請求記号:914.6/ワ
資料番号:611519256 他
一時期は赤本や過去問を机に並べて真剣な表情で勉強する学生であふれていた図書館でしたが、受験シーズンも終わり、みんなそれぞれの道が決まり、学習スペースも空席が目立つ時期となりました。
希望していた道に進む人、そうでない人、それぞれの思いを抱いている今日この頃なのではないでしょうか。
我が家は2年連続で受験生がおり、図書館で勉強している学生を見て他人事とは思えず、図書館内を歩く時には「みんな頑張れ!合格してね!」といつも心の中で応援していました。
そんな我が家の今年の受験は、熱い思いで志望校合格に向け、お正月も返上で頑張りましたが、残念ながらその思いは届かぬ結果となりました。パソコンの画面に映る「不合格」の文字をじっと見つめて固まる我が子。。。これまでの努力が実らない不条理に胸が張り裂けそうな気持ちになりました。しかし、親がいつまでも落ち込んでいるわけにはいきません。そんな時に1冊の本を思い出し、そっと我が子に渡しました。
私の思いが伝わればいいのですが、どうでしょうか。
「置かれた場所で咲きなさい」
私が大学1年生の時に、この本の著者である渡辺和子先生の授業を受ける機会がありました。数々の授業を受けた4年間の中で、この先生の授業は最も心に残るものでしたが、どんなことが印象的だったのか、そこまで鮮明に覚えているわけではありませんでした。しかし数年前に世の中でこの本が大きな話題となり、改めて先生の教えを思い出すこととなりました。
本の中で最も印象的な言葉は
「どんなところに置かれても、そこで環境の主人公となり自分の花を咲かせる」
「どうしても咲けない時もあります。雨風が強い時、日照り続きで咲けない日、そんな時には無理に咲かなくてもいい。その代わりに、根を下へ下へと降ろして根を張るのです。次に咲く花が、より大きく、美しいものとなるために。」
自分が与えられた環境に不平不満を抱くのではなく、その環境の中で最善を尽くすこと、それがいつかは大きな花を咲かせること。我が子にはそんなことを心の片隅に置いて新しい生活を始めてもらいたいな、とほんの少し思っています。
このコラムを執筆するにあたり、改めてこの本を読みましたが、いつ読んでもとても多くの気づきがあります。いつも心の中に「置かれた場所で咲く」という気持ちを持っていたいものです。