2013/09/13 | ライオンは大きな猫なのか | | by 図書館スタッフ |
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先日、恵比寿にある東京都写真美術館へ行ってきました。
お目当ては、開催中の「岩合光昭写真展 ネコライオン」。
夏休み中は混んでいるのではないかと心配しながらも、
開館すぐの時間帯だったからか、静かにゆっくりと鑑賞することが出来ました。
岩合光昭さんといえばとても有名な動物写真家です。
私の中では“ネコの写真家”というイメージ。
これは図書館に置いてあるネコの写真集に岩合さんの著作が多いからなのかもしれませんし、
「世界ネコ歩き」というドキュメンタリー番組の影響かもしれません。
ネコ好きの人ならば一度は写真を目にしたことがあるはずです。
さてこの写真展、「ネコライオン」というストレートなタイトルと、
左側がネコ、右側がライオンの合成写真のポスターが印象的。
そして何よりもコンセプトをよく表しています。
ライオンがネコ科の動物であるのは誰もが知っていますが、
どれほどネコと似ているのか、実際に観察することは普通の人にはできません。
しかし世界を股にかける動物写真家の岩合さんにはこれが出来ます。
しかも、瞬時に“時”をとどめることができる写真だと、より一層わかりやすいのです。
以前テレビで、ネコのように“ネコじゃらし”にじゃれるライオンを見たことがあるのですが、
写真で並べられると、座り方や毛づくろい中の姿など、ライオンは大きなネコだと思えます。
ですが、それだけではないのが、プロの写真家の作品であり、
並べて展示する意義なのかもしれません。
やはり同じネコ科でも、ライオンとネコは違うのです。
よく似ているけれど、明らかに違うことがわかる写真もたくさんあります。
写真の構図やポーズは同じでも、
そのポーズをしている背景がまるっきり違うのがわかるものが多々ありました。
伸びをしているネコに対して、その姿勢を撮った時のライオンの写真は、
明らかに獲物を狙っている時の姿だったり、
風下に潜んでいる時に見つからないようにするための低い姿勢だったりします。
私たちの生活に溶け込んでいる身近な“ネコ”と百獣の王である“ライオン”。
共通点と違いをよく認識できる写真展でした。
また、岩合さんの著作ではないのですが、図書館でよく似たコンセプトの絵本があり、
気になっていたのも、この写真展を見に行くきっかけになりました。
写真展に行く時間がないかたは、こちらで楽しんでも良いかもしれません。
『ねことライオン にてる?にてない?』(E4/ウ) 内山晟/写真 ひさかたチャイルド 2011.7