| 2013/11/11 | スタッフのおすすめ本!(11月) | | by 図書館スタッフ |
|---|
書名:プラテーロとわたし(Platero y yo)
著者:ヒメネス,ファン・ラモン /伊藤武好・伊藤百合子訳
出版社:理論社
請求記号:961/ヒ
『プラテーロとわたし』は、原題もそのままスペイン語で "Platero y jo (Platero and I)"というシンプルなものですが、
「プラテーロは、小さくて、ふんわりとした綿毛のロバ。その瞳のきらめきは、かたい黒水晶のカブト虫のよう。」
と始まるスペインの詩人ヒメネスの作品です。散文詩と呼ばれる形式だそうですが、全138篇にわたって、ロバのプラテーロに向かって優しく語りかけていきます。
「ごらんプラテーロ。ほら、こんなにバラの花びらが降っているよ。青いバラ、白いバラ、何色ともいえないバラ、、、。まるで、空がくだけて、バラになってしまったようだよ。」
このように相棒であるプラテーロに向かって独り言のように、スペインのアンダルシア地方を背景に、その自然の美しさ、人々の優しさ、何気ない日常の生活、そして、偏見や、理不尽な死、貧しい人々、といった哀しい光景をも穏やかに語りかけるのです。
『プラテーロとわたし』は、1917年にスペインで最初の完全本が出版されてから、多くの言語に翻訳されています。日本では岩波文庫の他にいくつか訳本が出版されています。
『プラテーロとぼく』という児童向けの版もあるように、かわいいロバに優しく語りかける作品であるところから子ども向けのように思われますが、あとがきなどでその書かれた背景を知ると、ヒメネスの故郷を想う気持ちが色濃く反映された作品であることがわかります。
彼は執筆を始めた頃、精神を患い療養のためマドリードから故郷のアンダルシアに戻るのですが、愛するロバとともに山野や町に出かけるうちに癒されてゆきます。
健康を回復し、再び執筆を始めた彼は、後にノーベル文学賞を受賞しています。
図書館所蔵
「プラテーロとわたし」(岩波文庫)長南実訳 岩波書店 V961/ヒ
「プラテーロとわたし 秋・冬」(フォア文庫) 理論社 961/ヒ(児童)
「プラテーロとぼく」 長南実訳(岩波少年文庫) 岩波書店 961/ヒ(児童)
書名:アンソロジー カレーライス!!
著者:阿川佐和子
出版社:パルコエンタテインメント事業部
請求記号:914.6/ア
昔のカレーライス、と聞いて思い出すのは、
家で作るカレーは、カレー粉と小麦粉を炒めてルーにしていた。
・今も凝る人はいるけど、昔はカレー粉しかなかったんだね。
時間が経つと、カレーにうっすら膜が出来てしわになった。
・そうそう。カレーが冷めてくると膜が張って、しわしわになったもんだ。
コップの水(お冷や)にスプーン(匙)を入れてから食べた。
・誰が初めに考えたんだろう。
はたまた、ライスカレーかカレーライスか。
・昔はライスカレーって注文した大人が多かった。でも今は聞かないなぁ。
さて、上記に共感出来る方、なかなかの良いお年頃と推測いたします。
本書は、豪華な著名人33人の、それぞれに思いを募らせているカレー談義を集めたものです。
時代も背景も違うのに、カレーに寄せる思いが同じように熱いのが面白いところです。 ある著者は、ご自分の作るカレーのレシピを載せています。
グルメでも知られ食の随筆も多く、この方のレシピで作ったカレーはさぞやおいしいだろうと、私は憧れのあまり涙目になりました。
また、辛くなければカレーじゃないとのことで、よく食べに行ったのは○○屋の辛いカレーライスだ、と挙げている方が多いのには、驚くと同時に頷けます。
レトルトカレーの味比べをした結果も載っています。
現在は、もっとたくさんの種類が出ているので当時とは違うと思いますが、
何種類ものカレーを少しずつでも食べ比べるというのは、難儀なことだったでしょう。
そして冒頭にもあげた、ライスカレーかカレーライスか、の論議もそれぞれ面白く、 どっちでもいいよ、という選択もあるとのこと、ちょっと心が落ち着きました。
お好きな作家さんからでも、どこから読んでも楽しめます。
私はこの本を手に取った時、思わず本を鼻先に持っていってしまいました。
いい香りがするんじゃないかなって。
どうぞ一度手に取って、お確かめください。
今夜はカレーライスにしましょうか。