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2012/02/10

あの船は今…

Tweet ThisSend to Facebook | by 図書館スタッフ
新聞やテレビで目にした時はとても気になったけれど、その出来事が今はどうなっているのか、特に調べないまま放置しているニュースが皆さんにもいくつかあると思います。

そんな私の「ほったらかし案件」といえば、東京都品川区にある船の科学館が2010年9月30日をもって展示休止となることに伴い、展示公開を終了、無償譲渡先を公募することが発表された、青函連絡船「羊蹄丸」のその後についてです。

青函連絡船については、皆さんよくご存知のことと思います。簡単にその歴史を紹介しますと、1908年(明治41年)3月7日に、比羅夫丸が1日1往復で青森~函館間に就航したことにはじまり、最盛期は1972年(昭和47年)に青函間を28運航するまでになりましたが、1988年(昭和63年)3月13日、青函トンネル開通による津軽海峡線営業開始に伴い、廃止されました。

両親の実家が共に北海道にある私は、学校の長期休暇毎に、70年代の後半頃から北海道を訪れることが多かったのですが、その移動手段は、3時間位で羽田空港から札幌まで行ける飛行機ではなく、上野駅を夜出発し、青森駅まで寝台特急(たしか「はくつる」とか「ゆうづる」とかいう名前だったと思います)に乗り翌朝を迎え、連絡船で約4時間かけて函館に渡り、さらに特急に3~4時間乗って札幌駅に到着するという、ほぼ2日がかりの経路をとることが多かったものです。子ども(特に男子)は乗り物が好きですが、当時の私にとっても、この札幌までの移動はまさに大興奮状態が連続する時間で、寝台列車では一切寝ることなく車内を探検(実に迷惑な子ども)しました。当然連絡船でも、晴れた日はデッキに出て海を眺めたり、船内の各客室(じゅうたん席、いす席、グリーン指定席、寝台室があったと思います)をはじめ、船内をくまなく見てまわりました。

津軽海峡は、天気の良くない日はかなり荒れる海で、船が激しく上下左右に揺れていたこともありました。今なら酔い止めでも飲んで寝てしまうところですが、そこは子どもなので、まっすぐ歩けないことを面白がって船内の通路を何往復もしたり、食堂で「海峡ラーメン」(ワカメ、ホタテ、イカなど津軽海峡の海の幸満載の一品)のスープが船の揺れでこぼれそうになるのを、「どんぶりを傾けなくてもスープが飲める」などとはしゃいでいたのですから、無邪気なものでした。

そんな楽しい時間を過ごした青函連絡船でしたので、1996年から東京の船の科学館で羊蹄丸の展示が開始されて以来、何度も足を運びました。羊蹄丸は、1988年3月13日の最後の運航を務めた船で、白地にえんじの船体がとても美しく、現役時代に、私も何度か乗ることができました。

羊蹄丸は一体どうなったのでしょう。ヨミダス(オンラインデータベース)で調べたところ(以下読売新聞より)、9月25日付紙面に「無償譲渡に35件が名乗り出」たとありました。そして、11月9日付紙面で「愛媛県の産学官組織に譲渡先が決定し、船舶のリサイクル研究に利用される」ことがわかりました。さらにインターネット検索により、日刊工業新聞のホームページで、「2011年内にも新居浜東港までえい航され、12年4~6月に新居浜市の市政75周年事業の一環として一般公開される予定。その後、船舶の安全な解体や資源の再利用化を目指すシップリサイクルシステムの研究を目的に4カ月かけて解体する計画」との、12月1日付の記事を見つけることができました。羊蹄丸には、最後の役目をしっかり果たしてもらいたいものです。

現在、青函連絡船は、函館港に摩周丸(白地に濃い青)、青森港に八甲田丸(白地に黄)がそれぞれ展示されています。新居浜の羊蹄丸も含めて、久しぶりに会いに行きたくなりました。
最後に、稲城市立図書館が所蔵する、青函連絡船関連の資料を何点かご紹介いたします。ぜひご利用ください。

『さようなら青函連絡船』(683/ホ 第三図書館所蔵)
『海峡の記憶』(686.5 /シ 中央図書館所蔵)
『長声一発!/青函連絡船の旅路』(D683 /チ 中央図書館所蔵)※DVD
 
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