先日、ある絵本作家の講義を聞かせていただいた。
その作家の作品は、絵本や紙芝居など100点にも及ぶ。最初に自作の紙芝居を読み聞かせ、雰囲気を和ませた。
そのあと絵本との出会い、絵本を作り始めたきっかけ、絵本への想いなどを語ってくれた。
絵本との出会いは、ご自分の娘に絵本を読み聞かせするようになってから。
それでも最初は絵本のおもしろさは理解できなかったという。なぜ絵本に子どもが夢中になって、何度も読んでもらいたがるのか、決してうまいとはいえない絵で描かれているのに、どこがよいのかと思ったそうだ。
それなのになぜ絵本を作ろうと思ったのか?それは、もともと絵を描くことがきらいではなかったので、これで子どもが喜ぶなら自分でも作れるのではと思ったという。
そこから始まった絵本作りが、子どもたちに喜ばれる絵本を数多く生みだすまでになったのだからおどろきである。
絵本は年間1000冊、売れ続ければ生き残れるといわれているそうだ。そのためには子どもが何度でも読んでほしいと思う本であること、また子どもと絵本をつなぐ大人(親、保育士、幼稚園の教員、教師、図書館司書など)に選ばれる本であること、この両方の条件を満たしていること。
この2つの高いハードルを越えなければ生き残っていけない。そのためには作品の力が必要なのだという。
あっという間の2時間、紙芝居や絵本の読み聞かせを交えながら、楽しくお話を聞かせていただいた。
1冊1冊にこめられた作者の想いを大切にしなければ、と改めて感じたひとときであった。