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2016/01/07

スタッフのおすすめ本!(2016年1月)

Tweet ThisSend to Facebook | by 図書館スタッフ
書名:れんげ荘
        働かないの
著者:群ようこ
出版社:角川春樹事務所
請求記号:913.6/ム

 
激務の有名広告代理店を45歳で早期退職したキョウコは、
月々10万円で暮らす預金生活者の道を選び、
実家から古アパート「れんげ荘」に引っ越します。
家賃3万円の「れんげ荘」は、トイレとシャワーは共同、
梅雨時はナメクジに、夏は蚊に悩まされ、快適とは程遠い生活なのですが、
キョウコはそれまで感じることがなかった自然を感じ、
満足して暮らし始めます。
アパートの住人は60歳すぎのモダンなクマガイさんと、
職業は旅人のコナツさん。
『れんげ荘』ではキョウコと個性的な住人たちをめぐる小さな事件が
淡々と描かれています。
 
『働かないの』はその続編で、3年後のキョウコの物語です。
48歳になったキョウコはまだ「れんげ荘」に暮らしていますが、
クーラーと網戸が付き、快適さはややアップ。
住人には新しくスーパーモデル風のチユキさんが加わり、
チユキさんをからめた物語がまたまた穏やかに進行していきます。
 
私は『働かないの』の「の」が気になっていたのですが、
読んでみてこの「の」は怒りの「の」だなと思いました。
キョウコはどちらかというと内向的でおとなしく、
ウジウジと悩むタイプ。
物語も、登場人物がみな優しくて親切な人ばかりなので、
ほのぼのとした感じなのですが、
中盤キョウコがキッパリとした口調で切り返す場面があり、
これなんだ!と納得しました。
そういえば『れんげ荘』でもありました、怒りの場面が・・・。
 
月10万円で暮らしていけるかどうかは別として、
ムダなものは持たないキョウコの潔い生活は、
昨今の整理ブームもあり、なかなか魅力的です。
キョウコの毎日の生活は、図書館で借りた本を読み、散歩に出かけ、
オーガニックショップで買ったお茶を丁寧に淹れて飲む
一見優雅な生活に思えますが、こんな毎日堪えられない
と思う方もいらっしゃるのでは・・・。
実際キョウコも『働かないの』では生活に物足りなさを感じ、
刺繍を始めたりしていますから、
この先どうなっていくのかまだまだ物語が続きそうな予感がします。
 


書名:路(ルウ)
著者:吉田 修一
出版社:文藝春秋
請求記号:914.6/ヨ

 
2002年に「パーク・ライフ」で、第127回芥川賞を受賞した
吉田修一さんの長編小説です。
 
舞台は台湾と日本。
台湾の南北を最高速度300km/hでかけぬける
高速鉄道プロジェクトを軸に展開する人間ドラマです。
 
このプロジェクトは
日本の新幹線の車両技術を海外に輸出した初めてのケースで
1999年から2007年にかけて大規模な工事が行われました。
小説ではこの事業そのものよりも
それにさまざまな形で関わり、
成長していく日台の人々の姿が描かれています。
 
台湾の生活や食べ物がとてもリアルな描写で綴られ、
温度や湿度までが肌に伝わってきます。
主要な登場人物たちがそうであるように
著者がこの国をとても愛しているのだろうと思います。
読んでいて、すぐにでも台湾を旅してみたくなりました。
台湾に思い入れのある方も
全く興味のない方も、ぜひ読んでみていただきたい一冊です。
 
吉田修一さんは大好きな作家なので
新作がでると楽しみに読んでいます。
「悪人」や「怒り」など人間の暗部をえぐるような作品も多いです。
それらもページをめくる手がとまらず
読後は呆然としてしまうような重さですが、
この「路」は爽やかで心温まる、かなり異なる味わいでした。
 
作風の幅広さ、懐の深さ、
また作風が違っても変わらぬ
人間や土地を描く巧みさに脱帽です。
18:16