6月末のこと、夏休みを前に、朝顔の鉢を持ち帰る小学生の姿を見たら
急になつかしくなり、十数年ぶりに種をまいてみた。
私が子供の頃、夏の花の代表格はなんといっても朝顔だった。
どこの家にも庭先に咲いていて、色水を作ったりして遊んだものだ。
今でも夏の風物詩であることには変わりはないが、
住宅街を歩いていて見かけることは少なくなった。
夏の庭は多種多様な花であふれ、朝顔は目立たない存在になったと思っていた。
ところが最近、ネットに朝顔やフウセンカズラなどのつる性の植物を
はわせている家を見かけるようになった。
緑のカーテンを作り、自然の涼しい風を呼び込む・・・
地球温暖化防止に有効とのこと。
我が家の場合、まいた時期も遅いし小規模なので、
今年は残念ながら貢献できそうもなく、涼し気な姿を鑑賞するだけになりそうだ。
高校生の頃のことだったか、眠れぬ?(眠らない?)ままに夜を過ごし、
ふと朝顔の開花の瞬間を見たいと思い立ち、夜明け前の庭に出たことがあった。
夜から朝へ変わる時、空は何とも言えない神秘的な色をしていて、
空気までもが不思議な色につつまれている気がした。
まさに圧倒されるような美しさで、この時の感動は今でも覚えているのだが、
朝顔の花がどうだったかは、全く記憶にない。
調べてみると朝顔は午前3時半頃から1時間近くかけて開花していくそうだ。
パラソルのような蕾が開く様子と共に、あの時のような美しい暁の空を
もう一度見ることができたらと思う。