朝、目覚ましに、今は携帯のアラームを利用していますが、
ブルブルなる前に目を覚ますことができたらよい朝です。
ますます寒くなるこの季節、ぽかぽかの布団から脱出するのに5分ほど余裕をもたせ、
「もう起きなくちゃ。」「まだ大丈夫。あと1分はいける。」と逡巡しながら起きます。
まだ朝日が昇る前に暖房をいれ、我が家のサラリーマンのために朝食を作ります。
朝刊を取りに外に出て、薄暗い中天気を確認。
ともかく雨さえ降っていなければよい朝です。
途中すれ違う人にびっくりされないように、顔を猫のようにささっと洗い、
髪をとかし、ウォーキングに行く準備をします。
空気はまだひんやり。たちまち指先が冷たくなり、はく息も真っ白。
ウォーキングの途中で富士山が見られる所が二ヶ所ありますが、
この時期空気が澄んでいるので、晴れていれば真っ白な富士山がクッキリ。
清々しいよい朝です。
坂の多い道をぜいぜい言いながらウォーキング。
このコースで言葉を交わしたことはありませんが、顔馴染みが二人いて、
一人は私が秘かに「師匠」と呼ぶ人。
多分私よりお歳が上ですが、白のヤッケ・トレパンをはき颯爽と闊歩。スリムな体型は憧れです。
もう一人は「マラソンマン」。私と同じコースを逆に二、三周するらしく、
私がてれてれ歩いている間に二度あって、びっくりの時もあります。
前にタバコを吸いながら歩いているおじさんがいなければ、よい朝です。
そうこうしているうちに家に到着。
目と鼻の先の保育園に、園児が集まり始めています。
保育園児の中には、毎年一人はハスキーボイスの子がいて、しゃがれた声で
「お母さんいってらっしゃい。(母親 行ってきますね。)うん、いってらっしゃい。」と
何度も別れ惜しそうに言っています。
年端も行かない子のけなげなその声を聞くと、ほろりとするよい朝です。
洗濯機に汚れ物を突っ込んで、仕上がる間に朝食。
新聞をひろげ、とりたてて事件もなく、事故もなければまことによい朝です。
のんびりお茶をすすっていたら、もう図書館に行く時間です。
駅に着き、あせらず、騒がず、待たずに電車に乗れればよい日です。
出勤時間がずれているので、あまり混みこみの電車に乗ることはありませんが、
それでも席に座れれば楽な日です。
南多摩駅からとぼとぼ歩いて、川崎街道を信号につかまることなく横断できれば、
ラッキーな日です。
とろ坂を上り、なんとか図書館に着いて、シフトを確認して紺のエプロンをしてカウンターへ。
作業着を着た人が、いっぱい仕事をしてきた手で造園の本を返しながら
「ありがとう」と言ってくれました。
この本がこの人の幾分か役に立ったかなと思うと、司書のはしくれ(かなりはしくれの身)としても
うれしいよい日です。
あら、もう閉館の時間。
今日一日小さなよいで満杯になった、よい一日でした。