| 2011/08/07 | スタッフのおすすめ本!(8月) | | by 図書館スタッフ |
|---|
書名:神の子どもたちはみな踊る
著者:村上春樹
出版社:新潮社
請求記号:913.6/ム
どう考えても理不尽としか思えない現実に直面した時、
人間はそれをどう受け止め、どう立ち直っていったらいいのだろうか。
例えば自然現象による大きな災害がもたらす甚大な悲劇。
思いもよらないことが現実に起こってしまった時、当たり前だと思っていた日常が
ある日突然に、一瞬にして崩れ去ってしまう時。
この短編集は登場人物みなが、1995年の阪神大震災に関わりをもっています。
収録作品は「UFOが釧路に降りる」「アイロンのある風景」「神の子どもたちはみな踊る」
「タイランド」「かえるくん、東京を救う」「蜂蜜パイ」の6つです。
「UFOが釧路に降りる」では“自分が圧倒的な暴力の瀬戸際に立っていることに思い当たる”
主人公の小村。
「タイランド」では、30年間一人の男を憎み続けたさつきが
“ある意味ではあの地震を引き起こしたのは私だったのだ。”と振り返る。
「かえるくん、東京を救う」では、神戸の地震によって深い眠りを破られた“みみずくん”が怒って、
今度は自分が東京の街に大地震を引き起こしてやろうと考える。
そして信用金庫に勤める片桐は、かえるくんと共にその地震を阻止する役目を担う。
“最高の善なる悟性とは恐怖を持たぬことです”とのニーチェの言葉をはじめ、
引用される言葉の数々が胸の内にストンとおさまる気がします。
短編の一つ一つの作品に作者のメッセージがギュッと濃縮されています。
副題は「地震の後で」その1~5とあり、過去に『新潮』に収録されたもの。
最後の「蜂蜜パイ」がこの短編集のための書き下ろしとなっています。
書名:あさがお
作・絵:荒井 真紀
出版社:金の星社
請求記号:E4/ア
小学校の夏休みの宿題といえば、アサガオの観察日記をつけるというのが
昔の定番だったようですが、今でも行われているのでしょうか。
荒井真紀さんのこの絵本は、とても美しい細密画で描かれた、
大人も思わず手にとってしまいそうな一冊です。
美しい絵だけでなく、アサガオの咲かせ方、成長の様子など、
大きな絵でわかりやすく描かれています。
子どもの手にも小さな小さな種から小さな小さな芽がでてきて、淡い緑のふた葉をひろげ、
天に向かってつるを伸ばし、やがてソフトクリームのようなつぼみがふくらんで、
赤や空色のかわいらしい花を咲かせる。そして枯れるとまた小さな小さな種が・・・。
本棚にそっと置いておいて、ときどき読み返してみたい、そんな絵本です。
個人的な話ですが、私の家ではアサガオで緑のカーテンを育てています。
一階の庭から二階のベランダまでびっしりと伸びたアサガオたちは、午前中二階から
見おろすと、色とりどりの鮮やかな花を見せてくれます。
赤、青、空色、ピンクに紫。
たくさんのやさしい笑顔に会っているような、そんな気持ちにさせてくれます。