小学6年生の娘が1年前から長野県で山村留学をしています。
娘はアウトドアが好きで、低学年の頃から週末には日帰りや泊りがけの子ども向けのイベントに参加していたので、娘も私も夫もその延長のような感覚でした。
説明会や現地見学会に参加して、「山村留学する!」と決めた娘は書類選考と面接を受け、晴れて合格通知を受け取った際は「なんて言っていいか、わからないくらいうれしい」と涙を流して喜んだそうです。(私は仕事で不在で、その瞬間には立ち会えませんでした。)
小学4年生から中学3年生まで20人弱で集団生活をしていますが、一人っ子の娘には兄弟姉妹がいっぱい出来たようなもの。
私達保護者にとっても他の子どもたちは甥や姪、スタッフや保護者同士は親戚のようなものです。
子どもたちが暮らす施設に行った時には「おかえりなさい」、帰る時には「いってらっしゃい」とスタッフが声をかけてくれるのも、そこは子どもたちにとっても私達保護者にとっても「いつでも帰ってくる場所」だから。
子どもたちはスタッフに見守られながら掃除や洗濯、食事作り、畑や田んぼ、薪作業、鶏のお世話をしながら地域の学校に通います。
子どもたちが使う食器は、陶芸家でもあるスタッフによる週2回の物作り教室で自分で作ります。
週末は子どもたちが企画してイベントをしたり、キャンプに行ったり登山に行ったりするので、平日も休日も忙しい毎日です。
「子どもが山村留学をしている。」と言うと、色々なことを言われます。
「寂しくないの?」「心配じゃないの?」「行くと決めたお子さんもすごいけど、送り出したお父さんお母さんもすごい!」等。
寂しくないわけではありません。心配してないわけでもありません。
でも娘から電話がかかってきますし、月に1・2回は学校行事や施設のイベント等で会いに行っています。
スタッフから電話やメールで連絡がくるので、離れていても様子がわかります。
こちらに住んでいたら出来ない経験をいっぱいしていますし、娘の人生観が変わるほどの経験も出来るかもしれない。
一緒に暮らす仲間やスタッフ等、多くの人との出会いもあります。
スタッフや他の子どもたちから話を聞くと、娘は整理整頓が苦手だったり、洗濯物を溜め込んだり、学校の宿題を溜め込んだり、「あちゃー」と思うこともあります。
日々の活動には積極的に参加し、頑張り過ぎて疲れてしまうこともあるようです。
一緒に暮らすお兄さんお姉さん、スタッフ、学校の先生方に見守られ、娘の世界観が広がっていることや成長を感じます。
私と夫も、子どもたちやスタッフ、他の保護者と一緒に色々な経験をさせてもらっています。
思い切って送り出して良かった…!と思います。
山村留学は1年単位なので、3月末が区切りとなります。
娘は来年の4月から中学生になりますが、長野の中学校に通うのか、こちらに帰ってきて通うのか。
娘の決断を待ちつつ、今は長野通いを楽しもうと思います。
写真は昨年、娘が作ってくれたマグカップとお茶碗。
マグカップは子どもたちとスタッフで育てて収穫した稲の藁の灰を使った釉薬が、お茶碗はリンゴの木の灰を使った釉薬がかかっています。
お茶碗の底には本の絵が描かれています。
「お母さん、本が好きだから。」
さすが娘、よくわかっています。
