蔵書検索


 
詳細検索
新着資料検索

利用方法
 

休館日

開館カレンダー


 中央 第四月曜日
 年末年始・特別整理期間
 第一
 第二
 第三
 第四
 月曜日
 祝日・年末年始
 特別整理期間
 iプラザ
 第二・第四月曜日
 (祝日の場合は翌日)
 年末年始・特別整理期間
 

開館時間

中央・iプラザ 9:00-20:00
第一~第四 10:00-17:00
*7月21日~8月31日 
 火~土曜日:9:00-18:00
 日曜日:9:00-17:00
 

iブラリブログ

おすすめ資料 >> 記事詳細

2025/12/22

プラン75

Tweet ThisSend to Facebook | by 図書館管理者
タイトル:PLAN 75
監督:早川千絵
請求記号:D7AF/プ
資料コード:630337265

 少子高齢化が加速する近未来の日本。超高齢化問題の解決策として、75歳以上の高齢者は生死の選択をする権利(要するに安楽死する権利)を持つことができる制度「プラン75」が施行された。
倍賞千恵子さん演じる主人公のミチは一人暮らしで身寄りもない78歳。ホテルの客室清掃員として働いていたが、高齢を理由に突然解雇される。次の仕事を見つけられず経済的に追い詰められたミチはついにプラン75を申請する…。

 私にとっては“映画=娯楽”です。なので、超難解なものとか何かの問題を世に問う的なやつ、胸糞映画・鬱映画は見ません。この『プラン75』は、あらすじを何となく知っていましたから通常なら避けるのですが、実はとても気になっていました。自分が歳をとってきてこういう問題が切実になっているからでしょう。視聴したという妹に感想を聞いてみたところ「倍賞千恵子さん、よくこんな映画に出たと思った(「こんな」は決して悪い意味の「こんな」ではなかったので誤解なきよう)。でもさすがだった」。
……これはもう、見るしかないか。

 本人がその気にさえなればすぐに申し込むことができて火葬も葬儀代も無料、事前にサポートカウンセリングをしてくれて支援金ももらえて、最後は後片付けまでの一切をしてくれる。至れりつくせりのプラン75ですが、もちろん問題大ありの制度です。一番いけないのは、日本人特有の「空気を読んで」とか「雰囲気に流されて」とかで死を選んでしまう人が大勢いそうなこと(それが国の狙いなんだけどね)。商店街の「歳末大売出し!」みたいなのと同じノリで「プラン75」と書かれたノボリがあちこちに立てられていて、明るくじわじわと強制してくる感じが怖い。悪用する輩がわらわら出現するだろうことも容易に想像がつきます。
しかしその一方で。この世を去るときには苦しいのと痛いのと怖い思いをするのだけは勘弁、と常々思っている自分としては、苦しむことなく逝けるというのが魅力的過ぎる。それに将来、家族も健康もお金も失い気力もなくなって…、という状況に絶対ならないとは言えず、そうなったら楽な方へ楽な方へと流れる性格の私はきっとプラン75してしまうであろう。
 こんなガバガバな制度が実現するなんてあってはならないし、まあ、ありえませんが、それでも非常に惹かれてしまう部分があるのも本当なのです。

 最後の場面を見て、少しネタバレになりますが「生きてるってやっぱり素晴らしい」「生きていればきっと良いことがあるよ」などと言うのは能天気過ぎるし、けれど夕日を見つめるミチは凛として美しかった。けれどけれど「この後どうなるんだ」とも思うしで、決してハッピーエンドではない。
 かすかな希望を感じられたのは、プラン75の申請窓口で働くヒロムと、電話カウンセリングをしている瑤子の存在です。当たり前のこととして淡々と業務をこなしていた若い二人ですが、ヒロムは二十年間音信不通だった叔父と申請窓口で偶然再開したことで、瑤子は規則を破って直にミチと会ったことがきっかけで、この制度に疑問を持ち始めるのです。
 だからと言って、一度こんな形に出来上がってしまった社会を変えようというのは容易でなく結局は何も変わらないのかもしれませんが、そして「これは映画の中のおはなしなんだから」と自分に言い聞かせながら見ているその自分の中でもすっきりしませんでしたが、でも、ラストシーンの夕日とミチが美しかったことだけは確かだったのでした。

 以前に何かで読んだのですが、お名前を失念してしまいましたが、高齢で、しかしご自分の分野(どんな分野だったかも忘れた笑)で現役で活躍されている方の言葉が印象に残っています。
「もういつお迎えが来てもいいわ。でも今日でなくてもいいわ」。
こんな心境で生きていける社会(当然プラン75なんかない)、そして自分であったら、どんなにか良いでしょうね。


09:00