ある俳優さんのファン歴１０年以上になります。


その人は大学劇研→舞台→映像というように
活動を広げていった人で
私が心打たれたのは舞台を観にいってのことでした。


これまた大好きな舞台俳優さんの恋人役で、
天使のような心のきれいな役。
三人芝居の心温まるお芝居で、
今でもいくつかの台詞やラストに舞う紙ふぶきが胸に残っています。


天使のような人ってそんなに会うことがないし、
（どこか現実離れしたかわいい役だったのです）
それを自然に魅せるというのはとても難しいと思うのですが
舞台上のその人は、
本当に隣にいてくれたらどんなにいいかと思うほど
いきいきと魅力的でした。


それから、その俳優さんは朝ドラに出て、
大河ドラマに出て・・・
その演技力と存在感がだんだん評価され始めました。
「私の目に狂いはなかった」
そんなありがちな自己満足を抱きながら応援していましたが、
それでもまだ世間の認知度はやや低い。
名前をだしてもパッと反応してくれる人はあまりいませんでした。


けれどだんだん映画や連続ドラマの出演が増え、
下の方にあった名前が３番目になり、２番目になり・・・
あれよあれよというまに主演作が続くように。
そして今年放送された主演ドラマは大ヒット。
いまやＣＭが流れない日はありません。


そうなると、この活躍がとても嬉しい反面、
ある種の寂しさを感じてしまう自分がいます。
地方でしかやらない舞台を観に一人旅した、
路上でサインをしてもらって大騒ぎした、
次回作を待ちわびて検索ばかりした、
いつ流れるかしれないＣＭを録画したくてテレビにかじりついた、
なつかしきあの日々よ・・・


ファンとは勝手なものです。


もちろんもちろん、
毎日好きな人が観られる今はとても楽しい。
ご本人にとっても喜ばしいにちがいない。
素直にこの大活躍に拍手を送り、
ブームの波にのってますます応援に力をいれる
ぶれないファンでいたいものです。