| 2014/06/27 | スタッフのおすすめ本!(2014年7月) | | by 図書館スタッフ |
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タイトル:どうぶつたちはしっている
写真:イーラ
文:マーガレット・ワイズ・ブラウン
請求記号:E/イ
動物たちはしっている。いったい何を知っているのでしょうか?
アシカ、シカ、おんどり、かば…次々に動物たちはみました。
みんなびっくり、大騒ぎ。さてさて、みんなが見たものとは?!
写真家のイーラは1930年代、当時はめずらしかった
動物専門の写真家として注目された女性です。
イーラは子どもの本の作家として有名なマーガレット・
ワイズ・ブラウンとともに、『二ひきのこぐま』(こぐま社)
をはじめ、すばらしい写真絵本をともに作りますが、
この『どうぶつたちはしっている』は二人の最初の作品です。
驚きと何ともいえないおかしみにあふれた絵本です。
まず目をひくのは、朱赤の表紙、そしてページを開くと
モノクロの写真が強く迫ってきます。その白黒と赤という
色の対比が印象的です。ことばも単純ながら力強く、
次のページに何が待っているかしらという気持ちにさせてくれます。
最後のページに思わずクスッとしてしまうのは、
きっと私だけではないはずです。
書名:「想像ラジオ」
著者:いとうせいこう
請求記号:913.6イ
不思議な感覚にとらわれる作品である。
この作品の中心人物でDJアークなる人は「高い木の上にいるんですね。
町を見下ろす小山に生えてる杉の木の列の中。
細くて天を突き刺すような樹木のほとんど頂点あたりに引っかかって、
仰向けになって首をのけぞらせたまま街並みを逆さに見てる」
状態にあると自ら語っている。
あの震災の時の津波の恐ろしいほどの到達点を知っている我々には、
そんな状況もありかと思われるが、普通に考えれば、
ほとんど絶望的状況にある生者か、或いはもうすでにあちら側に
行ってしまった人であるが、そこは曖昧なまま話が進められる。
そしてDJアークが生まれてきてから今までの来し方、
また故郷に戻ってきた理由が語られ、あの日に起こった顛末が、
多くの謎のリスナーからの話で判明してくる。
彼らが語る突然我が身に起こった信じられない出来事に戸惑う様子が痛ましい。
「この番組は昼夜を問わずあなたの想像の中でだけでオンエアされる」
という「想像ラジオ」って何だろうか?
このラジオから流れてくる放送はどうしたら聴くことができるのか?
いろいろな疑問が起こってくる。
この作品の書出しは、生々しい大震災直後の被災の様子からだが、
だんだんそのことばかりでなく、それ以前の過去に起こった事での
死者と生者との対話も挟み込まれている。
「想像ラジオ」とは大きな悲しみが主体であるために、
「亡くなった人の声を自分の中で聴き続ける」ことができれば、
生者と死者の境を越して聴くことができるもののようである。
そしてそれ故時間・空間(場所)なども超越して可能であると語っている。
よく死は全ての終わりであり、全てが無に帰すと思われているが、
この作品の生者でない人々は多弁で、
「想像ラジオ」から「放送が聴こえていない人たちに
僕らは常に語りかけるべきです。
いつ彼、彼女の耳に僕らの声が届き始めてもいいように」
語りかけていると思うと、
突然大切な人を弔った人達の喪失感をうめ、慰めになるような作品である。