先日、近所に住む知人から「フキノトウ」を頂きました。
春先になると自宅の庭からたくさん生えてくるそうで、毎年おすそ分けしてもらうのが恒例になっています。
さっそく、季節を感じさせてくれる到来物をありがたく料理しました。
まずは定番のフキ味噌。細かく刻んだフキノトウを多めの油で炒め、みりんで溶いた味噌と砂糖を加えて煮詰めます。フキのほろ苦さと味噌のコクが一体になって、温かいご飯に乗せたりおにぎりの具にしたりするのはもちろんのこと、日本酒のおつまみにもよく合います。
次に、さっと茹でたフキノトウをよく絞り、保存容器に入れ、少しの塩とたっぷりのオリーブオイルを注いだオイル漬けも作っておきました。こちらはベーコンやホタルイカなどと一緒に、パスタやリゾットに加えると新鮮な香りと食感が楽しめます。と言いつつ、結局は白ワインのお供として、薄切りのバゲットの上に乗せただけでそのまま食べてしまうことの方が多いのですが。
最後に、まだ「薹(とう)が立つ」前の、形よく丸まったものを数個、天麩羅にしました。毎日の食事の支度だとおっくうに感じる揚げ物も、こんな旬の食材だと不思議とわくわくしてきます。薄い衣をつけて揚げたフキノトウは外側の葉がサクサク、中心の蕾がもっちりとして、塩を振って齧り付くといくらでもビールが飲めそうです。
我が家の晩酌メニューに春の気配を連れてきてくれたフキノトウ。調べてみるとフキは数少ない日本原産の野菜で、平安時代からすでに栽培が始まっていたそうです。中央図書館でも、フキノトウをテーマにした絵本や美味しく食べるためのレシピ本などを所蔵しています。
著者:甲斐信枝
発行:福音館書店
資料コード:610491802
著者:高野昭人
発行:世界文化社
資料コード:611582527
著者:篠原準八
発行:三五館
資料コード:611697570