| 2012/03/02 | スタッフのおすすめ本!(3月) | | by 図書館スタッフ |
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書名:花森安治のデザイン
著者:花森安治
出版社:暮しの手帖社
請求記号:051.7/ハ
毎号発売を楽しみにしている雑誌に『暮しの手帖』があります。
『暮しの手帖』は1948年に『美しい暮しの手帖』として創刊され、
現在第4世紀56号(通巻420号)まで刊行されている歴史の長い雑誌です。
筆者が購入し始めたのはここ数年のことですが、
文字通り隅から隅まで余すところ無く読んでいます。
昨年は、『暮しの手帖』の初代編集長である花森安治の生誕100年にあたり、
関連書籍が何冊か出版されました。
本書『花森安治のデザイン』もその1冊で、
『暮しの手帖』の表紙原画をはじめ、
花森安治が手がけたデザインの仕事が紹介されています。
第1世紀1号(100号で1世紀)から第2世紀53号までの表紙原画の一覧は圧巻ですが、
その他にも書籍の装釘、手書き文字、
カット約300点が全てカラーで掲載されています。
中でも筆者が魅かれたのが、手書き文字です。
いわゆる美しい達筆な文字というわけではありません。
ただ、眼にした時にすんなりと読みやすく、
それでいて誌面を豊かにしている手書きの文字には、
ひらがな数文字のデザインでもおろそかにしないという、
この雑誌の編集の精神が感じられました。
本書はデザインの仕事に焦点をあてていますが、
その人物像は『花森安治の仕事』に詳しく書かれています。
有名な「商品テスト」の様子や、
本書で紹介されたデザインが産み出される時の様子等をうかがい知ることができます。
こちらもぜひ合わせてご覧ください。
・稲城市立図書館で所蔵している、花森安治関連の書籍
『一銭五厘の旗』花森安治 暮しの手帖社 1978
『花森安治の仕事』酒井寛 朝日新聞社 1988
『花森安治戯文集』1 花森安治 LLPブックエンド 2011
『花森安治戯文集』2 花森安治 LLPブックエンド 2011
『花森安治戯文集』3 花森安治 LLPブックエンド 2011
『花森安治のデザイン』花森安治 暮しの手帖社 2011
※『暮しの手帖』は中央・第一・第三・第四図書館で所蔵しています。
書名:スピリットベアにふれた島
著者:ベン・マイケルセン 訳:原田勝
出版社:鈴木出版
請求記号:Y933.7/マ
請求記号の数字の前にYの文字がつく本はYoung Adult(ヤングアダルト)=中学生、高校生をはじめとする10代の若者向けに書かれた本のことですが、大人にとっても読みごたえのある本がたくさんあります。この本もそのうちの一冊です。
主人公のコールは父親から虐待を受け、アルコールに逃げる母親からは見捨てられ、誰からも必要とされていない自分を怒りという感情を杖にしてやっと生きているような少年です。ある日、その怒りが爆発し、同級生のポールに脳にも体にも後遺症が残るような重症を負わせてしまいます。アメリカでは北アメリカ先住民の間で何世紀も行われてきた『正義の輪(サークル・ジャスティス)』という慣習を司法制度の一部に取り入れており、コールはそのサークルの決定によって刑務所ではなく、アラスカの無人島に1人で1年間生活することになります。
コールが無人島で体験することは私の想像力ではとても追いつかないすさまじさでした。
輪(サークル)はこの本のキーワードでもあります。被害者であるポール、加害者であるコールの救済にはさまざまな人はもちろん、動物、自然が関わっていて、全てが1つの大きな輪になっていくのです。
この本を読んでいて、1冊の本もまたつながっていく大きな輪の中にあることに気づきました。
大江健三郎さんが「子供にとって、-取り返しがつかない!ということは絶対ないからです」と
強く語っていたこと、思春期を「死と再生の時期」と書いた河合隼雄さんのこと、大岩をころが
し続けたシーシュポスのことについてもう一度読みたくなり、再読しました。また、北アメリカ
先住民についてもっと知りたくなり、松木正さんの本と出合うことになりました。私は以下の
4冊でしたが、読む人によってはまた違った方向にこの輪は広がっていくのだろうと思います。
書名:「自分の木」の下で
著者:大江健三郎
出版社:朝日新聞社
請求記号:Y914.6/オ・914.6/オ
書名:Q&Aこころの子育て 誕生から思春期までの48章
著者:河合隼雄
出版社:朝日新聞社
請求記号:379.9/カ・379/カ
書名:シーシュポスの神話
著者:アルベール・カミュ
出版社:新潮社
請求記号:114/カ・953/カ
書名:自分を信じて生きる インディアンの方法
著者:松木正
出版社:小学館
請求記号:382.5/マ