半年ほど前から、とある集団に熱を上げております。
活動としてはWebメディアと呼ばれるものらしく、動画の配信や記事の投稿、ゲームアプリなど多岐に渡っております。中には、テレビ出演されている方もいらっしゃいます。
私は文学作品を取り上げた動画をきっかけに、彼等の他の動画も見るようになりました。ここのところ毎日のように見ています。
メンバーの中に同郷出身の方がいる、というのも楽しみの一つです。
ある日、いつものように楽しく動画を見ていたのですが、驚くようなことがありました。
糸を結ぶ話の流れで、同郷の方が『米結び』と発言したところ、
「聞いたことない」
というようなリアクションを、その場にいた他の方々がとっていたのです。
え!? 『米結び』って標準語じゃないの?
『どどめ』が通じなかった時以来の衝撃を受けました(どどめは、桑の実の方言です)。
じゃあ、米結びって、何?
気になったので、とりあえず家にあった新解さん(新明解国語辞典のことです)で調べてみました。
……ない。
家にある電子辞書で調べても、ない。
これはもう、図書館のレファレンスコーナーだ!と、方言を含むいくつかの辞典を手に取ってみたのですが、ない。
もしかして、ものすごい一部の人だけが使っている言葉なのか、いやそんな、まさか……。
と、震えんばかりになった時に、見つけました。
『米結び』は、『小間結び』の方言だそうです。私の出身県が記載されていました。
『小間結び』も別の辞書で調べてみたら、図解されており、そうそう、この結び方!と、ほっとしました。
同じ県内でも、いくつか違う言い回しもあるようでしたし、他県の友人に聞いてみたら『固結び』という、との声も出てきました。
もうウン十年生きているのに、まだこんなことがあるんだなーと、地域独特の言葉の面白さを感じました。
余談ですが、件のメンバーのうち数名は、中央図書館に来られたことがあるのです。テレビ番組の出演で、撮影はまさにレファレンスコーナーで行われました。
当時、私はここまで夢中になっていなかったので、撮影当日は別のコーナーの書架で、汗水たらして働いていました。蔵書点検の日だったのです。
本当に惜しいことをしました。姿だけでも見ておけば……。
レファレンスコーナーの本は、館内閲覧のみの資料が多いので、ご注意ください。
調べ物がありましたら、撮影にも使われたレファレンスコーナーまで足を運んでみては。
【資料紹介】
・『新明解国語辞典 第八版 白版』 山田 忠雄ほか/編 請求記号:R813.1/ヤ 資料コード:612187571
・『新解さんの謎』赤瀬川 原平 請求記号:V914.6/ア 資料コード:610360177
・『日本国語大辞典 第二版』 小学館国語辞典編集部/編著 請求記号:R813.1/ニ 資料コード:610402517
・『広辞苑 第七版』新村 出/編 請求記号:R813.1/シ 資料コード:612012459
