大晦日から娘が熱を出していた。
37℃ 38℃ 39℃ 熱は下がることなく迷いも見せずにあがっていく。
熱だけだからとのんきに構えていた私も、ちょっといつもと違う様子に、不安を持った。
元日の午後になって、とうとう本人が病院に行くと言い出した。
地元の広報を見て、休日診療医を探し、タクシーで駆けつけた。
診断は、インフルエンザA型だった。
タミフルが効かないインフルエンザも流行っている中、
幸いにも、処方された薬を飲んだとたん、すとーんと熱が下がった。
娘は成人だが、タミフルを飲んだ後、高いところから落ちたり、
何者かに追いかけられたりと、恐ろしい夢を見たとの事。
効き目が強い薬だけに、副作用も強いのだろう。娘は文字通り寝正月であった。
娘の病気が一段落した頃、家の洗面所の配水管の具合が悪くなった。
どうやらインフルエンザの粘着力が強い痰が、
掃除の行き届かなかった配水管を直撃し、詰まらせたようだ。
自宅にあった〇〇丸や清掃用粉末を入れてみたが詰まるばかり、
知り合いのベテラン主婦に教えられた「強力〇〇」なるものを購入して、
粘つく液体を2度ばかり注入したところ、ゴボゴボとすごい音とともに開通した。
それにしても、大掃除をしなかつたツケが、こんな形で出てくるとは…
月が替わって、私は、いつもの電車に乗り込み、鞄から読みかけの本を出した。
“えっ” “何がぶらぶらしているの?” “うわぁ”
肩かけ鞄の持ち手が一箇所取れている。いつもパンパンに入れられた鞄の持ち手が、
重さに耐えかねたらしい。満員電車の中でそぅっと抱え、まずは職場に。
どう見ても直せるはずもなく、いつもの靴修理店に持っていって直してもらったが、
いまでは、やっぱりパンパンになっている。
我が家のさえないできごと3話、これからは良いことが続いてくれるかな…。