先ごろ来日なさったブータンの国王夫妻。
美しい民族衣装をまとった初々しいご夫妻の姿は、
多くの日本人に好意的に受け入れられた様だった。
ブータンでは「国民総生産(GND)より国民総幸福量(GNH)を」との考えを
憲法により裏打ちしているそうだ。
前王がGNHなる考えを打ち出してから、ブータンでは、日本を含む欧米先進国を研究してきた。
結果、GNDを延ばすという方向性で国づくりをしていくと、環境はボロボロになり、人の心は荒み、
文化は継承されなくなってしまうという結論に達した。
そこで、「国土の60%以上を森林に保つ」ことや「伝統文化を守る」こと、
「仏教的精神を大切にする」等が新憲法に織り込まれているそうだ。
「物質的豊かさから精神的豊かさへ」のスローガンは言いつくされてきたものの、
具体化するのは難しい。
それだけにブータンの取り組みは新鮮に感じられる。
美しい夕焼けを見るだけで幸せな壮大な気分になり、心の中までバラ色になる。
人の生きざまを見聞きしても大いに心が揺さぶられ、前向きな幸福を感じる。
故スティーブ・ジョブズ氏のスピーチにあった「ハングリーであれ」にも同感した。
いつももう少し、上を目指すチャレンジの状態に幸福を感じる時もある。
冷えた空気の中、温かい我が家に帰りつくことがとても幸福に感じるこの秋。