ベストセラーというものが苦手です。
「みんなが読んでいる」「読んで当たり前」と言われているような気がするからです。
「○百万部突破」や「ドラマ化決定!」というフレーズに私の読書センサーはピクリとも反応しません。
本を読むことは大好きです。
ミステリーや歴史物をよく読みます。
行き帰りの電車に乗っている時間が読書タイムで
今ではつり革につかまって、立ちながら読むのが一番集中できるスタイルになりました。
読書に夢中でもう少し我が家が遠ければいいのにと思うことさえあります。
私が書店で本を選ぶポイントはタイトルや装丁、書店のポップなどです。
特に本の帯や、ポップには出版社や書店の本を手にとってほしいという熱意がすさまじく、
創意工夫にあふれ、ついつい購入してしまいます。
この時、あまり著者のネームバリューなどは気にしません。
むしろまだ世間に知れていない作家を自分で発掘したいという想いがあります。
そういう理由もあり、これまでベストセラーというものに手が伸びませんでした。
ある日、スタッフ間で好きな本の話をすることがありました。
その中で私がある有名大物作家の作品をほとんど読んでいないことが知られてしまいました。
「読んでないの?!」「あんなに話題になったのに!!」などと言われる事を覚悟しましたが、
ある一人のスタッフがかけてくれた言葉は意外なものでした。
「恥ずかしい」でもなく
「もったいない」でもありません。
「うらやましい」と言われました。
「初めて読んだ時の感動を味わえるあなたがうらやましい」
すごくオシャレな表現だと思いました。
こういうセリフをさらりと言えるカッコよさに感動し、
その方が薦めてくれた本をすぐに図書館で借りて読みました。
感想は…「すごく面白かった」です。
この出来事がなければ私はこの本と出会うことがなかったかもしれません。
好きなジャンル、好きな作家がいることも素晴らしいと思います。
しかし、自分センサーに届かなかったとはいえ、面白い本が沢山あるということを体験できました。
たまには好みという枠を超えて「読まず嫌い」に手を伸ばしてみよう。
苦手なジャンルにも挑戦してみようと思いました。