2013/10/01 | 本にまつわる恥ずかしい記憶集 | | by 図書館スタッフ |
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【その1】
小学生の時、友達が貸してくれた本を、水飴を舐めながら読んでいたら、
ぼとりっと水飴を落としてしまった。「ぎゃー!」と思ったが、ページを舐めてみたら、
意外と綺麗になったので、ぺろぺろと念入りに舐め、何食わぬ顔で返したところ、
後日「水飴落としたでしょ」と指摘された。もう、30年近く会っていないが、
忘れていてくれますように・・・。
【その2】
中学生の時、図書館から借りた本を、とある理由から、さりげなく背表紙を奥にして、
本棚においておいたのだが・・。
遊びに来たずいぶん年上のいとこが「なんで反対にしてあるの?」と、スッと取り出し
『ビックリ美人になる仙術』という題名を見て、あ、悪かった・・というふうにいかにもさりげなく
戻した時のあの気まずさ。題名を今でも覚えている位、思い出深い出来事である。
ちなみに、「どくだみを塩もみして鼻の穴に入れると、蓄膿がズルズル出てきて、
鼻が高くなる」仙術は、本気で試してみました。鼻の高さは・・変わりませんね。
【その3】
これは、数年前。
三浦しをんの『風が強く吹いている』を出張帰りの電車の中で読んでおりました。
クライマックスに差し掛かり、これはまずいのではないか・・と予感がしたのだが、
今更やめることもできず(クライマックスなので)、読み続けたところ、やはり予想通り
涙がこらえきれず・・。しかも、まずいことに隣に幼稚園ぐらいの女の子が座っていて、
ワタクシの涙をヒタと見つめているのである。大人は見て見ぬふりしてくれるのだが、
もうなんていうか「かぶりつき?」で見つめられている感じ。私も女だ、ここまで来たら、
泣くしかあるまい! 滂沱の涙を流しながら、クライマックスを一心不乱に読み切りました。
私の生活の傍らには、いつもいつも本がありました。人生も後半に差し掛かりましたが、
まだまだ、本にまつわる思い出は増えていきそうです。今度は、恥ずかしい記憶ではなく、
美しい記憶をお話しできるように頑張ります。