多摩川のそばにある鯛焼きやさんにいきました。
今年の春に見つけて、時間の都合で訪問できなかったお店です。
見た目は、古くからやっている風のちいさな甘味処。
引き戸には、「たいぶろぐ」でお店が1位になったという、なにかの雑誌の記事がはってあります。
(たいぶろぐとは、いろんなところの鯛焼きを食べているブロガーさんの訪問記のようです)
記事によると、2位はわたしの母校のそばの鯛焼き屋さん。確かにあそこはおいしかった。
ということではずれはなさそう!いつか食べたいなと思っていました。
しかしその後、そばを通る時はいつもお店がしまっているか、じぶんがいそいでいるか、
が続いて… 発見から半年たってやっと、先日訪問しました。
月曜日の12時前。
「鯛焼き」ののぼり旗が出ているのでだいじょうぶかな、とお店に近づくと、ガラスのむこうには、
半年前にもいらした、ちいちゃなおばあちゃんがお一人、鯛焼き器(機?)の準備をしているようです。
「たいやきありますか?」ときくと、「ああはい、いまあけたところで、ちょっと時間かかるけど
いいかしら。」とのこたえ。きくと5~6分とのことなので、おねがいしますというと、
お店の中にどうぞと案内されました。
壁にはられた「いそべ焼き」などのお品書きや折り紙飾りを見ながら、おばあちゃんと
おはなししました。いつもこれくらいの時間からなんですかときくと、「いつももう少し早いけど、
11時くらいかな、でもおつかいとかいろいろあるからね」
そう、おつかいとかで遅くなっちゃうことが多いそうです。
お店を閉める時間も早かったり遅かったり適当。雨だとお店を開けない日もあるそう。
マイペースなおばあちゃんになんだかほのぼのしました。
それでも「40年やってるの。」「でもなんだかそんなにたった気がぜんぜんしないのね。」
ときいてびっくり。あっというまだったんですか?ときくと、「うーん、適当にやってるから。」
と笑顔でこたえてくれました。
おばあちゃんとの10分もないお喋りの中では、たびたび「適当」ということばがでてきました。
40年には努力や大変なこともあったのでしょうが、まったく感じさせずに「適当」って言えるって
すごいと思いました。
「またおねがいします」と見送られてお店を出てすぐに、焼きたての鯛焼きにかぶりつきました。
おいしいとしか言えません。
あたたかくて、皮がパリッとして、手作りのあんこが本当にしっぽまでつまっていて。
おいしい鯛焼きと、本当に感じのよい、かわいいおばあちゃんとのお喋りに、
幸せな気持ちになりました。