11月初旬に山梨に、温泉と紅葉を目当てに旅行に行った折、目に付いたことがあった。
それは、あちこちで干し柿用の大きな百目柿が売っていることだった。
訪れた恵林寺のあたりは、干し柿の名産地だったのだ。
大人になって美味しく思える食べ物がいくつかあるが、干し柿はその一つである。
急に干し柿作りたい!食べたい!と思い立ち、通りがかったJAの販売所で、柿を買うことにした。
何分初めてのことで、前知識も無いので、柿を選んでいる地元のおじさんに聞くことにした。
柿は大きいほど甘くて、美味しいこと。 柿は皮を剥いたら、熱湯にくぐらして消毒をすること。
5日目位から下の部分から順にもむ、このことで渋が抜け美味しくなることを教わった。
先達はあらまほしき事なり…親切に教えてもらって、美味しい干し柿が作れそうな気になってきた。
三角形の大きな百目柿を2袋買い求めた。数えると17個。
暖簾にはならないけれど、初めてだからまずこの位が適当と思い家路についた。
帰ってインターネットで作り方を調べ、おじさんの教えを思い出しながら、
集合住宅である我が家の環境で可能なところで作り始めた。
皮を剥いて紐でくくり、物干しに下げると中々良い感じ! 秋の風景になって嬉しくなる。
毎日帰って、干し柿の様子を見るのが日課になった。 もむ回数も心なしか多くなる。
気を使ったのは天候。 湿気はカビの原因になるとあるので、雨が降るたび家の中に入れた。
直射日光はダメと聞き、ヒヨドリに狙われると聞いたりするので、
大きなネットを前面に下げたりもした。
10日目で大分干し柿らしくなってきたので、一つ食べてみた。まだ干し上がる前だが、
中はねっとり柔らかく甘みがギュと濃くなっていてすごく美味しい! 大成功である。
まだ制作途中ではあるが、来年は百目柿を箱で取り寄せて、柿の暖簾を作ろう!と気を良くして
早くも来年のことに思いをはせているところである。