タイトル:『
休むヒント。』
責任表示:群像編集部/編
請求記号:914.6/グ
資料コード:61239540-2
休みたい、だけど休めない。。
この言葉がここ数年ずっと自分の頭の中でぐるぐる回ってている。一番下の子が乳児から幼児に成長し、少し子育てに余裕が出てきたと思って仕事も再開したが、子どもが成長するに連れてまた別の忙しさが襲ってきた。仕事の事、家の事、子どもの習い事、受験、親の事、年々新たな忙しさが積み重なっていき、「なんで今年はこんな忙しいんだ、こんな事なら去年やっておけばよかった。」と思うことが多くなる。そして、その結果、年々何か諦めていくものが増えていく。
近年こんな状態の私がおもわず手に取ってしまったのが、この本『休むヒント。』だった。
角田光代さん、益田ミリさん、伊沢拓司さん…小説家からエッセイスト、声優、芸人まで、色々な人が休みたくて、休めなくて、試行錯誤しているエッセイ集だ。年代も幅広く、20代から80代までの30人以上の人が思いのままの休みについて書いているので、うんうん、そうだな。と同調できる考え方もあれば、ん?結局よく分からないな。と思うのもそれぞれで面白い。最初からきちんと読む必要はない。好きなところから、同調できる人のものを読めばいいと思う。
何より、みんな共通するのは忙しい日本人だ。
本を読みすすめながら薄々気づいていたが、休みたいと言うものの、そもそも自分は休む事が苦手だと思う。思えば、よく母に「あなたは本当に、マグロみたいに生きてるね。マグロでも少しは休まないと。。」と呆れながら言われていた。回遊魚のマグロは常に泳いでいないと生きられない、寝るときでさえ泳いでいる、と聞いたことがあるが、自分も似たようなものなのかもしれない。休みたいと言いつつ、予定が空けばすぐ別の予定を入れて、気持ちが切り替わり、新しいモチベーションにつながる。自分と似たような人種をこの本の中に見つけながら、自分の休むヒントをもらった気がする。
ずっと泳いでいるマグロだって、急いで泳ぐ時と、ゆっくりだらだら泳ぐ時があるに違いない。