書名:『それからはスープのことばかり考えて暮らした』
著者名:吉田 篤弘
出版社:暮らしの手帖社
請求記号:913.6/ヨ
中央図書館所蔵コード:610918040
とても素敵な書名ですが、スープのレシピが書いてある本ではありません。スープにまつわるエッセイ集でもありません。人生が変わるようになるサンドイッチに出会ってしまった青年大里(オーリィ)君(年齢不詳、彼女?職無し、趣味は古い映画を観ること)の物語です。
路面電車が走る郊外の町に大里君が引っ越してくるところから話は始まります。その町の小さなサンドイッチ屋さん「トロワ」。店主が安藤さんなので(アン・ドゥ)「トロワ」というおやじギャグな店。(もう一つ、安藤さんにとって三度目の仕事という理由も)特別な材料を使うわけではないけれど、当たり前にでも丁寧に心を込めて作りたてを出してくれるお母さんの味のサンドイッチに大里君は惚れ込んでしまい、毎日通ううちに「トロワ」で働くようになり、さらに新商品スープの開発をまかされます。安藤さんをはじめ、安藤さんの息子のリツ君、大家さんのマダム、映画館でよく会う緑色の帽子のおばあちゃんたちとの日々がゆったりと描かれます。
平凡だなぁと思う日も丁寧に心を込めて生きていくと「トロワ」のサンドイッチみたいに特別なものにすることができる、そんな気持ちにさせてくれます。