資料コード:630337363
請求記号:D7BF/セ
何度も繰り返し見たくなる映画は?と尋ねられて真っ先に挙げたくなるのがこの『セント・オブ・ウーマン 夢の香り』(1992年の作品)。
題名からはどんな映画かイメージできないかもしれないけれど、恋愛ものではなく、退役軍人と18歳の高校生との心の交流を描いた感動のヒューマンドラマ。
アメリカの名門高校に通うチャーリー、学力は優秀だが家庭の事情で給費生。クリスマスにオレゴン州の両親の元へ戻るため、感謝祭の週末にアルバイトに応募した。そのアルバイトは家人が留守の間、盲目の元軍人の面倒を見るというもの。
この元軍人のフランク、気難しく威圧的でおまけにとても口が悪い。とてもこんな人のそばにいられたものではないとチャーリーはこのバイトを断ろうとするが、盲目の人を一人で放っておくわけにはいかないと頼み込まれ、いやいやバイトを引き受ける。
フランクはチャーリーにニューヨークへついていってほしいと頼む。目の見えない真っ暗闇の人生に疲れ果てていたフランクにはニューヨークで実行したいことがあった。
一方チャーリーにもある悩みが。それは感謝祭の前夜、同級生たちが校長に仕掛けた悪だくみを目撃したことで、校長からある取引を迫られていたからだった。
この二人が果たしてどのように信頼関係を結ぶのか、希望ある未来は見えてくるのか・・・
この映画のみどころはなんといってもアル・パチーノ。人生に希望が見いだせない苦悩の表情と女性を前にしたときの柔らくチャーミングなほほ笑みのギャップ。レストランでタンゴを踊る場面、盲目の役どころなので、目の動きが止まったままなのに優雅なダンスで女性をリードする姿にウットリ。
そして最後の講堂での演説は、まさに声に出して読みたい英語。
“I have come to the crossroads in my days, and I have always known the right path, always, without exception, I knew. But I never took it, you know why? Because it's too damn hard. (中略)
Let him continue on his journey. You hold this boy's future in your hands, committee! It's a valuable future. Believe me! Don't destroy…protect it…embrace it. It's gonna make you proud someday…I promise. “
『東大から刑務所へ』(堀江貴文・井川意高/著)(611974008)で、井川さんが「アル・パチーノが出ていた『セント・オブ・ウーマン 夢の香り』という映画があるでしょ。私はあの映画が好きなのよ」と書いていらっしゃるのを見つけた。そのあとのくだりもあるので、ご興味のある方は是非こちらもどうぞ。
さて、イタリアのバルニ社から、この映画のタイトルから名前をとった「セント・オブ・ウーマン」というバラが発表されていると知り育て始めている。赤紫色のフロリバンダ(中輪房咲で四季咲)で、モダンダマスクの香りがあるらしい。この春咲いてくれるといいな。