タイトル:ファミコンの思い出
著者:深田洋介/編
出版社:ナナロク社
請求記号:798.5/フ
我が家は夫と私の二人暮らし。
夕食が終わると、夫はおもむろにテレビのリモコン操作を開始します。
画面に出てくるのは本物そっくりの球場風景と本物そっくりの野球選手たち。
夫のバーチャルは、その中で夜毎大活躍です。
このままでは夫婦の会話がなくなってしまう!夫婦断絶の危機だ!何か団欒の材料を探さ
なければ!と慌てた私(ウソですが…)が見つけたのがこの本「ファミコンの思い出」。
ファミリーコンピューター(通称:ファミコン)が発売された1983年に、私たちは小学生でした。
それはもう、お祭り騒ぎです。
とはいえ、私の家は男兄弟がいないこともあってかファミコンの導入は遅く、1988年になって
からでした。所有していたカセットも「スーパーマリオ」「ゲゲゲの鬼太郎」「けっきょく南極大
冒険」「ドラゴンクエストⅢ」くらいだったと記憶しています。
それでも、マリオのカメを階段に連続してぶつけることで〈命〉(と私たちは呼んでいた)を大量
に増やしていく技に興奮し、自分が思っていた「ゲーム」とは全く異なるドラクエの深さに強く
魅了され、夢中になったのは忘れられません。
この本は、そんなファミコンソフトに関するそれぞれの思い出を集めて紹介しています。
「アイスクライマー」「サッカー」「いっき」「スペランカー」「ポートピア連続殺人事件」・・・。
私が知っているゲームも知らないゲームも夫は知っていて、それぞれの裏技や犯人はもちろん、
「体が弱くてすぐ怪我をする運動選手を『スペる』というのは、この『スペランカー』から来ている
のだ」という豆知識まで披露してくれました。(私は『スペる』って言葉自体知らなかったけど…
普通に使う言葉なのでしょうか?)
当時ファミコンにはまっていた方はもちろん、ゲーム自体はあまり知らなかったけれど時代の
空気は感じていたという方、私のように『子どもの頃からのゲーム好き』との会話材料を探して
いる方、などなど、きっとオーバー30のみなさまは、親近感を持って読むことが出来る本では
ないかと思います。
しかし今になって思うと、もっとファミコンで遊んでおけば良かったなあ・・・。
今でも入手できるのかしら…。
タイトル:ゴロツキはいつも食卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50
著者:福田 里香
出版社:太田出版
請求記号:778.0/フ ゴロツキはいつも食卓を襲う…このタイトルと表紙の絵だけで、私はもう手に取らずにはいられ
なかった。思えばテレビや映画で何度となく目にしているこのような「ステレオタイプ」な場面を、
こんなふうに理論的に分析してまとめた本が、今まであっただろうか。
少なくとも私はお目にかかったことがなかった。
章の始めで、作者は次のようなフード理論の三原則を提示している。
1、 善人は、フードをおいしそうに食べる
2、 正体不明者は、フードを食べない
3、 悪人は、フードを粗末に扱う
どうだろうか。これだけでも、身近なドラマや好きな映画に当てはめてみると、なるほどと思わず
うなってしまうのではないだろうか。
この三原則を踏まえたうえで、目次に注目していただきたい。
「マヌケは、フードを喉につまらせて、あせる」
「失恋のヤケ食いはいつも好物」
「絶世の美女は、何も食べない」
「古今東西、驚きは、液体をブッと吹き出すことで表現される」
「スプーンをかき混ぜすぎるひとは、心に悩みを抱えている」
どれもが、思わず「あるある」と言いたくなるような場面ばかりである。あの作品のあのシーンは
そういう意味だったのか、と納得することも少なくない。
このような例が50項目も挙げられているので、まずは気になったところから読んでいただくのが
おすすめだ。
漫画家のオノ・ナツメさんの挿画も、この理論をユーモラスにしかし的確に表現していて、
項目のタイトルと絵を眺めるだけでも十分に楽しめる。
ちなみに個人的な感想を言わせていただくと、14番めの「動物に餌を与えるひとは善人だ。
自分が食べるより先に与えるひとは、もはや聖人並みである」という項目の内容と挿画には、
深く感じ入るものがあった。
「食」の表現に興味のある方にはぜひ、手に取っていただきたい一冊である。