一泊二日の温泉の旅へ行ってきました。
女ふたりの気ままな旅。荷物は必要最低限の限界に挑戦。
ちょっとご近所に買いものに行く体でいざ出発。
登戸乗り換えで小田急線にカタコトすやすやゆられること約45分。
箱根より近いしいいよねーという適当な理由で決め、
下調べもほとんどせずに初めての駅に降り立ってみると…。
ほんとに温泉、あるんだよね…?と不安になるほどのこぢんまりとした印象。
チェックインまでにはまだだいぶ時間があったので、とりあえず
ぷらぷらしながらどこかでお昼でも、という流れに。
お店の数は少ないものの、駅前にはコンビニやおそば屋さんのほかに、
地元の名物落花生(着いてから知りました。すみません)を使った和菓子や
豆菓子を売っている専門店、こだわりの素材とおしゃれな雰囲気で
思わず入りたくなる小さな洋菓子店などがあり、おそばのあとは
そちらの喫茶コーナーでしばらくのんびりさせていただきました
(ちなみにケーキはそのお店の№1と3のナポレオンとサバランを、
それぞれしっかり堪能)。
旅の楽しみと言えばやはり、旅館のお食事ですよね。
私の場合、どうしても色気より食い気、温泉よりも紅葉よりも、
食事の前がいちばん気合いがはいります。
18時から、とすこし早めの時間にしていただき、10分前から
お手洗いを済ませ部屋でわっくわくと待っていたのですが…。
あれ、こない。こないね。6時って言ったよね。うん、どうしたんだろう。
待てど暮らせどお膳を運ぶ音どころか足音ひとつしないので、
時間を伝えまちがえたのか、いや15分になったら電話してみよう
などと話していると、ようやくノックの音が。
はーい、と元気にドアを開くと、仲居さんが「お食事のご用意が出来ました。」とひとこと。
はい、はい、お待ちしてました。あ、こっちのふすま開けといたほうが運びやすいかな、
などと言いながら座敷に戻り、再び座って待っていると…。
不自然な間のあとに、ドアの向こうから困惑気味の仲居さんがさらにひとこと。
「あの、あちらの○○の間にお越しいただけますでしょうか。ご案内いたします。」
…なぜ、ふたりそろって部屋食と思い込んでいたのでしょう。
この旅で一番まぬけな瞬間でした。
いろいろありましたが、今回の旅でとても印象に残ったのは、
地元の方々がみなさん気さくで話好きでご親切だったこと。
雨が上がってよかったですね、というところから、なぜか俺は昔
腕ずもうが学年で一番強くてね、と話していたおそば屋さんのご夫婦も、
長居した帰り際に笑顔でドアを開けてくれた洋菓子店の店員さんも、
試食とは思えない大きさのピーナッツ入りどら焼きを勧めてくれた
和菓子屋の店員さんも、クリームパンとコーヒーロールとカスタード入りメロンパンで
うなっていたら、「後悔はさせませんから」とコーヒーロールを猛烈に推してくれた
パン屋のおばさんも、みなさん本当にあたたかかったです。
ピーナッツのおみやげを手に、またきたいね、いやぜったいこよう、と言い合いながら、
ふわふわと帰路についたのでした。