2010/11/22 | 「センス オブ ワンダー」! | | by 図書館スタッフ |
---|
初めて会う人が自分と同じような価値観を持つ人かどうか、
そして気が合うかどうか、すぐにわかった、という経験があります。
以前住んでいた町で、こんなことがありました。
私が所属していた「おはなし会」の月一度の定例会では、
絵本の情報交換や語りの練習、読み聞かせの報告反省などをしています。
そこに入会希望の方が見学にやって来ました。
彼女は読書が大好きで、子供たちが小さい時にはよく一緒に絵本を読んだそうです。
私たちはぜひにと入会をおすすめしました。
彼女 「大好きな本は、星野道夫の本と」
ふうん、なるほど。私たちも好きだぞ。
彼女 「それからレイチェル・カーソンの『センス オブ ワンダー』」
私たち自身もびっくりしたことに、そこにいた5人全員が、自分の本棚にこの本を持っていたのです。
なんという偶然でしょう!その瞬間、彼女はもう私たちの仲間でした。
ほかに何も聞かずとも、同じ本を愛しているとわかっただけで充分でした。
私たちは時間も忘れておしゃべりを楽しみました。
読書好きなら、星野道夫を知っている人はいるでしょう。
レイチェル・カーソンを知っている人もたくさんいるでしょう。
でも『センス オブ ワンダー』に感動して、買って自分の本棚に持っている人は少ないでしょう。
類は友をよぶ、ということわざがありますが、あまりにもワンダーな類友でした。
たった一冊の本が、初対面の人を仲間かどうか教えてくれること、
心をつなげてくれることが、本当にあるのですね。
私はいま引っ越して遠くの町に住んでいるけれど、
このおはなし会のメンバーはいつまでも大切な仲間です。
『センス オブ ワンダー』 レイチェル・カーソン著
『Michio's northern dreams』全5巻 星野道夫著
『めぐる季節の物語』 星野道夫著