タイトル:『本を守ろうとする猫の話』
著者: 夏川 草介
資料コード:611905780他
請求記号: 913.6/ク
主人公が本好きの高校生男子、そこに上から目線で言葉を話すトラネコが絡み、このネコの依頼で本を守る戦いに挑むファンタジー ・・・ いったい何がどうなっているのか。とにかく紹介していきましょう。
物語は古本屋を営んでいた主人公・夏木林太郎の祖父が急逝してしまうところから始まります。
高校生の林太郎は家庭の事情で小学校の頃よりこの祖父と二人暮らし。この祖父の影響で高校生ながら古今東西の名著を読んできた林太郎ですが、祖父の死により身寄りがいなくなってしまい、葬儀の一週間後には店をたたんで初めて会う叔母のところに引き取られることが決まっています。
葬儀後何をする気にもならず引きこもっている林太郎の前に言葉を話す一匹のトラネコが現れます。そして極端に偏った考えをもった権力者から一緒に本を守ってほしいと林太郎に頼みます。
本の内容ではなく読んだ冊数を重要視する者、あらすじ重視で効率化が至上と考える者、売れる本を出版ことがすべてと考える者。
果たして林太郎はこれらの人々にどう対峙してくのでしょう。
そして、祖父が大切にしてきた古本屋の存続は・・・
この物語では、本の持つ魅力や読書の意義についての筆者の考えが繰り返し語られており、その言葉が深くしみ込んできます。
『本には力がある』
『時代を超えてきた古い書物には、それだけ大きな力がある。力のあるたくさんの物語を読めば、お前はたくさんの力強い友人を得ることになる』
『本には心がある』
『本はそこにあるだけではただの紙の束に過ぎない。偉大な力を秘めた傑作も、壮大な物語を語る大作も、開かれなければ所詮はただの紙切れだ。けれども人の思いが込められ、大切にされ続けた本には心が宿るようになる』
『大切にされた本には心が宿り、そして心を持った本は、その持ち主に危機が訪れたとき必ず駆けつけて力になる』
本にちりばめられた筆者からのメッセージのような言葉を繰り返し読みながら、この思いは稲城市こども読書推進計画のキャッチフレーズになっている「本はともだち いなぎの子」と重なると思わずにはいられませんでした。、
続編:『君を守ろうとする猫の話』(612385774) もぜひ読んでみてください。