皆様は、『ストーリーテリング』を知っていますか?
『ストーリーテリング』とは、昔話などの物語を本を見ずに語ることです。読み聞かせやブックトークと一緒で子どもたちにお話しを楽しんでもらう大事な活動のひとつです。
と、偉そうに言っておりますが、かく言う私もこうして図書館事業に関わらなければ、ストーリーテリングという単語自体身近なものではなかったと思います。実際意識し出したのは、ここ最近です。
しかしながら、少しずつストーリーテリングに触れる機会が増えていくと、自分の子どものときを思い出すようになってきました。
小さい頃、私の家は母方の祖母の家と同じ市内だったので、頻繁に遊びに行ったり泊まったりしていました。祖母の家の近くには国道が通っており、2階から見下ろせる距離にありました。国道の近く、というのは便利でもありますが同時に車の音が目立つデメリットもあり、特に田舎の国道というのは夜になると、やんちゃな少年たちが夜な夜なバイク音を響かせておりました。そんなバイクの音が怖く、よく眠ることができずにいたのですが、それを見た祖母が「かぐや姫」や「ラプンツェル」などのお姫様のお話しを時々話してくれていました。
そして、ふと思いました。あれ?これって、もしかしてストーリーテリングでは?と。
いま活動されている語り手の方のお話は、しっかりと話を覚えたうえで語っておりますが、祖母が私に聞かせてくれた「かぐや姫」は、時々オリジナリティに溢れていたので(“私のように”かわいい女の子が――と追加してあったり、、、)またイベントで語るストーリーテリングとは違うものだと思います。
だけど、その時祖母が語ってくれた声や部屋の暗さや布団の温もりは、今でも心地よい思い出として記憶に残っています。
きっとストーリーテリングの大事なところって、こういうところなのかな、としみじみ感じております。
大人になった今、ご縁があって語り手という立場に1回立たせていただきました。まず物語を一言ずつしっかり覚え、自分で解釈を深め、子どもたちに語りました。とても難しく、途中言い間違えたりしてしまって、これを何回もやってきた先輩たちには尊敬しかありません。そんな下手な私の語りでも、子どもが反応して笑ってくれたり、想像したりしてくれているのが伝わって、感動しました。とても緊張しましたが、語ることができて良かった!
そしてただいま、二つ目のお話しを特訓中です!
まだまだ勉強中の身ですが、子どものとき祖母にしてもらった思い出を、大人になった私が子どもたちにまた伝えていけたらいいな、と思います。
さて、そんなストーリーテリングですが、稲城市立図書館でも毎週土曜日に中央図書館で子ども向けにおはなし会を開いています。ストーリーテリングの活動をしている稲城市の団体さんが毎週色々なお話しを語ってくれるので、ぜひ一度足を運んでくれたら、と思います。
子どもだけでなく、大人向けのおはなし会も定期的にやっております!
大人も子どももおはなしの世界に浸ってくれたら嬉しいです。