| 2012/06/06 | スタッフのおすすめ本!(6月) | | by 図書館スタッフ |
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書名:小公女
著者:バーネット 高楼 方子/訳 エセル・フランクリン・ベッツ/画
出版社:福音館書店
請求記号:933/バ
高楼方子さんが訳された「小公女」が出版されました。子どもの頃読んだことがある、アニメで見た
という方は多いと思いますが、もう一度読んでみませんか?
私は久しぶりに読みましたが、子どもの頃はセーラの印象しかなかったのに、今読み直してみると
セーラはもちろん、アーメンガードやベッキー、ミンチン先生等々、登場人物がみなとても個性的で、
とてもいきいきと身近に感じました。
みなさんも子どもの頃に読んだ本を大人になって読み直してみて、新たな発見をすることはありま
せんか?
もちろん、子どもの感性でありのままに受け入れることができる頃に手に取ってほしい本ですが、
おとなでも十分楽しめます。
訳者の高楼方子さんは、この作品を4年の歳月をかけて翻訳されたそうです。「翻訳作品を読むこと
は、窓ガラスを通して風景を見るようなもの。だからできるだけきれいなガラスでくっきりと『小公女』
をえがきたかった。」という言葉通り、1905年に世に出た“小公女セーラ”は100年以上経った今
でもいきいきとしています。
挿絵は1905年にニューヨークで出版された初版本から採ったものだそうです。
こちらもすてきです。ぜひごらんください。
書名:ねにもつタイプ
著者:岸本佐知子
出版社:筑摩書房
請求記号:914.6/キ
なんとも魅力的なタイトルでしょう?
大いに身に覚えのある私は、大いにこのタイトルに共感し、「こういう本をこの私が読まずして
何とする!」という気分になって、即行で借りて帰りました。
ところがあとがきにはこうあります。「タイトルがタイトルだけに、たまに『そうなんですか?』と
訊かれたりするのだが、けっして私本人がいろいろなことを根にもつタイプの人間だというわけ
ではない。たぶん。」
……あれ?話が違うじゃないか(-”-;)。ご同類だと思って親しみを持ったのに…。
この本は914.6(評論.エッセイ.随筆)に分類されていますが、内容は、ちゃんとちゃんとの随筆も
あれば、エッセイとも小説ともつかぬ奇妙な味わいの文章もあり、なのです。うかうかと読んで
いると、見慣れた日常とはどこか違う、どこかがちょっとずれたおかしな世界に引きずり込まれ
てしまったことに気がついて、少し慌てたりします。
この本の中で個人的に一番好きなのは、「たとえば、こんな経験はないだろうか。」で始まる
『星人』という一文です。ざっとご紹介しますと…
“こんな経験はないだろうか。
あなたは、友人と友人の恋人と3人で食事に行く。会食は楽しく進行する。ところが食事のあと、
どういうわけかあなたは2人とはぐれてしまう。いくら探しても2人は見つからない。あなたは不思議
に思い、そのことを別の友人に話す。するとその友人は「そんなこともわからないの?」と呆れたよう
に言う。もしもその手のことがあなたの人生においてたびたび起こるようなら、そしてそのために
あなたがなんとなく人生というものにしっくりこない感じを抱いているとすれば、それはおそらく
あなたが「気がつかない星人」だからなのだ。”
私は思わず「そうだったのか!!」と膝を叩きました。そうだそうだ、そうだったんだ、私も…。
そして結びはこうです。
“私は、いつか自分の星に帰る日を夢見ている。そこでは誰もが「気がつかない」ばかりか、
気がつかないほど愛されるのだ。そこはきっと、緑したたる美しい星にちがいない。”
……なんだ、やっぱりおんなじだ(^0^)。
身に覚えのあるご同類のみなさん。ぜひ、この奇妙な味わいを堪能してください。そして共に
分かち合いましょう。