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2015/01/18

構造線を巡る旅

Tweet ThisSend to Facebook | by 図書館スタッフ
近年、日本列島は豪雪に始まり、台風による洪水、土石流、東北の震災など、
本当に災害が多く見られるようになってきました。

中でも、昨年、特に印象に残ったのは長野の地震です。
震源は「糸魚川ー静岡構造線」の北方に位置する神城断層の一部が活動したものでした。
一番被害が多かった白馬村はその構造線の上にあるということです。

実は、我が家はその2ヶ月半程前、ドライブ旅行に出かけ、
安曇野で中央高速を降りて糸魚川に向かっていました。
途中、小谷村、白馬村の景観を楽しみながら駅前を通過したのが、
まだ記憶に新しかっただけに、テレビの画面から映し出された町並みや
道路の無惨な姿に目が釘付けになってしまいました。
思い起こせば、途中の道路はがけ崩れを防ぐため半トンネルのようになっているところや、
未だに工事を行っている区間も多く、自然災害の多い地域であったのだと再認識しました。

夏のドライブ旅行の当初の計画は、出雲方面に行くことでしたが、
土砂災害があった広島市の近くを通る予定だったこともあり、急遽変更し、
構造線を辿る旅とすることになりました。
構造線とは断層が帯のように多数ある地域のことをいうようです。

夫は最近地震が多いことから、地質構造に興味を持っていたようです。
日本の中央には、 フォッサマグナ と呼ばれる古い地層でできた巨大なU字型の溝があり、
これは明治に日本にやってきた地質学者のナウマン博士が発見して命名しました。
ラテン語で「大きな溝」という意味ですが、その巨大な溝に新しい地層が溜まっている地域です。
この西側が糸魚川から静岡にかけて走る「糸魚川静岡構造線」で、東の方は明確では
ないのですが千葉から柏崎のあたりにかけて伸びているとされています。
さらにこれに交差するように「中央構造線」という関東から四国、九州までも伸びている
構造線もあり、日本列島を断層が巡っているということが良く分かります。
私たちの旅は、山梨の早川村、糸魚川市のフォッサマグナ・パーク、
それと下伊那郡大鹿村を一気に駆け抜けるというものでした。
一見するとただの崖で見過ごしてしまうような岩の壁ですが、そこに断層があり、
左右が違った地層で、そこに裂け目があるのだと思って見ると、突然別のものに見えてきます。
大鹿村には「糸魚川ー静岡構造線」を横切る「中央構造線」の露頭が見られます。
村にある「中央構造線博物館」は大断層の上に建てられ、
庭には地質年代ごとに発見された岩石が並べられています。

旅の直後、御岳山の噴火、長野の地震と続きました。
それまでは富士山が噴火するなど遠い話のことと意に関していませんでしたが、
急に現実味を帯びてきました。
稲城は、多くが多摩丘陵の固い地盤の上に立地する町と聞いて安心していましたが、
立川断層の南部に隣接していることは決して侮れません。
白馬村の人々の中には、自分たちの家が活断層の上に建っていることを
知らない人もいたと聞きます。
今まで、配布される防災マップなどに注意深く見入ることはありませんでしたが、
自分が住んでいる地域の環境を知ることが大事だと痛感させられました。
まずは、防災用品を再チェックすることから始めることとします。
もちろん、これらの用品が使われる日が来ないのを祈るばかりです。
20:32