足跡(そくせき)を残しています。曲中に登場する山賊のマノロと村を守るチビのマヌエロの対比がとても面白く、実はこの曲も1番は空で歌えてしまうのです。


他にも原曲はビゼーの「小さな木の実」、大貫妙子さんの作品で自ら歌う「メトロポリタン美術館(ミュージアム)」、「山口さんちのツトムくん」、「コンピューターおばあちゃん」、「赤鬼と青鬼のタンゴ」など、思い出の曲は枚挙にいとまがありません。


おばさんが昔語りをすると長いのですが、最後に一曲ご紹介させてください。それは「はじめての僕デス」。なんと当時小学生のエレファントカシマシの宮本浩次さんが歌っています。宮本さんは小さい頃からお歌が上手かったんですね。


なお、最近のみんなのうたでは「ようかんマーチ」が好きです。機会あれば聴いてみてください。


*「マヌエロ」だけは冒頭のC Dには収録されていませんので、こちらに挙げておきます。

タイトル:KING TWIN BEST SERIES::NHKみんなのうた ベスト

著者:オムニバス

資料コード:630076113

請求記号:C7CF/エ



09:00
2025/03/08

枯れるもの、枯れないもの

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ここ数年、ハンドクリームや乳液が欠かせない日々を送っている。
嘘だと思われるかもしれないが、それまでの私は、そういった、いわゆる身体に潤いを与えるものとは無縁の人生を送ってきた。
子どもの頃からどちらかというと全身オイリー肌で、化粧水はともかく、乳液なんて塗ろうものならベッタベタのテッカテカになる始末。
また、緊張するとすぐ脇汗手汗をかくので、学校のイベント事で男子と手を繋がなければいけない時など、そんな自分を呪っていた。
とにかく、良く言えば、いつも身体が潤っていて(湿っていると言った方が正しいのだが…)、ハンドクリームやリップクリームを携行している友達が、当時はたいそう輝いて見えた。
そんな私だが、数年前から、冬場になると身体のあちこちが乾燥するようになってきた。
やっと人並みに乾燥するようになってきた!と、ここぞとばかりに友人達の前でやたらハンドクリームを塗りまくり、家では各種フェイスマスクを取り揃えて、毎夜念入りにパックをする日々を送っている。
もし自分に特殊能力があるならば、未来の自分は憧れの乾燥肌を手にしたよ!と過去の自分に教えてあげたい。

話は変わって…
物心のついた頃から、よく泣く涙もろい子だった。
今でも覚えているが、小学生の頃、学校の図書室で本を読んでいて、主人公に感情移入していまい、思わずポロポロと泣いてしまった。
またお恥ずかしながら、5年生の野外活動で初めて親元を離れ宿泊した際、夕飯時に自宅を思い出してシクシクと泣いてしまったこともある。
親に叱られては泣き、卒業など人生の節目や、映画やテレビ、音楽を聴いては感動して泣く。
そんな純で多感な時期を経て、少しは人生を斜に構える大人になれるかと思っていたが、年とともに涙腺はますますゆるくなり、しまいには、出産後に崩壊してしまった。
本当にちょっとしたこと、ニュースやCMを観ては泣く、人の優しさに泣く、我が子への読み聞かせで泣く、動物を見て泣く、など、とにかく泣くことへのハードルが低い。
と言うか、ない。
最近では、電車内の動画広告を観ていて思わず泣きそうになり、さすがにまずい、と奥歯をぐっと噛み、溢れそうな涙をどうにかこらえた。
この先、もっと泣く人生が待ち構えているのか、それともいつかお肌と同じように、涙も枯れてしまうのか…。
今から怖くもあり、だが少し、楽しみでもある。


最後に…
主人公の、山に対する真っ直ぐでひたむきな想いに毎度泣いた、読み聞かせにお勧めの一冊をご紹介します。

責任表示:石川 直樹
請求記号:E/イ
資料コード:612152558

09:00
2025/02/20

うた弁4 you

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タイトル:『うた弁4 you
著者:半﨑美子
資料コード:630338280
請求記号:C7CA/ハ

半﨑美子さん。
「ショッピングモールの歌姫」として、数々のメディアで取り上げられ、17年間という長い下積み期間を経て、2017年4月にメジャーデビューされました。
NHKみんなのうたのために書き下ろした「お弁当ばこのうた~あなたへのお手紙」や、「サクラ~卒業できなかった君へ~」など全8曲を収録したメジャー1stミニアルバム「うた弁」はロングヒットとなり、「第50回日本有線大賞新人賞」を受賞されています。

個性豊かで伸びやかな歌声と、メッセージ性ある歌詞が印象的です。
人の心に寄り添いながら作られた楽曲は、全国のショッピングモールを回り歌い続け、出会った人々に向き合い、その人生と涙に触れる中で生まれたものです。
聴いた後にじんわり涙したり、また頑張ってみようと思える、心に染み入る素敵な楽曲ばかりです。

