タイトル:『3652(さん・ろく・ご・に)』
著者:伊坂幸太郎
出版社:新潮社
請求記号:914.6/イ
資料コード:611409085他
エッセイ集です。
筆者の足取りを追っているような、あるいは追体験するかのような
さまざまな媒体に掲載されたエッセイの数々。
それぞれのエッセイの最後には初出の媒体名が記されているのですが
読み進めているうちに(気のせいかもしれませんが)
それぞれの媒体ごとの特色があるようにも思えます。
さて、本書には著者の作品を含めて様々な作品の名前が出てきます。
例えば「B型とセガールとヨーグルト」には『青梅雨』V913.6/ナ(611130734他)、
「人気作家54大アンケート!」では『さまよえる脳髄』V913.6/オ(610252204他)、
「人気作家64人大アンケート!」では『中二階』933.7/ベ(610067476他)が紹介されています。
割愛させていただきますが、他にも本に限らず音楽や映画など、
たくさんの作品名が出てくる為「気になる作品を知ることができる」
という観点からも興味深い本です。
ところで、個人的には「映画館は平和だ」に共感を覚えました。
現在でも(この本が出版されたのは2010年です)映画館に行くと
啓蒙のポスターや映像があちこちにあります。
そもそもそれらが目に入っていないのではなかろうか、と考えることが多々ある為です。
「それとも、ここ、自宅ですか?」の一文が心に残りました。
また、脚注も補助的役割でありながら併せて読むことで補完され、
より一層世界観に浸れる存在感を放っているようにも感じられる本だと思います。