皆さんはNHKの連続テレビ小説「おひさま」、毎日ご覧になっていますか?
物語の舞台は長野県安曇野。
安曇野は私の大好きな、そして思い出の場所。
その豊かな自然環境からものづくりをする人が多く集まってくる場所でもあります。
そんな場所に静かに佇むのが「museum cafe BANANA MOON」。
画家の成瀬政博さんの私設美術館です。
美術館には画とそのコラムの文章が並べて展示されています。
言葉と画を共に追うと、期せずして涙が私の頬をつたっていました。
成瀬氏は『週刊新潮』の表紙画を描かれている画家さんです。
(現在の表紙画は私の愛するものと少しテイストが異なるのが少し寂しいのですが。)
『週刊新潮』のちょうど中ほどページに小さなコラムがあるのをご存知でしょうか?
タイトルは「表紙のはなし」。
週刊誌といえば少々下世話な話も多いですが、その中にオアシスのように
詩的な成瀬氏の世界が広がります。
彼は画家であり、詩人でもある、と私は思います。
その一部をご紹介。
「森の熊たちが冬眠するように、ぼくらも冬眠できたなら、どんなにいいかしら。
いっそのこと、地球そのものが、フトンかぶって眠ってしまえば、どんなにいいかしら。
目覚めた春の朝、お日さまの光のなかで、ぼくらはいっとうさいしょに何を感じて、
それからどんなにいい考えうかぶかな。
生きていること、死んでいくこと、たのしく思えて元気がでるかしら。
地球がフトンかぶって寝てみたら。」
(出典:『週刊新潮』/2011年2月10日号)
代表作は『SOUND OF MOON 月の音』(新潮社)
ちょっと違った週刊誌の見方ができるはず。