終盤に入り雨の多い夏でした。
夏の夕立ちというと情緒がありますが、
最近は気象も変わり「ゲリラ雨」などと言うんだそうですね。
なにやら穏やかではありません。
先日も車で家の前まで着いたものの、まさしくバケツをひっくり返したような勢いの雨に遭い、
しばらく車の中に閉じ込められる破目になってしまいました。
少し待てば治まるだろうと思っていたのですが、そのうち雷まで鳴り出して・・・。
腹を決め、しばし車中で稲妻の大スペクタクルショウ見物と決め込んだのですが
これがもう、その激しさといったら恐れおののいてしまいました。
考えてみれば雷が鳴っているときはたいてい建物の中、
空ばかりをずっと眺めている経験など今までしたことがありません。
車の中といえば四方ガラス張りで全身に光を浴びている感覚です。
太古の森の古代人たちはさぞや天空の神の存在を畏れたであろうなどとしみじみ実感。
雷神様、風神様を生み出し、雷小僧に太鼓を背負わせた
庶民の感覚も理解できるような気がしました。
かつて私も「雷」にちゃんと「さま」をつけて呼んでいたものですが、
不遜にもいつから「さま」を取ってしまったのだろうか・・・。
おそらく雷にヘソを取られる心配なんぞないと知った頃でしょう。
太鼓の響きを聞くと必ずゾクゾクと身震いしてしまうのは、
太古の森で聞いた雷の音の記憶が我がDNAに焼き付いているのだろうか・・・。
たき火をするのが好きだと言っていた人がいたが、
あれも太古の森で火を見つめた記憶なのだろうか・・・。
この冬は絶対たき火をしてみよう! いけない、昨今環境汚染でたき火はダメだったか・・・。
稲光に怯え感電死を恐れて車から出るに出られず、
夕支度前の貴重な時間を妄想に費やしてしまった!
さて次はどんな季節と出逢うのでしょう。
秋草が風にそよぎ、虫たちがチンチロリンと鳴き・・・。
読書するのに心地よい、やさしい秋であってほしいものです。
なにせ日本人は世界にも珍しく虫の音を左脳で「言語的に」聞くのだそうですから。
(r.o)