| 2011/07/12 | 展示からのおすすめ ~7月の展示から~ | | by 図書館スタッフ |
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一般特集コーナー ◆新着図書コーナーの隣◆
「文学で世界を巡る旅特集 ☆おすすめ本☆」
書 名:『苺とチョコレート』(原題:Fresa y Chocolate)
著 者: セネル・パス
出版: 集英社
請求記号:963/パ
この作品は、是非映画も観ていただきたい。
そんなわけで、今回は映画のご案内を中心にさせていただきます。
原作はセネル・パスの「森、狼そして新しい人間」。
それを著者自らが脚本し、映画化した作品が『苺とチョコレート』です。
キューバの巨匠トマス・グティエス・アレア監督によって映画化され、
ベルリン国際映画祭の銀熊賞をはじめ数々の賞を受賞。
日本でも94年に公開されました。
物語の舞台は80年代のハバナ。
自由と芸術を愛するゲイのアーティストと、筋金入りの共産主義者である青年。
生き方も考え方も違う2人が温かな人間愛で結ばれていく姿を描いています。
恋人に結婚されてしまい、しょげながらひとりチョコレート・アイスクリームを食べていた
共産主義者の大学生ダビドは、そこでイチゴのアイスクリームを食べる芸術家ディエゴと知り合った。
ホモ・セクシュアルのディエゴを嫌悪していたダビドだったが、次第に彼の真にピュアな人間性に
惹かれていきます。
同性愛に対する偏見の強いキューバでは、イチゴは同性愛の象徴であり、
そんな暗喩をユーモラスに用いながら、問題提起と人間模様を両立させている秀作です。
興味深いのはこの作品に対するキューバの対応。
映画『苺とチョコレート』がキューバのテレビで放送されたのは、
なんと製作から14年もの歳月が過ぎた2007年!
パス曰く、つまりは『映画のなかで起きていたことに似た、少しバカげたことが起きていた』
わけです。
海外で評価される作品がいつまでたっても放送されないことにキューバの文化人たちが
抗議の声をあげ、多くの議論が交わされた末に、やっと本作を初めとする様々な作品が
放送されるようになったそうです。
そんな現実を頭の片隅に、是非作品を堪能してください!
一般展示コーナー ◆体験学習館側の入り口入って右◆
「水の生き物 特集 ☆おすすめ本☆」
書名:不思議ないきもの ウミウシ
写真・文:今本淳
出版:二見書房
請求記号:484.6/イ
表紙の鮮やかさに目を魅かれた一冊。
夏らしい、色鮮やかなウミウシの写真集です。
ウミウシ=派手な色のナメクジみたいな生き物…程度の認識しかなかったのですが、
この本を読んで一転、「海の宝石」と言われることに納得してしましました。
巻貝の仲間(でもそのほとんどが貝殻を持たず)で種類も豊富。
本によると、アメフラシやクリオネもウミウシの仲間だそうです。
ウミウシの特徴といえばその色と形状。
色は青、赤、黄色、緑など原色系の色を持つものや目の覚めるような
ネオンカラーを持つものなど模様や配色も多様です。
形状は牛のような一対の角を持つもの、不思議な突起を持つものなど、
どうしたらこのような生き物が生まれたのか不思議に思います。
この本ではそんなウミウシたちの姿を堪能できます。
1ページにひとつずつ、ページいっぱいに拡大されたウミウシがデカデカと載っています。
これだけのアップ写真ですので、その幻想的な美しさをよく見ることができます。
そして、ページの隅に実物大のシルエットも載っているのですが、
その小ささにさらに驚愕してしまいました。
本当の大きさは数ミリ~数センチという小ささ!
ウミウシはとても小さな生き物だということもこの本で知りました。
中には「ちょっと気持ち悪いかも…」と思えるようなウミウシでも、
指先にちょこんと乗るくらいの大きさを想像すると思わず癒されます。
背景の海藻類や砂粒もとても綺麗です。
名前も面白く、「ホシゾラウミウシ」(青色に黄色の斑点のウミウシ)や
「ユキヤマウミウシ」(山の形状に雪が積もったような色のウミウシ)など、
個々の姿をうまく表現した名前がついています。
その形態の多様性、色彩の意外性とバリエーション、不思議でちっぽけな生き物、ウミウシ。
ぜひ一度ご覧下さい。