このところ、もの忘れをすることが多くなった。
いざその場に行ったら、何をしに来たのか忘れる。
冷蔵庫をあけた瞬間、何を出そうとしていたのかが思い出せなくなる。
買い物に行って目的のものを買い忘れることはしばしばだが、買い忘れ防止にとメモを持っていたことすら忘れる。
塩の隣は砂糖であることを忘れて、おにぎりに砂糖をまぶし食べてから失敗に気づく…、といった具合だ。
いつか仕事で重大なすっぽ抜けをしたらとり返しがつかない、と恐怖心が募ると同時に、もしかしたら病気が忍び寄っているのではないか、と密かに不安になっている。
認知症になる人は60歳を超える頃から増え始め、厚生労働省の研究では2015年には302万人、2035年になると445万人にもなることが予想されている。
誰にでも起こり得る身近な病気で、もちろん自分が発症してもおかしくはない。
特に心配なのが、認知症の半数以上を占めるアルツハイマー型認知症だ。
アルツハイマー型認知症の発症原因は明確ではないが、脳内にβアミロイドというたんぱく質の一種が過剰に蓄積することで神経細胞が死滅し、脳が萎縮して起こると考えられている。
βアミロイドは歳をとると誰でも増え、多くなると老人班と呼ばれるしみのようなものをつくることから、病気の発症には加齢が大きく関わっていると考えられている。
そろそろお年頃も近くなり、またお酒を飲むと記憶をなくすことがたびたびの自分は「アル中ハイマー」とも呼ばれているだけに、不安は尽きない。
その次に多い脳血管性認知症も、自分の発症リスクは高い。
脳血管性認知症は、脳出血や脳梗塞などにより脳の血管が障害され、脳の神経細胞に酸素と栄養が供給されなくなって生じる。
この脳血管障害の元にあるのが動脈硬化で、これを進める要因のひとつが飲酒だ。
また、飲酒は血管を障害するだけでなく、脳細胞自体も傷つける。
深酒をすると一晩でなんと10万個もの脳細胞が死滅するそうで、1度死んでしまった脳細胞は再生することはない。
今までの深酒経験からすでに数億個の脳細胞を死滅させているだろう自分には、まさに危険信号がバチバチと点滅しているではないか!
認知症は決定的な予防法はないとされるが、飲酒を控えれば脳細胞の死滅数は確実に減らせる。
それだけに、お酒はたしなむ程度にとどめるのは病気予防には欠かせない。
もう1つ、大切なのが脳をよく使うことだ。
脳細胞はたとえ死滅しても、頭を使えば使うほど脳には新たなネットワークが形成されて、脳の持つ力は回復するとされる。
この脳の活性化に大いに役立つのが読書で、読書はもの忘れ防止のための脳トレになるとも言われている。
そうとわかればもっともっと読書に励まねば!
図書館は脳トレ・ギアの宝庫。
せっせと活用して脳の回復を心がけるとともに、多くの人にもぜひ利用して頂き、脳の活性化に役立てて欲しいと思っている。