ご紹介する『うた弁4 you』は、「手紙」をテーマに制作。
全8曲が収録されています。
ショッピングモールでのライブでこれまでたくさんの手紙を送られた半﨑さんから、ファンへのお返事のようなミニアルバムです。

歌手を目指して上京した当時、夢を思い描きながらも、迷いもがいていた過去の自分への手紙である「途」や、生まれ故郷を離れ、遠く離れた場所で頑張っている子どもへ宛てた、親からの手紙のような「雪の消印」。
日本郵政のイベントのために制作した「この文字が渇く前に」、大家さんへ宛てた手紙を歌った、「大家さんと私のブルース~困った時はお互い様~」など、綴られた楽曲たち一つひとつがそれぞれの手紙となって、きっと皆さんの心にも届くことと思います。

アルバムの最後を飾る曲、「地球へ」は、半﨑さんの長年の夢だった、音楽の教科書への掲載が実現した1曲。
この歌のメッセージを、直接子ども達へ伝えてほしいという要望が多くの学校から寄せられ、半﨑さんご本人が全国の学校を巡り、子ども達と一緒に歌ったり、この歌のメッセージについて語り合う、特別授業にも取り組まれています。

私も数年前、地元のショッピングモールでの半﨑さんのライブに行き、ライブ後のサイン会に参加しました。
生で聴く半﨑さんの歌声と素晴らしい楽曲に感動したことはもちろんのことですが、特に心に残っていることがあります。
サイン会の列に並んで、私の順番が来た際に優しい笑顔で迎えてくださったこと。
親友との別れ、なかなか前を向くことが出来なかった時に、半﨑さんの音楽に支えられたことをお話しした際に、涙を流しながら「また会いましょう」と言って、握手をしてくださったこと、今でも忘れられない思い出です。

NHKみんなのうたのベストアルバムも、下記にご紹介しています。
転機の一つともなった楽曲、「お弁当ばこのうた~あなたへのお手紙~」が収録されていますので、併せてお楽しみください。

心にそっと寄り添ってくれる、半﨑さんの歌声は、きっと背中を優しく押してくれるはず。
皆さんにも、このあたたかい音楽が届きますように。

【資料紹介】
資料コード:630327410
請求記号:C7CF/エ


09:00
2025/02/20

図書館が教えてくれた発想法

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タイトル:図書館が教えてくれた発想法

著者:高田 高史

出版社:柏書房

請求記号:015.2/

資料コード:112248056

 

 

 探している本が見つからない。

例えば、こういった内容の本が欲しいけれど、どう探せばいいかわからない。

知りたいことがあるけれど、どこに載っているのか見当がつかない。

断片的に内容は覚えているけれど、何の本だったか思い出せない、などなど。

情報過多な日々の中、そんなこともあることでしょう。

最近ではインターネットを利用して、他の人の知識や経験に頼る場面も多くみられます。

 

それが、自分の力で出来たらどうでしょう?

本を探すということは、謎解きにもクイズにも似ていると思います。

手掛かりを集め、ひらめきや知識をもとに、最適解を探ってゆくのです。

その方法がわかれば、探求してゆくこと自体を楽しめると思いませんか?

 

こちら、本を探すにはこういうアプローチもあるよ、と紹介してくれる本です。

図書館にアルバイトとして入った主人公が、調べもの、いわゆるレファレンスのコツを図書館員から教えてもらうということでお話が進んでいくので、読み物としても楽しめます。

 

出版年は2007年ですが、今でもこの発想法はあらゆる調べものに使えると思います。図書館での探し方がメインとなっていますが、インターネット上で検索する際に役立つ方法も紹介されています。

AIに頼りきりではなく、自分で見つける楽しみ、自分の発想で世界が広がる感覚を味わえるのです!

 

私は図書館員になる前にこの本に出会ったのですが、ここで改めて司書の仕事や図書館の役割を知ることも出来ました。

実際に今読み返しても、原点に戻って気付けることがたくさんあります。

 

そう、図書館では、本を探すお手伝いもしているのです。資料の返却や貸し出し以外にも。


09:00
2025/01/20

あきらめなかった男

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「あきらめるな」「がんばれ」という言葉は使い方の難しい言葉です。
その言葉で奮い立つ人もいれば、プレッシャーに負けてしまう人もいます。

”あきらめない”ということは自分自身の意思を強く持つことが大事です。

将来の夢や目標をあきらめないためには、それを達成するために必要なことは何かを考え、努力し続ける膨大な時間と努力が必要です。その蓄積が困難を乗り越えていく力になります。


私はそのことを『あきらめなかった男』で学びました。この本は鎖国の時代に、漂流した大黒屋光太夫(だいこくやこうだゆう)が日本に帰るための10年にわたる実際の冒険譚です。

