| 2011/09/27 | スタッフのおすすめ本!(10月) | | by 図書館スタッフ |
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書名:ちょっとピンぼけ
著者:ロバート・キャパ
出版:文春文庫
請求記号:V/936/キ
(iプラザ、中央書庫にも所蔵あり)
ロバート・キャパは第2次世界大戦を中心に活躍したアメリカの報道写真家です。
この本では、彼の自分の私生活を含めた第2次大戦期の様子が描かれています。
口絵の写真や掲載されている写真をみると、モノクロの写真でありながら
(モノクロだからなのかもしれませんが)細部まで詳細に映し出された写真の伝える
戦争の生々しさ、臨場感に慄然とします。
キャパは軍隊と行動を共にしながら戦場をめぐり、目の前で敵に打たれて倒れてゆく兵士や
バルコニーに崩れ落ちている兵士を冷静に撮影し、世界に戦場の光景を伝え続けました。
この本はそういった写真がどのように撮影されたのか、彼自身の口からその状況を知ることができます。
タイトルである「ちょっとピンぼけ」は、プロのカメラマンの書く本としては意表を突いたものに
なっています。
これは表紙に使われているノルマンディー上陸作戦に、連合軍の従軍記者として撮影した
写真のことを言っている訳ですが、一体なぜこの写真がピンぼけになったのか、
その興味深い実情が本書の中程のノルマンディー上陸作戦を扱った箇所に書かれています。
ぜひ手に取って「ちょっとピンぼけ」(英語で"Slightly out of Focus")という題名の由来を
読んでみてください。
戦争を糾弾し続けた彼でしたが、後にインドシナ紛争の取材に訪れたベトナムで地雷に触れ、
41歳の短い人生を閉じました。
手にはしっかりとカメラが握りしめられていたそうです。
書名:お菓子の由来物語
著者:猫井 登
出版社:幻冬舎ルネッサンス
請求記号:D596.6/ネ
レシピ本とは一味違う、お菓子のもつ歴史と由来がわかる一冊です。
まず興味を引くのが作者の経歴。
なんと元銀行マンが40歳を過ぎてから製菓学校に通ったというのですから、
驚くとともに頭が下がります。
そのせいか、わかりやすいお菓子の本がないのなら自ら作ろうとする情熱の持ち主。
お菓子に対する思いの強さが伝わってきます。
この本の素敵なところは、なんと言っても大きな写真です。
チョコレート色のシンプルなカバーからは想像もできないような、見るからにおいしそうな写真が
たくさん載っています。
更にケーキの断面があるところ。このケーキ、おいしそうだけど中には何が入っているのかしら?と
思うことが多かった私には、本当に理想的な本でした。
最初から順に読んでいくのはもちろんですが、どこから読んでもわかりやすく楽しめるのも、
この本の魅力の一つです。
巻末の索引からお菓子の名前を探して調べれば、辞書代わりにもなります。
例えばエクレア。今ではケーキ屋さんだけでなく、スーパーでも気軽に買える身近なお菓子ですが、実はフランス語で「雷、稲妻」を意味しているとか。
この由来には諸説あるので、詳細はぜひ本書にてご確認を。
その他にも長年疑問に思っていたムースとババロアの違いや、日本風ショートケーキの意外な歴史など、お菓子好きにはたまらない内容ばかり。
食べるのも作るのも楽しいけれど、ときには読み物としてのお菓子も味わい深いものです。