ここ一年ほどを振り返ってみると、いろいろな場所に足を運んでいました。
舞台を観に行ったり、謎解きのイベントに赴いたり、公開収録、ライブ、ミュージアム等々。
小さい頃見ていたアニメの記念展示というのもありまして、百貨店で催事場の一角がその場にあてがわれていました。設定資料や当時のアニメの映像が公開されており、懐かしさに大興奮でした。とりわけ印象に残っているのが、会場出口に設置されていた来場者が一言書き込めるコーナーです。わー、こんなに熱い思いを持った人たちがいたんだ、と驚かされました。
当時、田舎の片隅でひっそりとその作品に夢中になっていた私は、周りに共有できる人もあまりいなくて、情熱を持て余しているくらいでした。が、同志はたくさんいたのです!
今では、インターネットにより、世の中の反響というものが見えやすくなってきました。SNSを介せば、個人の意見を知ることも出来ますし、面識がなくともやり取りが可能になりました。逆に、様々な意見に振り回されることも多くなってきたように思います。
小さかった頃の私は、自分なりのやり方で、好きだという気持ちを膨らませていました。手に入れられた情報やグッズも、どれほど大切にしていたことか。
それが、今やどうでしょう。コンテンツの多さに対して、自分の余白が狭すぎる!読みたいものも、観たいものも、聴きたいものも絶えず流れ込んできます。旧作だろうと、新作だろうと!
他の人の動向も気になり、行ける限りは行き、手が届くものは手に入れねば損なのではないかという、よくわからない焦燥に駆られたりもします。
そのためここ最近、足を運ぶ場所も増えていたのです。ライブに行ったり、イベントに行ったりと、応援している方々もいます。配信は連日のようにされ、グッズは増え続け、無料の部分だけでこんなにも!と、供給は止みません。
日々の糧です。
ありがたい。ありがたいのですが、なにぶん、おのれの財力と時間と体力と気力が追いつきません。
確かに、今好きなものは、インターネットという恩恵がなければ好きになっていなかった部分も大きいのですが……。
消化しきれないものは溜まる一方です。あのアニメ作品が好きだった頃の自分から見てみると、随分遠くまで来てしまいました。今一度、現実世界で手の届くものを大切にしてみようかしら。あの頃を思い出して。
しかし、働いている場所が場所なので、読みたい本は際限なく増えてゆきます。
日々、業務をこなしていく中で目に入るそばから、読みたくなります。
積読は厚さを増し、読みたい本のリストは長くなるばかり。
止めどなき欲。如何せん。
【資料紹介】
・タイトル:『きいろいばけつ』
責任表示:もりやま みやこ
請求記号:91Y/モ
資料コード:610217368
コラムを書く中で思い浮かんだ本です。