今よりも航海に危険が付き物だった江戸時代、「神昌丸(しんしょうまる)」という船が伊勢から江戸に帰ろうとする中、嵐に巻き込まれてしまいます。
ここから船頭である大黒屋光太夫と船員たちの漂流記が始まりました。


大黒屋光太夫たちが流れ着いたのは言葉も通じない北の孤島でした。
異国の暮らしや文化に戸惑いながらも彼らは生きることをあきらめず、日本へ帰るための道を探し続けます。

出会った異国の人たちとお互いの言葉を教え合ったり、船の修理を手伝うなど、異国の人たちとのコミュニケーションをあきらめずに取り続けました。

病に倒れる仲間や、年月が経つにつれ帰国をあきらめる仲間もいました。(考えが変わることは決して悪いことではありません。誰にでもあることです。)

それでも、日本に帰国するという希望を捨てなかった大黒屋光太夫と一部の船員たちは何年も何年もかけて少しずつ日本へ帰る道筋を立て実現していきます。



鎖国を行なっていた当時とは逆に、今はインバウンド需要が高まり、日本にいながら多くの外国人と接する機会が増えてきました。
通信や移動技術が今後も目まぐるしく発展していき、外国は遠い異国の地ではなく、もっと身近な場所になっていくのでしょう。

 自分のアイデンティティーを保つためにも、私たちは今以上に「日本人」であることや、「日本」という国について意識していかなければならないと感じました。



皆さんは『あきらめなかった男』を読んでどんなことを感じるでしょうか。


タイトル:あきらめなかった男
責任表示:小前 亮/作,おとない ちあき/絵 

請求記号:Y913.6/

資料番号:612339163


09:00
2025/01/20

松本隆 作詞活動四十五周年トリビュート 風街であひませう

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松本隆作詞活動四十五周年トリビュート 風街であひませう

請求記号:中置/C7CA//359

資料コード:630212995

発売元:JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント

 

娯楽といえばテレビを観ることぐらいだった小学生の頃、毎週月曜日と木曜日のゴールデンタイムに放送される某二大歌番組は、当時ご多分に漏れず熱中していた番組だった。

私が夢中になっていた頃は、80年代アイドル黄金期の時代であり、毎週のように、(中森)明菜ちゃんやシブがき隊、マッチ(近藤真彦)、としちゃん(田原俊彦)等が画面を華やかに彩って歌っていた。中でも、明菜ちゃんと人気を二分していたのが(松田)聖子ちゃんだった。

聖子ちゃんの曲が大好きだった私は、必死に歌詞を覚え、画面の中で歌っている彼女に合せていつも一緒に歌っていたのだが、たいていの曲が、一桁そこらの人生経験しか積んでいない当時の私にとっては、一体人生を何周したら解るようになるのか?というくらい、難解な歌詞がよく出てきた。

 

「瞳はダイヤモンド」
・・・映画色の街 美しい日々が 切れ切れに映る いつ過去形に変わったの?

泣かないでMemories 幾千粒の雨の矢たち 見上げながらうるんだ 瞳はダイヤモンド・・・


「白いパラソル」
・・・渚に白いパラソル 心は砂時計よ あなたを知りたい 愛の予感

風を切るディンギーで さらってもいいのよ・・・

 

映画色って何色?心は砂時計とは?ディンギーって一体何じゃ!?

当時はインターネットで調べるといった術もなく、歌詞の意味もよく分からないまま。でもなんだか都会っぽくて素敵、、、。ミーハーな私は、あーでもないこーでもないと、意味を色々と想像しながら、歌を楽しんでいたように思う。

大人になって人生経験も当時よりは積んだ頃、初めて作詞家の松本隆の名前を知り、多くの聖子ちゃんの歌の作詞を担当していたことを知った。さらに、当時流行っていた他の歌手の曲の歌詞も手掛けていることもわかった。寺尾聡の「ルビーの指環」や斉藤由貴の「卒業」、森進一の「冬のリヴィエラ」等、あの人もこの人も、あの歌もこの歌も、といった具合である。


松本隆の作った歌詞を改めて読んでみて、心情を丁寧に表現しているものの、直接的ではない独特な言い回しが、受け手側の各々の経験や感性に委ねられているように感じた。だからか、余計にその詞の世界観にぐっと引き込まれる感覚があるのかもしれない。また、メロディがなくとも、彼の歌詞だけでも十分成立するのではと思うほど、ことばに力があり、詩以上に詩的だなあと思う。

今ではディンギーの意味もわかるし、なんとなーく、ではあるが、自分なりの解釈で歌詞を読むこともできるようなった。きっとこれからも、彼の曲を聴く度に、その時々の自分の経験値で感じ方も変わるのかもしれないし、今まで見えなかったものが見えてくるのかもしれない。


09:00
12345