「YOASOBI」
タイトル『はじめての』
著者 島本理生 , 辻村深月 , 宮部みゆき , 森絵都/著
請求記号 Y913.6/シ
資料番号 612254576
世界的な人気を誇る音楽ユニットの「YOASOBI」。代表曲である『アイドル』や『夜に駆ける』は誰もが耳にしたことがあると思います。
このYOASOBIは「小説を音楽にするユニット」としての側面もあるそうで、彼らのCDアルバムには短い小説がついており、そのタイトルも『THE BOOK』『THE BOOK2』『THE BOOK3』となっています。アルバムについている短い小説を読むと、曲の歌詞がより理解できるという点で、音楽性はもちろんのこと、このような一面も彼らの人気を後押ししているのかなと思っています。
さて、今回オススメしたい作品は『THE BOOK3』のアルバムの最後の曲『好きだ』を小説化した『ヒカリノタネ』(森絵都/著)です。この作品は『はじめての』という4篇の短編小説の中の1つです。
もともと何げなくこの『好きだ』を聞いていて、歌詞がとても面白く突っ込みどころがたくさんで、結末がとても気になっていたのです。
「いざ彼に4回目の告白を」(え?同じ人に4回?!)
「初めて想いを伝えた10年前」「次の5年前も軽すぎたし、次の3年前もそうだ」(ずいぶん長いこと一人の人が好きなんてすごいけど、ちょっと重い?)
「さあタイムトラベルだ あの日まで取り返そう」(すみません、もう意味わかりません)
「失敗してもいい、もう一度言うよ、私君のことが・・・」(で、結末どうなった?)
こんな歌詞なのです。そして更にこの恋愛の結末が気になる原因はボーカルのikuraさんの歌い方です。ハッピーなの?どうなの?と気になりすぎる歌い方で曲が終わるのです。私の中ではこの歌い方で結末を予想していました。しかし、『ヒカリノタネ』を読んでみると、ここではネタバレできない内容が多く、曲の理解度がとても上がりました。
小説の内容を少し紹介すると「タイムトラベル」とは本当に自分の人生をやり直すべく、過去の3回の告白する瞬間に時間を戻して、告白を阻止しに行くのです。これまでの3回の告白をなかったことにして、今回の告白を初めてということにしたいという思惑です。タイムトラベルは成功し、彼女は4回目の告白をすると心に決め、実行に移します。さあ、結末やいかに!
もしもこの作品に興味を持った方がいらっしゃれば、まず先入観を持たずに曲を先に聴いてみてください。そしてその答え合わせとして小説を読むことをオススメします。
ご参考
『はじめての』
・私だけの所有者(島本理生/著)曲名「ミスター」
・ユーレイ(辻村深月/著) 曲名「海のまにまに」
・色違いのトランプ(宮部みゆき/著)曲名「セブンティーン」
・ヒカリノタネ(森絵都/著) 曲名「好きだ」
『夜に駆ける』
著者星野舞夜 , いしき蒼太 ,しなの ,水上下波, 橋爪駿輝/著
請求記号 Y913.6/ホ
資料番号 612176952
(YOASOBIの楽曲:『夜に駆ける』『あの夢をなぞって』『たぶん』「アンコール』「ハルジオン』
視聴覚資料(CD)『THE BOOK3』
資料番号 530044930(iプラザ所蔵)
請求記号 C7CA/ヨ