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2023/07/17

とわの庭

Tweet ThisSend to Facebook | by 図書館管理者

タイトル:「とわの庭
著者:小川糸 
出版社:新潮社
資料番号:612180740 他

 私が小説を選ぶポイントのひとつに表紙のデザインが自分の好みであることが挙げられます。表紙デザインからその小説の内容をイメージし、今の自分の精神状況に合っているか、そんなことを思いながら本を選びます。
 今回ご紹介する本もそんないきさつで選びました。

 数か月前、家族旅行に行くことになり、心身ともにリラックスした時間を供にできる本を持参しようと、この本を選びました。

 「とわの庭」。タイトルから「とわちゃん」という女の子がすてきな庭を見ながら育っていく話なのだろうか、表紙のデザインも黄色のワンピースを着た女の子が窓から顔を出して鳥と猫と戯れています。きっとほんわかした、心温まる話で、リラックスできる小説なのだろうと勝手にイメージしていました。
 旅行に出かけ、部屋に入り、家族が思い思いに過ごすなか、私もソファーで足を伸ばしながら本の表紙を開きました。
 読み進めていくと、私が勝手に抱いていたイメージがどんどん崩壊されていきます。ちっともほんわかしていないし、おどろおどろしい描写も出てきます。リラックスしたい環境なのに気持ちがどんどん暗くなっていきます。何度読むのをやめようかとも思いましたが、どんどん内容にひき込まれていきました。とわちゃんがこのあとどうなるんだろうか、幸せになれるんだろうか、食事をしていても頭の片隅で気になってしまっている自分がいました。

 でも安心してください(笑)
この先はネタバレになってしまうので控えます。気になった方はご自身で黄色の本の表紙を開いてみてください。



 簡単にあらすじをご紹介します。 

 お母さんと二人暮らしの「とわ」は目が見えません。お母さんは目の見えないとわに季節の変化がわかるように沈丁花や金木犀を植え、香りで感じられるよう教えてくれます。また文字を教えたり、本を読んだり、アイロンのかかったハンカチを使わせてくれたり、丁寧な暮らしをしていました。しかし外出することは決してありません。週に一度「オットさん」という人が生活必需品を届けてくれるのです。お母さんと二人っきりのある種異様な生活、お母さんはとわに何かを隠しているようにも見えます。そんな暮らしのなか、お母さんが外で働くことになりました。仕事に行っている間は、お母さんが「ネムリヒメグスリ」と呼ぶ睡眠薬を飲んで、オムツをつけて眠り続けなくてはなりません。目が覚めるとお母さんは帰ってきていて、今まで通りの二人の幸せな生活をしていました。しかし、次第にお母さんは家に帰ってこなくなります…。10歳足らずの目の見えないとわの生活は崩壊していきます…。
 

09:02