今年も城山公園のサンシュユの木が黄色い花を咲かせ始めました。
春の訪れを感じさせる出来事は様々ありますが、
近年はこの花を見ることが一番の春の徴となっています。
寒さが苦手な身としては、
寒い冬を経て次第に暖かくなっていく過程だけでも十分心が浮き立つのですが、
この時季もう一つ楽しみにしていることがあります。
早いものでは年明け頃から、春先にかけて、
主に前年刊行された作品を対象に、
その年のベストを選ぶ企画が続々と発表されることです。
選ばれた作品を見て、これも読んでいなかった、あれも読んでいなかったと、
読書意欲をかきたてられる良いきっかけとなっています。
特に最近は、読み手の側から選ばれる魅力的な「大賞」が増えているように思います。
例えば「本屋大賞」。こちらはご存じの方も多いかもしれません。
小説作品を対象に、書店員の投票によって大賞作品などを決定しています。
昨年は大賞となった『舟を編む』(三浦しをん著 光文社)が話題を集めました。
私自身もこの賞で『舟を編む』を知り、購入したその日に一気に読了しました。
今年は4月9日に発表されるようです。
個人的にもっとも楽しみにしているのが、
紀伊國屋書店が行っている「紀伊國屋じんぶんや大賞」です。
これは人文書を対象に読者アンケートによってベスト30を選定するもので、
2012年は『哲学の起源』(柄谷行人著 岩波書店)が1位に選ばれました。
人文書と言えば地味な印象を受けるかもしれませんが、
時代を超えて読み継がれていく書籍が選ばれていると思います。
児童書では、白泉社から刊行されている雑誌『MOE』が、
「絵本屋さん大賞」を選定しています。
絵本専門店や書店の児童書売り場担当者のアンケートにより、
その年に最も支持された絵本30冊を選定するもので、
2012年は『あさになったのでまどをあけますよ』(荒井良二作 偕成社)が1位に選ばれました。
書籍以外でも、音楽ファンとして楽しみなのが、
過去一年間に発表された作品を対象に、
全国のCDショップ店員の投票で各賞が選ばれる「CDショップ大賞」です。
第5回目を迎える今年の大賞の発表は3月7日です。
発表時期は少しずれますが、
雑誌編集長・書店員が選ぶ「雑誌大賞」はとてもユニークに感じました。
昨年9月に行われた第4回「雑誌大賞」グランプリは、
「大友克洋の衝撃」を特集した『芸術新潮』2012年4月号(新潮社)が選ばれました。
ちなみに、稲城市立図書館では大賞の選定はしていませんが、
毎月スタッフがおすすめの本・CDなどをブログでご紹介しています。
また、中央図書館ではブログでご紹介したおすすめ本を集めた展示を行っています(3月24日まで)。
中央図書館へお越しの際は、展示コーナーにもお立ち寄りください。
※各大賞の情報につきましては、主催者のWebサイトを参考にさせていただきました。
受賞作品やノミネート作品を確認することができますので、
興味を持たれた方はぜひご覧ください。