| 2009/06/26 | スタッフのおすすめ本!(6月) | | by 図書館スタッフ |
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タイトル:私を離さないで
著者:カズオ・イシグロ
請求記号:933/イ
著者のカズオ・イシグロ氏は日本で生まれ、幼い頃イギリスに渡り
そのまま帰化しているので、イギリス人の作家ということになります。
作品はもちろん英語で書かれていて、私たちは翻訳されたものを
読んでいるわけですが、そよそよと風が吹くような静かな語り口は
心地よく、この小説をより印象深いものにしています。
「ヘールシャム」という施設で育ったキャシーとトミーとルース。
物語は、やがて「介護人」となったキャシーの回想という形で
「ヘールシャム」での日々や友人たちのその後が語られていきます。
キャシーの回想には何度も「介護人」、「提供者」、「使命」
という言葉が出てきます。
かなり気になる言葉なのですが、その意味するところや
彼らが置かれた状況は、次第に明らかにされていきます。
特異な世界での出来事を丹念に回想するキャシー。
その語りは常に静かで淡々としています。
だからこそ、この小説の哀しさや怖さが伝わってくるのかもしれませんが・・・。
いつまでも心に残る1冊だと思います。
タイトル:つきづきの彩り 旧暦二十四節気に見る日本の美しい風景
著者:山口高志
請求記号:748/ヤ
二十四節気、現在では余り使われる事が無いと思います。
時折、天気予報等で少し触れられるぐらいでしょうか。
とは言え時節を表す伝統的な言葉として、確かにその姿を残しています。
こちらの本では立春から大寒まで、
二十四節気をテーマに日本各地の美しい風景が収められています。
風景の美しさは言うまでもなく、私としてはそれ以上に「色」が印象的な本です。
草木が醸す深い緑。
水が打ち付ける飛沫で弾き出される白。
夕暮れに焦がされた朱の空、
それを冷ますように、黒とは言えない紫の夜が降りてくるまで。
言葉では中々表現しえぬ風景が広がっています。
見ていて思うのは現在に言われる色ではなく、
二十四節気同様、遠く昔に使われた和の色だと表すことが出来そうです。
目で感じる一冊です。