高校時代、合唱部と書道部に所属していた私。
県の合唱コンクールと書道展、文化祭のコンサートと作品展示とがそれぞれにちょうど重なる時期だったので、合唱部の練習と自主練習を終えたら、書道部で筆を持ち、遅い時には夜10時近くまで学校に残ることもありました。
合唱コンクールと書道展を終えた、高校2年生の3学期のある日。
合唱部の顧問の先生から「"合唱の道は一日にしてならず"とスローガンを書にして、部室に飾りたい。」との依頼を受けました。
県内の強豪校が部室にスローガンを掲げていると聞き、我が部もぜひ飾りたい!とのことでした。
書道部の顧問の先生の指導を受けながら、私自身も納得するまで何枚も書き、気が付けば完成までに1ヶ月以上かかりました。
その直後に先生は他校へ異動されることになり、約10数年に渡り合唱部をご指導くださった恩師の教えを形に残すことが出来たこと、先生が学校を去られる前に完成出来たことを嬉しく思いました。
高校卒業から10年を経た頃、母校が閉校になるとの知らせを受けて、卒業生として閉校イベントに参加しました。
部室の音楽室、あのスローガンはまだ飾ってあるのかな…と見に行ってみると、ありました!私の書!
額装にして飾っていたのですが、中の表装は残念ながらはがれてしまっていましたし、昔の自分自身の字は、今見てみると何だか恥ずかしかったのですが…
10数年間閉校になるその日まで、ここから後輩たちのことを見届けていたのか…と思うと、これまでお疲れさまと声をかけてあげたい気持ちになりました。
記念にと思い書の写真を撮影して、今でもたまに見返しています。
「○○の道は一日にしてならず」
合唱や書道だけでなく、きっと人生における何事にも通じることかも知れないと、大人になった今、そう思っています。
