ひと昔前の話 になりますが、学生だった私が帰宅すると母が衣類の整理をしていました。
要るもの、要らないものを分けていた時、要らないものの山に見慣れない
紺色の革のコートが入っていました。
広げてみると…
『レトロかわいい!』そう思った私は母に尋ねました。
「これは?まだキレイに見えるけど、捨てるの?」
すると母は、
「若い時は良かったけど、もう重くて。
形も体型に合わなくなったし、着ないのに置いといてもしょうがないから」と。
「じゃあ私が着ようかな?」と言うと
「こんなに古いのを若い子が着る?」と半信半疑。
そのまま譲り受けることになりました。
母が着ていた時は、コートに太い共布のベルトが付いていたのですが
当時、太いベルトより細い紐のようなベルトが流行っていたこともあり
ベルトだけ、同じ色の細い紐に変え、
時にはフカフカの毛皮のマフラーを足してみたりして、
ヘビロテ確定!
妊娠する頃まで、かなりお世話になりました。
時は令和7年、歴史は繰り返す…
若い頃には頻繁に着たコートでしたが、
子育て中は軽くて暖かいブルゾンが重宝し、ほとんど着なくなり、
年齢が上がってくると重く感じるようになり、
さらに年齢が上がると体型にも合わなくなり…
と母と同じように思うようになり(理由も繰り返す!)
親子二代で充分、着きったので、いよいよ処分に踏み切ります。
すると今度は、学生の娘が『!!』
「なにそれ、かわいいじゃん、捨てちゃうの?」
デジャヴ?
毛皮のマフラーと共に娘の元へ。
今度は紐のベルトは流行らないし、太いベルトも捨ててしまったので
ベルトなしで着ることとなりました。
もうすでに50年以上経過しているコートですが、
革という材質のせいか、見た目がそんなに変わっていないのが不思議です。
よく、着物は三代着られる、と聞きますが、まさか、コートが三代着られようとは!
嬉しいものですね。
こうなったら、目指せ!四代!?
