タイトル:
ひよこさん著者:征矢 清 作 / 林 明子 絵
出版社:福音館書店
資料コード:612242000他
請求記号:E1/ソ
ひよこさんがひとりでおでかけしているうちに夜が来てしまいました。
暗くてもう歩けません。一枚の葉っぱをお布団にしてぐーぐー眠るひよこさん。
眠っているうちになんだかあったかいものに包まれていました。
夜が明けてみると、お母さんがそばにいてくれたのです。
ひよこさんはお母さんと一緒にお家に帰ります。
ひよこさんが一人でお出かけする様子が描かれていますが、
ひよこさん、大人の目からするとツッコミどころがいっぱい。
のんきというか、外の世界は危険がいっぱいなのにと心配になります。
ページをめくるたびに一緒に絵本を見つめている子どもたちの顔も
心配そうになってきます。
おまけに葉っぱ一枚のお布団をかぶって「ぐーぐーぐー」と寝てしまうなんて、
無防備にも程があります。でも大丈夫。怖いことは何も起こらず、
お母さんが夜の間に迎えにきて、そばにいてくれました。
目が覚めたら、お母さんと一緒に帰ります。よかったね、ひよこさん!
めでたし、めでたしの結末に子どもたちの表情も柔らかくなります。
征矢清さんの文章はなんてひよこさんの気持ちに寄り添っているのでしょう。
混じり気の一切ない真っ直ぐ心に届く言葉です。
絵も素敵です。背景が夜なので寒色なのですが、
夜が明けると空やおかあさんめんどりが暖かい色合いで描かれます。
親子で帰っていく時は青空が広がっています。
『
こんとあき』などで皆さんもよく知っておられる林明子さんですが、
前述の絵本と違ったシンプルながらも温かみのある絵です。
読み終わると暖かい気持ちになるこの絵本、
一読するなり大好きになってしまいました。ぜひ手に取ってみてください。