部屋のカレンダーも最後の1枚になってしまった。
ここ数十年そうであるように、今年も一年が過ぎるのが本当に早かった。
もっとも、一年の途中で免疫を作ってあるので、そう驚くほどでもないのだが。
「ようやく梅雨入りしましたね。」と時候の挨拶を交わした後には
「今年ももう半分過ぎてしまいましたね。」とつけ加え、
暑い夏も過ぎて「ようやく秋風が吹いてきましたね。」の後には
「今年も残り3ヶ月ですよ。」と言っては相手のあわてぶりを楽しむ悪趣味が私にはあるからだ。
そしてこの会話の後はたいがい、年齢を重ねるほど一年の過ぎるのが
早く感じられるのはどうしてか、ということが話題になる。
どうも年齢を分母にした「年齢分の1年」に感じるようだということで話はまとまる。
でもそれがどうしてなのか理由が分からずにいたが、
最近読んだ本『動的平衡』(福岡伸一/著 木楽舎)に納得する答えを見つけた。
体内のタンパク質の新陳代謝速度を「体内時計」の秒針とすると、
その速度が加齢とともにだんだん遅くなるというのである。
つまり、年を取ると実際の時間の経過に自分の生命回転速度がついていけないのだそうだ。
なるほど、妙に納得してしまった。
あらためてカレンダーをながめてみる。
季節の行事やお菓子、四季折々の花をはじめ月の満ち欠けまでもが
美しい絵入りで紹介されている「二十四節気 歳時記カレンダー」である。
わざわざ歳時記にこだわったのはそれなりの思いがあったはず。
季節の移ろいを感じながら日々を豊かに過ごしたいというささやかな願いが・・・・。
実行できたことといえば正月明けに食あたりをし、
ちょうど良いタイミングだったので「七草粥」を食べたのと
早春の野にいでてヨモギを摘み草餅を作ったこと。
ここで途切れてしまった。
後でわかったのだが、摘んだ草はどうもヨモギではなかったらしい。
いったい私は何の草を食べたのだろう・・・。
先日、注文してあった来年のカレンダーが届いた。
懲りもせず、また同じ歳時記カレンダーである。
来年こそはという決意表明のしるしのようだ。
さて、我が身体の新陳代謝速度をあげるにはどうしたらよいのであろうか?
手元にある本『体温を上げると健康になる』(斎藤真嗣/著 サンマーク出版)
にはそのヒントが満載されている。
しかし、これを全部実行したら、ますます慌ただしく日々を過ごすことになりそうである。
窓の月を眺めながら盃を片手に旬の料理を味わい
ついでに俳句などひねっている自分を妄想しながら、来年を想ってみた。