書店に立ち寄るとついチェックしてしまうのが、
レジ周辺に置いてある各出版社のPR誌です。
大きさはだいたいがA5判で100頁前後の小冊子ですが、
内容は自社の出版物のPRや書評をはじめとして
インタビュー・対談・小説・エッセイ・評論・漫画と多岐にわたっており、
たいへん読み応えがあります。
そもそもPR誌を意識的に読み始めたのは、
大学の講義で「新しい知見はこういうところにある」と紹介されたことがきっかけです。
第一線で活躍する研究者が、学術誌ではなくPR誌に研究のヒントがあると述べたことに
驚いたものですが、そこで取り上げられた著作がまたとても面白く、
本の紹介にとどまらないPR誌の実力に驚かされました。
それ以来PR誌チェックが書店に寄る愉しみのひとつになっています。
ちなみにその時講義で取り上げられたのは、
岩波書店の『図書』に連載されていた「縦書き・横書きの日本語史」(屋名池誠著)で、
後に『横書き登場 日本語表記の近代』として岩波新書にまとめられています。
(こちらは中央図書館で所蔵しています。)
各社の個性がよく表れる誌面の中でも最近のお気に入りは、
みうらじゅん&いとうせいこうの「見仏記 ぶらり旅篇」が毎月待ち遠しい、角川書店の『本の旅人』。小沢昭一氏の写真が発する表紙の力に、思わず手にとり集めずにはおれない筑摩書房の『ちくま』。
年一回の充実した読書アンケートが、新たな読書へと向かわせてくれるみすず書房の『みすず』。
などなど。
図書館でもいくつかのPR誌を読むことができます。
興味をもたれた方はぜひご覧ください。
稲城市立図書館で所蔵している、出版社のPR誌
『一冊の本』(朝日新聞出版)
『書斎の窓』(有斐閣)
『青春と読書』(集英社)
『ちくま』(筑摩書房)
『図書』(岩波書店)
『波』(新潮社)
『本』(講談社)
『本の旅人』(角川書店)
『本の話』(文藝春秋)
『みすず』(みすず書房)
『未来』(未來社)
『UP』(東京大学出版会)