我が家の老犬マリアンが逝きました。
寝たきりの4ヶ月でしたので覚悟はありましたが、一家で相当にへこみました。
ゴールデンレトリバーの彼女は、ゴールデンの気質そのものの、実に気の良い犬でした。
その我慢強さにおいても、見上げたものがありました。
よくひとりで大きなため息をついていたことを思い出します。犬がですよ!
最初のころ、娘のため息と勘違いしたことがなつかしく思い出されます。
こちらの言葉を正確に理解しましたし、彼女の表情が豊かなため、
意志の疎通に困ったことは殆どありませんでした。
そしてその彼女が一番慕っていたのは、夫でなく娘たちでもなく、なんとこの私でした。
生後2ヶ月で母犬の元から我が家にやってきたため、
私たちは乳幼児と母親の関係を10年以上ずっと続けてきたような気がします。
彼女は常に私をみつめていて、動きを目で追いましたし、
家の中で移動すれば必ず後を追ってきました。
トイレに入れば扉の前に、入浴すれば洗面所扉の前に、
2階に上がれば階段下の廊下に、必ず伏せ状態の彼女がいました。
いわば我が家の三女ともいえる彼女の思い出を語ると尽きませんが、
長いようで短かった10年間、毎日、忠実にお留守番をつとめ、
家族への癒しを与え続けてくれたことに心から感謝したいと思っています。